脱・歯ブラシ一刀流!デンタルフロス&歯間ブラシ 使いかた講座

★歯ブラシではみがけない場所がある!

 歯みがきは1日2回、いや3回以上している方も増えてきました。しかし、どんなにていねいに上手に歯みがきできる方でも、歯ブラシ1本でお口を清潔に保つことは「不可能」です。歯ブラシだけではほぼ絶対にみがききれない場所があるのです。

 その1つ目は、歯と歯の接する「コンタクトポイント」。2本の歯がぴったりくっついて生えているとき、歯がぶつかっているところです。このすき間には歯ブラシの毛先は物理的に入りません。しかしそれでも細菌は入り込み、プラークを形成し酸を出して、むし歯(う蝕)のもとになります。ここに溜まったプラークは、デンタルフロス(以下、フロス)でないと取り除けません。

 2つ目は、歯が隣り合ったところの「歯の根元まわり」。上の歯でも下の歯でも、根元まわりには歯ブラシが当たりにくく、溜まったプラークは時間とともに病原性を増し、歯周病の原因となります。特に歯の裏側の根元まわりの場合、表側よりもいっそう歯ブラシが届きにくいです。

 ここに溜まったプラークを取り除くには、フロスや歯間ブラシを根元まわりに沿うように当てて、みがく必要があります。

 

★極意伝授!フロス&歯間ブラシの使いかた

 ではフロスと歯間ブラシの動かしかたのコツをお教えしましょう。フロスの場合、

  • フロスの糸を、のこぎりを引くように斜めにスライドさせながら歯と歯のあいだに挿入します。コンタクトポイントの清掃は、単純にフロスをとおせばOKです。
  • 糸を歯の根元まわりに沿わせます。歯肉の溝に、優しく少しだけ挿入します。
  • 歯の表面に沿って、根元から先端方向にかき出すようにフロスを動かします。

一方、歯間ブラシは、

  • 歯と歯の間にある歯肉(歯間乳頭)を傷つけないように、上の歯なら斜め下方向に、下の歯なら斜め上方向に歯間ブラシを優しく挿入します。
  • 歯の根元まわりにブラシの毛先が沿うように、歯間ブラシの角度を変えます。
  • ワイヤーではなくブラシの毛先を当てるようにしてみがきます。

フロスや歯間ブラシは、誤った使いたかたをすると、いたずらに歯肉や歯を傷つけてしまいかねません。とりわけ、まじめに熱心にお口のケアをされる方ほど、誤って使い続けてしまったときのダメージは大きいもの。歯科医院で正しい使いかたを教えてもらってから、“脱・歯間ブラシ一刀流”にまい進していただければと思います。

引用参考文献:nico 2020年4月号

いつ、何を、どう使う?歯周病予防のための洗口液はじめてガイド

★歯周病予防には歯みがきとセットで

 歯周病は、細菌の塊である「バイオフィルム(プラーク)」による細菌感染症です。細菌の毒素の作用により、歯ぐきに炎症が起きたり、歯を支える顎の骨が吸収されたりしてしまうのです。

 バイオフィルムは歯の表面にできる細菌たちの膜状の集合体で、個人差はありますが、歯みがきから約48時間後から形成されはじめます。この膜は歯周病菌などの細菌を外敵から守るバリアとなり、洗口液の殺菌成分は、バイオフィルムができていると届きづらくなります。

 ですから、洗口液を使う際には、歯ブラシでバイオフィルムを壊して、殺菌成分が作用しやすい状況をつくるのが大切です。

 

★殺菌成分の仕組みは2種類!

 洗口液の殺菌成分が効く仕組みは、大別して2種類あります。1つ目は、「表面に付着するタイプ」。

 グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)、ベンゼトニウム塩化物(BTC)がそれにあたり、歯の表面やバイオフィルムの表面、お口の粘膜の表面に付着して、殺菌作用を発揮する性質があります。また、歯の表面などに吸着することで、細菌たちが集まってバイオフィルムを再形成するのを抑制する効果も期待されます。

 そして2つ目は、「内部に浸透するタイプ」。エッセンシャルオイルやポピドンヨードがそれにあたり、歯の表面に形成されはじめたバイオフィルムの内部に浸透して、細菌を攻撃する性質があります。

 エッセンシャルオイルを主成分とした洗口液としては「リステリン」が知られていて、シネオール、チモール、サリチル酸メチル、メントールがエッセンシャルオイルです。

 歯みがきから時間がたってバイオフィルムが成熟して厚くなると、浸透効果は弱まります。ですから、バイオフィルムが厚くなる前に洗口液を使うのがベターです。

 

★歯科のフォローは必須です!

