※ 小児矯正と一般矯正の定義は開始時期が
- 混合歯列期( 乳歯と永久歯と一緒に萌出している状態 )なのか
- 永久歯列期( すべて永久歯に生え変わっている状態 )なのか
による違いで、だいたいの年齢で言うと小児矯正は小学生以下で一般矯正は中学生以上になります
上顎前突・・・いわゆる出っ歯
中学生でも矯正治療に抜歯が必要なの?
開業して初期のころの症例で、車で1時間以上?かかる地域からのご来院でした。
右上前歯が1本だけ大きく前に出ていて、口を閉じるのも大変な状態・・・
上下ともに前歯の重なりが強く、ならぶスペースがだいぶ足りない状態のため上下左右4本の抜歯をした症例になります。
どうしても1本だけ前に飛び出ているのが気になるとのことで、できるだけ永久歯を抜かないで矯正治療をする方針ですが、この場合でもし抜歯せずに矯正治療すると、上だけや下だけ見ると綺麗に歯が並んで見えることは可能です。
ただ、だいたい今の1本でている位置くらいで綺麗に並ぶため、プロフィール(側貌;横から見た感じ)では、上も下も両方とも前歯がさらに前にでてしまい、かなりの確率で完全に口を閉じるのが難しくなると予想されます。
そうすると、何のために矯正治療をするのか分からなくなってしまいます。。。
それで、中学生でも本人とご両親も交えて十分な時間をかけて(1時間程度) カウンセリング を行います。極端に言えば、この時点で矯正するのと成人してから矯正するのではあまり大差がありません。
【 ※ただし男子学生で18歳、女子学生で16歳程度(第2次成長期の終わり)までは、下顎骨は前下方に成長します。 】
この時期の抜歯をご希望されない場合は、例えば本人が成人してどうしても気になるようになったら、抜歯してでも矯正することを自分の意志でするのか?を確認するのも一方法と説明する場合もあります。
ここでは、本人・ご両親ともに抜歯に納得されたため、上下左右の前から4番目の歯を抜歯してから、 ワイヤー矯正(クリアブラケット使用) を約2年程度して歯の整列を行った症例です。
【 前から4番目の歯を抜歯する理由 】
①.前から4番目と5番目の歯は形も似ているのと、前歯6本は形態的にもすべてあった方が見た目で分かりやすいので、4番目か5番目の歯のどちらか一方を抜歯する場合が多いです。
②.前歯の並ぶスペースがない場合に、できるだけ前歯に近い部位へスペースがあった方がよいので 4番目を抜歯する場合が多い です。
※ 4番目の歯が今まで削ったこともなく、隣の5番目の歯が神経を取って被せている場合などは、それから先の歯の寿命を考えて5番目を抜歯する場合もあります。
◎ ワイヤー矯正のデメリット
1つ目に目立つことです。常に装着していますし、歯の表面に取り付けるため、歯と同じ色の装置を使用しても、ほかの矯正方法より目立ってしまいます。
2つ目に歯磨きがしづらい点があります。ワイヤーを意識して丁寧に毎日手入れをしないとプラークがたまりやすいです。
3つ目に痛みがある場合があります。装置を装着してから1~2日は強い痛みを感じることや口内炎ができることもありますが、痛みに関しては個人差があります。
下顎前突・・・いわゆる受け口
八重歯じゃないんだけど、2本だけ反対なのが気になる!
20代の女性で、八重歯でもないからこのままでもいいんだけど2番目の2本が反対
になっているのが少し気になるとのこと。
でも、 抜歯まではしたくない! とのこと・・・
なので、内側にある2本を並べるにはそれだけのスペース確保する必要あるんだけど抜歯できないとなると、 床装置による側方拡大 する必要あり。
しかし、奥歯の噛み合わせはしっかりしている時に使用するのが、前歯だけ側方拡大 する方法で、通常の真横に拡大するのではなく、扇形に拡大するんです。
そしてスペースが十分確保できるまで拡大終了したら、ワイヤ―矯正による歯の整列をしていき、順次ワイヤーサイズを上げていき保定(後戻り防止)装置へ移行。
抜歯せずに 下の前歯の重なりも一緒に改善できて仕上がりに満足していただけました。
前歯だけの反対の噛み合わせだけど気になる!
