インビザラインの向き・不向き&メリットデメリット

マウスピースを装着するだけで歯並びを整えることができるインビザラインは、目立たず、快適に歯並びを整えられるので、世界中でも多くの方に選ばれている治療法です。
インビザラインは、これまでの膨大な治療データをもとに常に改良が行われているため、昔では不可能だった症例でもどんどん可能になってきています。
ですが、中にはインビザラインでは限界のあるケースや、インビザラインのスタイルが向かない方というのも存在します。インビザラインが向いているケース、向かないケースについて見ていきましょう。

こんな歯並び、インビザラインで治せる可能性があります

インビザラインのメリット

透明で周囲に気付かれにくい!

インビザライン®治療で使用するマウスピースは、薄く透明なプラスチックでできているため、歯につけていてもまったく目立たず、周囲の人にほとんど気付かれることがありません。そのため、接客業や人前で話す職業の方にも人気があります。

違和感が少なく、しゃべりやすい!

インビザライン®のマウスピースは、薄くて滑らか、そして凹凸がありません。従来のワイヤー矯正の装置の場合、歯の表面にゴツゴツした装置がつくため、唇が閉めにくい、しゃべりにくいといった難点がありましたが、インビザライン®ではそのようなことがありません。

痛みがほとんどない!

歯の表面に金具(ブラケット)や針金(ワイヤー)がつかないため、粘膜の傷や口内炎による痛みに苦しむことがありません。また、歯を動かす際に、力が装置全体に分散されるため、ワイヤー矯正の場合に比べて移動中の歯の痛みが少ないのが特徴です。

取り外せるので便利!

インビザライン®のマウスピースは取り外し式で、食事や歯磨きの際には外します。そのため、食べたいものを我慢したり、歯磨きが大変になったり、というようなことがなく、従来通りの生活を続けていただくことができます。

清潔を保ちやすい!

装置が邪魔にならないので、歯磨きが不便になることがなく、清潔な状態を保ち続けることができます。そのため、虫歯や歯周病のリスクを高めることがありません。また、マウスピースの装置は2週間ごとくらいに交換しますので、細菌が繁殖する心配もなく、清潔さをキープできます。

金属不使用!

金属を使用しない装置ですので、金属アレルギーが心配な方でも安心です。また、使用する材料は医療用プラスチックですので、安全です。

通院回数が少ない!

インビザライン®のマウスピースは、担当医の指示に沿って、ご自身で交換していただきます。そのため、歯科医院に通院する回数が少なくて済みます。また、ワイヤー矯正で起こりがちな、装置の脱落やワイヤーの痛みといったトラブルが原因で歯科に駆け込むということもほとんどありません。
※確実に1日20時間装着で適切に動いていることが確認ができた場合にかぎり週1回交換にできる場合があります。

将来の見通しが立ちやすい!

新しい技術により、歯の移動する予測をほぼ正確に行うことができるため、治療期間の見通しが立ちやすく、将来の予定が立てやすくなります。

インビザラインのデメリット

毎日20時間以上忘れず装着する必要がある

従来の矯正治療法の場合、装置は固定されていますので、放っておいても歯が動いていきますが、インビザライン®の場合には、ご自分で毎日忘れずに装着しなければ効果が現れません。そのため、インビザライン®は毎日20時間以上きちんと装着していられる方のみにおすすめしています。

適応にならない症例もある

骨格性に問題があるケースや、歯の移動量が多いケースではインビザライン®だけでは治せない場合があります。そのため、事前に適応できるのかどうか、診査・診断を行う必要があります。

 

インビザラインが向いている方・ケース

1.歯を抜かなくても行える、歯並びの不正が軽いケース

歯を抜かなくてもスペースが作れて歯を並べられる、ちょっとした歯並びの不正には、インビザラインが向いています。

2.歯を抜くことが必要なケースで、歯の移動距離が少なめのケース

歯を抜かないとスペースが作れないような必要なケースでも、歯の移動距離がある程度少なめであれば対応できます。

インビザラインが向いていない方

1.歯を抜くことが必要で、歯の移動距離が多いケース

顎の骨の大きさと、歯の大きさのバランスによっては、歯を抜いて間引かなければ並べられない、「抜歯矯正」が必要になります。抜歯矯正でも歯の移動距離が少なければインビザラインのみで治療可能ですが、歯の移動距離が多い場合だと、インビザラインだけでは難しくなってきます。このようなケースでは、インビザラインで可能なところまで歯を動かし、その後、歯の移動距離が大きなケースを得意とするワイヤー矯正を併用することで対応可能な場合もあります。この方法ならば、ある程度のところまでインビザラインで治療を行えますので、ワイヤーをつけている期間をできるだけ短くすることができます。

(※また逆に最初に不正が大きく、マウスピースが入らない場合に最初に半年未満程度でワイヤー矯正してからマウスピースを使用する場合もあります。。。)

2.骨格自体に問題があるケース
3.顎の骨格が過度に成長してしまっている・顎の変形があるケース

4.マウスピースの使用方法を守れない方

マウスピース矯正は、1日20時間以上の装着時間を守れないと効果が現れません。また、決められたタイミングで交換する必要があります。そのため、毎日決められた装着時間を守っていただくこと、決められた間隔でマウスピースを交換すること、といったことを実践できない方には向いていません。

インビザラインで治療が難しいと診断された場合には

ワイヤー矯正で治療が可能な場合
白い装置を使用した、目立たない矯正方法
インビザラインで治療ができない場合、他の目立たない矯正治療を選ぶという選択肢があります。当院では、歯の表に装置がつくワイヤー矯正で、白いセラミックの装置(ブラケット)、白いワイヤーを用いた方法でなるべく目立たなく治療を行うこともできます

 

金属製の装置で矯正治療を早く終わらせる方法
矯正装置の見た目がそれほど気にならなければ、金属製の装置を使ったワイヤー矯正で矯正治療をよりスムーズに、治療期間を短縮することも可能です。
インビザラインとワイヤー矯正を併用して、ワイヤー矯正装置の装着期間をなるべく短くするということも可能です。
 
骨格的な問題で、ワイヤー矯正だけでは難しい場合
骨格的な問題が大きな場合には、インビザラインだけでなく、ワイヤー矯正でも治療しきれないことがあります。このような場合には、「顎変形症」という病名で、保険を適用させて「外科矯正」を行うことが可能です。
外科矯正は、異常のある顎の骨を切除するなどして、骨格を整えたうえで歯並びも整えていく治療法です。このような場合には、専門の医療機関へのご紹介をいたします。