 歯と歯の間や、奥歯の裏側、深い歯周ポケットの中など、みがき残しが起こりやすい場所では、バイオフィルムが時間とともに成長して歯の表面に固く付着します。そうすると、歯ブラシを当てたとしても取り除くのは難しくなり、洗口液の効果も発揮されにくくなります。そのため、歯科の専門家による定期的なケアは欠かせません。

 洗口液を使っているからと安心せず、自分では落とし切れない汚れをプロの手で落としてもらいましょう。

引用参考文献:nico 2018年9月号

どれが本当に効果的な方法?みんな知りたい!歯みがきの科学。

 歯みがきの仕方って「本当のところどれが正解なのかなあ?」と迷ってしまうこと、ありませんか?ご自分の歯みがきに「自信がない」という方へ、効果的な歯みがき法をお届けします。

 

★1日何回みがくと効果的?

 歯みがきは、回数より質です。科学的根拠のある歯みがき法は、じつは「最低でも1日1回、しっかりとバイオフィルムやプラークを除去すること」。残念ですが、回数だけ増やせば効果が上がるというものではありません(ただし歯みがきのたびにフッ素配合歯みがき剤を使えば、フッ素のむし歯予防効果は期待できます)。

 むし歯菌が糖を取り込んでバイオフィルムをつくるまでには約18時間。そのバイオフィルムが熟成し、しつこいベタベタになるまでに3〜4日。歯周病菌は一晩放っておくと1,000倍に増えます。

 ということは、細菌が隠れている場所を狙って、最低1日1回、きちんと歯みがきし除去していれば、むし歯菌や歯周病菌が勢力を伸ばしてしまう前に、先手必勝で彼らの活動を抑え込むことができるというわけです。

 

★1日1回はじっくり時間をとって

 そこで、「朝は忙しくてじっくりみがくのは無理」という方なら、朝はバイオフィルム除去効率の良いデッキブラシタイプ(毛先がフラットカット)の歯ブラシでザッとみがき、足りない分は1日の終わりのホッとできる就寝前に、というのはいかがでしょう。1日1回バイオフィルムとプラークの両方を意識し時間をとってていねいにみがき、フロスや歯間ブラシでお掃除しましょう。

 

★3〜4か月毎のメインテナンスを

 ただし、「人生100年」が現実になろうとする今、人生の最期まで歯をもたせるには、人生50年の頃と同じ方法を続けていてはとても無理。従来の「歯みがきオンリーのケア」に「何か」を足す必要があります。そこで歯科では、歯石除去と、その後の3〜4か月ごとにメインテナンスを受け、歯と歯ぐきの中のクリーニングを受けていただくようおすすめしています。

 むし歯菌も歯周病菌も、クリーニング後3か月ほどで元気を回復することが研究により明らかになっており、細菌が暴れ出すのを抑えるには、3〜4か月おきのクリーニングがギリギリのリミット。

 平均寿命が伸び続けている今、歯を一生使い続けるために、歯みがきの質の向上と、歯科医院の定期的なメインテナンスで歯を守っていきましょう。

引用参考文献:nico 2018年8月号

電動歯ブラシのトリセツ

● 電動歯ブラシちゃんと使えてる?

テクノロジー好きの方が多い日本IBMの社員の方々にも、電動歯ブラシを使っている方が大勢います。

日本IBM健康保険組合は、毎年希望者を対象に歯科予防プログラムを行っていて、2016年間での参加者数はのべ2万4000人超なのですが、プログラムの実施会場では、

「 電動歯ブラシを使用しているのに、その方が思ったほどお口がキレイになっていない 」

ケースがよく見られるそうです。

磨けていない方にアリガチな傾向は主に4つ!