大人の前歯が反対の噛み合わせですごく気になる!
永久歯が前歯だけ生えてきて、乳歯の時も今も歯は重なっていないし結構綺麗に並んでいるんだけども、反対の噛み合わせだけが気になる とのこと。
確かに6才臼歯も乳歯の奥歯も綺麗に噛み合わせているし。前歯も重なっていないのですが、丁度前歯の生え変わりの時のタイミングだけで機能的に反対の噛み合わせになった可能性が高いです。
こういう場合は、とてもご両親は心配されるのですが処置自体はそんなに大変ではありません。
ただ、自然と噛み合わせが上が下に被るようになるのは難しいです。
こういう場合には、レントゲンなどで今から生え変わる歯が重なる可能性が少ないならば、今の早期の時期に前歯だけ改善する場合もありますし、永久歯がすべて生え変わってから矯正処置に入る可能性もあります。
この症例の場合は、後から問題になる可能性もあまりなかったのとご両親が転勤族で早めに矯正治療ご希望でしたので、ワイヤーを使用してLOT(部分矯正)で改善しました。
他の方法でも前歯の反対の噛み合わせの改善はできますので、その症例に応じて決定していきます。
まだ乳歯だけで4才だけど、早く矯正した方がいいの?
4才で前歯の咬み合わせが反対なのが気になるけど、矯正治療はいつからしたらいいのか分からない・・・という方もいらっしゃると思います。
基本的に通常の矯正治療は、6才臼歯と上下前歯4本ずつがはえそろう8才くらい~始める場合が多い のですが
・ 前歯の咬み合わせが反対の場合
・ 左右どちらかに顎がズレている場合
だけは、乳歯だけでも早期治療した方がいい場合が多い(治療費用も早期の方がこの場合は比較的少なくなります!)ので歯科医院に相談だけは早めにすることをお勧めいたします。
また、乳歯列の早い時期に反対の噛み合わせを矯正すると永久歯になった場合に確実に反対の噛み合わせにはならない!という保証はありません。
しかし、確実に確率は低くなり、その後の顎骨の成長にも関わるので、早期治療する場合が多いということです。
反対の噛み合わせで顎もズレているけど・・・
最初に矯正相談に来られたのは、小学2年生の時!
出来れば 「 抜歯をしたくない! 」 とい強いご希望があったので、最初の治療計画の段階で、混合歯列期(乳歯と永久歯がある時期)から、今から生えてくる永久歯のスペース確保していくために
【 第一期治療; 一般的な 側方拡大床装置 による 床装置矯正 】
ということで、上下顎ともに 約半年間 床装置を装着して週に2回回転。
そこからは約3カ月間は経過観察して、永久歯列期(6才臼歯までの永久歯に生えかわった時期)になってから
【 第二期治療; 上下メタルブラケット+メタルワイヤーによる ワイヤー矯正 】
ということで、 約3年3ヶ月 ワイヤー矯正を。
この頃には、永久歯列期にはまだ萌出していなかった第二大臼歯もすべて萌出して 永久歯列完成期(第二大臼歯までの永久歯もすべて萌出完了している時期) になっています。
【 保定治療期; 今まで動かした歯が後戻りしにくいように保定装置使用による 】
※ 一般的に保定期間というのは、ワイヤー矯正ならばワイヤーをしてはを動かしていた治療期間と同程度必要です。
「 抜歯をしたくない! 」というご希望での非抜歯治療は、ある程度までは早期治療により可能ですが、少し歯の傾斜(傾き)が強くなる傾向になりますし、萌出スペースの不足分が大きい場合には、無理なので抜歯症例になる場合もあります。
ただ、どうしても大人になって傾斜が気になる場合には抜歯しての矯正という改善方法もあります。
結局は、すべての症例での 「 抜かない矯正 」 や 「 床装置矯正のみの矯正 」は、実際は難しいということです。
患者さまや保護者の方々のご希望によっては、まだ少し歯の重なりが合ってもそこまででOK ! とのことであれば、そこで終了というのも自分的にはありだと考えています。
また矯正治療については、 主観・客観的な見方 があるので、
『 先生、矯正しないといけないですか? 』
というよくあるご質問に対しては、
「 機能的に噛みにくいとかがなければ、審美的に患者さまや保護者の方々がどうしても気になるというのであれば処置するのも一方法ですね 」
と回答しています。
つまり、機能的に問題なければ自分の方から
「 矯正した方がいいですよ! 」
ということはありません。もちろんしなかった時にはこういう風になる可能性が高い、ということは提案していきますので最終的にはご自身での判断になります。
出来るだけ目立たない方法で?
