だいじょうぶかな?ちょっと気がかり。妊婦さんの歯科治療!

 「妊娠すると歯が悪くなる」とよく言われますが、これは本当のことです。妊婦さんのお口の中はつわりで歯みがきが難しくなったり、歯周病菌の好む女性ホルモンがさかんに分泌されるので、むし歯菌や歯周病菌が増えやすくなります。そのため、歯痛に悩む妊婦さんや、歯ぐきを腫らす妊婦さんは少なくありません。

 さて、そういうときに気になるのが、歯科治療で使われる麻酔薬やレントゲン。今月は、そうした妊婦さんならではの歯科治療の気がかりにお答えします。

 

気がかり① 歯科の麻酔薬

 歯科の局所麻酔で使われているのは、お産に使われているものと同じ麻酔薬です。一般的な歯科治療でもっとも多く使われているものと麻酔薬「リドカイン」は、無痛分娩や帝王切開にも用いられ、妊婦全週で問題なく使用できるとされています。

 

気がかり② 歯科でもらうお薬

 お薬の安全性については、お腹の赤ちゃんに実際に試してみるわけにはいかないため、確認されているお薬はありません。歯科では、比較的安全性が高いとされるお薬を、その効果が赤ちゃんへの影響を上回ると判断した場合に限り、必要最小限の処方をしています。

 

気がかり③ レントゲンの被ばく量

 歯科のレントゲン撮影の放射線量は、歯科用デンタルレントゲン撮影1枚につき約0.008mSv(ミリシーベルト)。パノラマレントゲン撮影1枚につき約0.01mSvです。

 日本に住んでいる人が1年間に浴びる自然放射線量は約2.1mSv。デンタル1枚の放射線量はその1/262、パノラマ1枚も1/210にすぎません。

 「産婦人科診療ガイドライン産科編2014」によれば、「50mSv(=50mGy)未満の放射線量であれば、お腹の赤ちゃんへの影響と被ばく量との間に関連は認められない」とされています。ご不安な場合は、撮影時に防護エプロンを着ると、腹部の被ばく量をさらに減らせます。

 

 妊娠中でも、基本的には通常の歯科治療を受けられます。治療を躊躇すると思わぬ悪化をまねくこともあるので、症状が軽いうちに歯科医院で検査を受け、産科の主治医と相談しつつ、体調に合わせて治療を受けましょう。特に重度の歯周病の炎症は「低体重児出産(早産)」に関連するといわれています。早めに歯科に相談して、プロのサポートを得ながら大切な歯と赤ちゃんを守ってくださいね。

引用参考文献:nico 2018年5月号

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妊婦さんと歯周病

妊娠中はエストロゲンという女性ホルモンが増えるので、歯ぐきのトラブルも起こりやすくなります。

女性ホルモンの影響で、歯周ポケットにいる普段は害のない細菌が増えて炎症を引き起こしてしまうためです。

また、つわりなどで歯磨きもおっくうになりますが、もちろんブラッシングが不十分だと歯周病の細菌も増えてしまいます。

歯磨きにまさる予防法はないので、大変だとは思いますがブラッシングはかかさずに行いましょう! ^^



生まれてくる赤ちゃんのためにも必要最小限の3つは守りましょう!!!


①. 歯と歯ぐきの境目を丁寧にみがく

歯ぐきの炎症は、お口の中を清潔にしておけばある程度は防げるので特に歯と歯ぐきの境目は要チェックです。


②. 定期的に歯医者さんでチェックしてもらう

身重な妊娠中は、歯みがきすら面倒な時もあるので、磨けているつもりでも実際には磨けていないこともあります。

その点歯医者さんで定期的にチェックを受けていれば安心です。


③.タバコは吸わない!!!

妊娠中のタバコが胎児によくないことは常識ですが、タバコは歯ぐきにもよくないことが分かっているのでお口にも体にも百害あって一利なし、です。



健康な歯ぐきを保って元気な赤ちゃんを産みましょう !


( ※  今回は オーラルケア さんのリーフレットを参考に記載しています。 )

妊婦さんと歯科治療

最近、患者さまで妊婦さんが2、3人いらっしゃいますので

妊婦さんと歯科治療について少し書きますね!

まず、妊娠中はホルモンのバランスが崩れるために、だ液がねばねばして食べものの磨き残しが多くなる上に、すっぱいものを好んで食べる場合などで口の中がふだんより酸性に傾きがちになります。

また、つわりの時期などは1度にたくさん食べられないので、食生活もついつい不規則になり、また歯磨きをしたくない時などもでてくるので口の中や生活の変化によりむし歯や歯周病が起きやすくなります。

もちろん、これらの予防には歯磨きが効果的ですが、できない場合は最低でも口をゆすぐことです。比較的気分がよい時には丁寧に歯磨きをして口の中を清潔にするように気をつけることです。

ふだんから定期的に歯の検診を受けるのが理想ですが、受けていない方も、妊娠安定期に入ったら歯科を受診し、必要ならば妊娠中に治療をしておいた方がいいです。
産後の落ち着いてからでも、と思っていても実際はなかなか想像以上に忙しく、なかなか受診できないものです。

また歯科治療の麻酔は局所麻酔なので通常は問題ありませんが、今の体調などが影響する場合もありますので、できればかかりつけの産婦人科の担当の先生に問題ないか確認されると安心だと思います。

あとよく質問されるレントゲンも腹部から離れたお口の中に照射するのと、防護もしますので赤ちゃんへの影響はありませんが、念のために妊娠していることはきちんとお伝え下さい。

お薬も抗生剤や鎮痛剤、消炎剤などが一般的で妊娠5~7ヶ月の安定期に短期間服用ならばあまり問題ありませんが、薬によっては少なからず影響するものもありますので、服用する場合は担当の先生にご相談されるといいでしょう。

また、お腹の中の赤ちゃんの乳歯は妊娠の7~10週目くらいからその芽になるものができ、妊娠4~5ヶ月ころには石灰化(硬い組織になること)が始まり、その石灰化に必要なカルシウムやリンなどのミネラルはお母さんの血液中から供給されます。
またもちろんお母さんの食事から胎児は栄養をとりますので、必要な栄養が不足しないように食事は規則正しく、バランスよくとるように心がけてください。

と、まあたくさん書きましたが、診療中も胎教にいい?オルゴールがBGMですので、おこころあたりある方はぜひ受診してみてください。
口ひげ、あごひげの強面の院長の人相が胎教にいいかは分かりませんが。。。。。。^^