 

➀.電動歯ブラシはブラシヘッドが高速で動いているのに、歯みがき本体を手みがき用のブラシのように動かしている。

②.軽い力であてればキレイになるはずなのに、ブラシヘッドをグイグイ押し付けている。

③.ブラシヘッドの交換を忘れていて、購入時のものをそのまま使い続けている。

④.形状やサイズ、ブラシの毛の質などがその方に合っていないと思われるものを使い続けている。

 

なかには、間違った使い方を日常的にしているせいで歯ぐきが傷ついていたり、歯ぐきが下がってしまっている方もいれば、粗めの研磨剤が入った歯みがき粉を使って、歯にダメージを与えてしまっている方も見受けられます。



● 基本は「 あてるだけ、そえるだけ 」

フィリップス ソニッケアーやブラウン オーラルBなど、高性能の電動歯ブラシ(音波電動歯ブラシ)を使うてで大切なのは、

     「 みがきたい部分にしっかりあてること 」

電動歯ブラシはプラークを落とす力が強いものの、みがきたい部分にブラシをあてるのは、使う側がしなくてはなりません!

ですから、手みがき用の歯ブラシのように手を動かしてみがいてはいけません。みがきたい部分に「 あてるだけ、そえるだけ 」が基本です。

また高性能の製品には、ブラシの押しつけ過ぎを知らせたり、防止する機能も搭載されています。逆にいえば、ブラシを押し付けてしまう癖のある人ほど、そうした機能のある製品が向いているともいえます。

使って楽しく、効率的なプラーク除去が期待できる電動歯ブラシ、せっかく使うのなら、適切に使用して十分に性能を引き出せるようにしたいものですね・・・^^

歯みがき粉の予防力アップ!^^

フッ素がむし歯予防に効果があるって聞いたことありますよね?

実はこのフッ素、日本の歯みがき粉ではこれまで1,000ppmF以下の濃度で配合するように決められていたのですが、今年3月に国際基準(ISO)と同様の1,500ppmFを上限とする歯みがき粉の発売がついに認可され、販売が始まっているのです。

● あらためておさらい!フッ素の効果!

➀.歯質強化

フッ素といっしょに修復された歯の決結晶は、元の歯より強い結晶になるため、むし歯になりにくい丈夫な歯になる。

②.再石灰化の促進

唾液の中に溶けだしたカルシウムなどが歯に取り込まれやすくなり歯  が修復されるスピードと量が多くなる。

③.抗菌作用

むし歯菌の酸を産生する活動をおさえる。

 

 

適切な濃度が口の中に長く保たれるほど効果が発揮されるので、フッ素配合歯みがき粉には、こうした効果が発揮されやすい濃度が配合されています。

実際、国内のフッ素配合歯みがき粉の市場シェアが増加するに伴い、1人あたりのむし歯本数(12歳児)は急激に減少しています。

今後、高濃度フッ素を配合した歯みがき粉が普及していけば、むし歯の本数はさらに減少することが予測されます。

 

● 高濃度フッ素配合品、子どもも使える?

1,500ppmFの配合が認められるにあたって、歯みがき粉メーカー団体(日本歯磨工業会)が相談して、

      「 6歳未満の使用はお控えいただく 」

という自主規制を設けました。

歯の形成期である6歳未満は、過剰のフッ素を積極的に飲みこむと、歯に白斑(斑状歯)が現れることがありますが、エナメル質が完成する6歳以降では、まず心配ないため、このような基準となっています。

 

● 予防だけじゃなく治療にも有効です!

歯は食事のたびに溶けているってご存知ですか?

これでは歯がどんどん減ってしまいそうですが、そうならないのは、溶けだしたカルシウムなどが唾液の力によって歯に戻り、補修されているからです。

つまり、歯の溶解に補修のスピードが追いつけば、むし歯はできません。

しかし、補修が追いつかない状態が続くと、溶解が進み、むし歯ができてしまいます。この初期段階が「 初期むし歯 」です。

そこで重要になるのが補修のスピードアップ。

カギを握るのは歯の補修スピードアップを早めるフッ素です。

高濃度フッ素配合歯みがき粉は補修のスピードをさらに高めるので、予防はもちろん初期むし歯の治療にも大変有効なアイテムなのです^^

(* 2017年 nico  11月号 を参考にしてまとめています^^)

年齢別ブラッシングのコツ

いよいよ今日からは、 『 歯と口の健康週間 』!

歯と口の健康に関する正しい知識と習慣を身につけ、歯科医院などで行う 「 プロケア 」 と 自宅でできる 「 セルフケア 」を実践しましょう!

ここでは、毎日の 「 セルフケア 」 で大切な、歯みがき&仕上げみがきのポイントをご紹介いたします^^

※ 日本歯科医師会雑誌 「 歯の学校 64号 」 参照

乳歯期の歯磨きのポイント!

上の前歯が生えてきたら、就寝前の 「 寝かせ磨き 」 をスタート。

「 寝かせ磨き 」 を行う時は、お子さまが歯磨き嫌いにならないように、お口の中の敏感なポイントをガードしたり、楽しい雰囲気をつくる工夫をしたりすることも大切です。

(※例えば、お子様の大好きな歌をかけて歯磨きのテーマソングにしたり、歯磨きをきちんとできたら大好きな絵本の読み聞かせをしてあげたり。。。など)

乳歯の中では、むし歯になりやすい部位は

・ 上の前歯と前歯の間

・ 上の前歯の付け根(歯と歯ぐきの境目)

1~2歳くらいの時のむし歯の大部分はここなので重点的に磨きましょう^^

乳歯の時の歯ブラシは?

乳歯の時はどうやって磨いたらいいか分からない。。。というご相談もよく受けます。

まずは乳歯期は、トレーニング用と仕上げ磨き用の2本用意するところから始めます。

歯磨き習慣のスタートは、まず歯ブラシに慣れさせることから。

歯が生え始めてきたら、乳歯期用の歯ブラシを持たせるようにしましょう。

また親が歯磨きしているところを見せてマネさせるのもいいですね^^

コチョコチョ歯磨き ^^

子供の歯は、お父さん・お母さんが思っているよりだいぶ小さく、小さな歯をうまーく磨くには、歯ブラシの毛先を小さく動かすのがコツです。

また歯の周りには、歯ぐきや頬などやわらかい部分があります。

なので、ゴシゴシ強く磨くとやわらかい部分が傷付いてしまいます。

子供の仕上げ磨きは、歯ブラシを細かくふるわせるように、コチョコチョと動かすのがポイントです。

               「 コチョコチョ~ 」

と言いながら、楽しくみがいてあげましょう。

まあ、磨くというよりはマッサージをするような感じでやさしく行ってくださいね ^^

「歯ブラシ、処方します。歯科のおすすめ専売品!」

★プロが認める優れた歯ブラシ!

 みなさんは、どんな歯ブラシを使っていますか?薬局にはいろんな歯ブラシが売られていますね。かかりつけの歯科医院も、歯ブラシが並べられていると思います。この歯ブラシ、お店では見かけない製品だと思いませんか?これは歯科専売品といって、歯科医院が推奨し患者さんに販売しているものです。いわばプロの目で選ばれた折り紙つきの歯ブラシというわけです。

 

★どの歯ブラシがいちばん良いの?

 現在は、さまざまなタイプの歯ブラシが販売されていて、どれがいいのかと選ぶのも、たいへんだと思います。「この歯ブラシがベスト!」とランキングを付けられれば選ぶのはかんたんですが、それぞれの歯ブラシには、得意とする機能や特徴が備えられています。やわらかさも違います。そのため患者さんごとに、合う歯ブラシは異なるのです。歯周病の進行が心配な中高年、細部みがきが苦手になった高齢者など、患者さんたちは人生のさまざまなステージにおられます。リスクやライフスタイルに合ったものを選ぶことで、より快適にケアが続けられるかもしれません。

 今回は、近年豊富になった歯科専売品から、特殊歯ブラシではなく、おなじみのごく基本的な歯ブラシをご紹介しています。いろんなタイプがありますので、「この1本だけ」と絞らず、忙しい朝と昼には大雑把みがきの歯ブラシ、夜にはじっくり細かくみがける歯ブラシを、とシーン別に使い分けるのもおすすめです。

 

★プロが歯ブラシ選びをお手伝い!

 お口の健康に影響するリスクや、要注意ポイントは、年齢とともに変化します。ライフスタイルも、歯についての意識も、年齢によって変化していくでしょう。ブラッシング指導を受けていただき、ご自分のリスクやクセを知っていただくことはもちろんですが、それと併行して患者さんに合った適切な歯ブラシをお使いいただくこともとても大切なことです。歯科医院では、それぞれの医院の診療方針に合わせて、自院の患者さんにおすすめしたい歯ブラシを選んで、処方できるようにご用意しています。

 せっかく毎日みがくのなら、みなさんのお口の状態をよく知っている歯科のプロに、ご自分に合う毛質と機能の歯ブラシを選んでもらいませんか?ふだんから歯科医院を活用していただき、せっかく毎日続けていただいている歯みがきを、より効果的なものへと変えていきましょう。

引用参考文献:nico 2013年6月号