最初のうちは、出来るだけ目立たない方法で・・・とのことで、マウスピースでの アライナー矯正 や リンガルブラケット矯正(裏に付けるブラケットでのワイヤー矯正) ご希望にて来院。
現状の噛み合わせでまずは4本抜歯が必要になること、を説明して抜歯症例でのワイヤー矯正のメリットをお伝えした上で、リンガル矯正のブラケット脱落時の対応などを説明。
その後に、当医院で使用している セラミックブラケットの Invuブラケット や 白色のエステティックワイヤー での症例を見て、これくらい目立たないならOK ! とのことで ワイヤー矯正 にて治療開始!
後々使用する オープンコイル と言われる バネ や ワイヤーに付ける フック なども、このシステムでは 白 なので、どの状況でも目立たないので大変喜ばれました!
もちろん矯正後の仕上がりでも、まったく前から見えずに後ろに隠れていた2番目の歯も綺麗に見えるようになったので大満足、とのことでした。
上の前歯が隠れてる???
最初に気になるポイントを確認すると、一番気になる部分は
右上の前から2番目の歯がないように見えるのが気になる!
ということでした。
正面から見ると分かりにくいのですが、側貌(横顔のプロフィール)では、下顎が突き出ているのがハッキリ分かる、骨格型の下顎前突でした。
なので、 ワイヤー矯正 では、できる歯の整列が限られるが 外科矯正 まではしたくないとのことでした。
上顎の V字型歯列弓(横幅が狭い)のが明らかで、右側は臼歯部(奥歯)も反対咬合に近い状態だったので、まずは 側方拡大床装置 を使用して 床装置矯正 を約半年ほどしてから、ワイヤー矯正 で歯の整列をして仕上げていきました。
この方は、上は結構見えるということで Invu のセラミックブラケット がいいけど、下はあまり見えないので経済的に メタルブラケット でいいということでした!
このように、ワイヤー矯正 でも上と下で別々のブラケット使用しても大丈夫ですので、ご不明な点などございましたら何でもご相談下さい!
永久歯に全部生え変わっても前歯だけ反対にかみ合っている!
13才の女の子で奥歯はしっかりかみ合っていますが、前歯だけが歯が重なって反対の噛み合わせになっていました。
他の歯科医院でも矯正相談をされて、抜歯しないと矯正できない ということと、費用が高かったので・・・という理由で、当医院を矯正相談で受診されました。
実際に資料を採ってみると、骨格的には問題なく、機能的に前歯が永久歯に生え変わる時に、こういう噛み合わせになっただけということが分かりました。
それで、上の前歯がならぶスペースを確保するために前方部のみの側方拡大床装置(そくほうかくだいしょうそうち)という取り外しできる装置を 約半年ほど 使用しました。
【 第一期治療: 上顎のみ前方部側方拡大床装置使用による 床装置矯正 】
この装置は、スクリューを回転することにより正中口蓋縫合(せいちゅうこうがいほうごう)という上顎の骨の継ぎ目を広げることにより歯列弓(しれつきゅう)という歯並びのアーチを大きくしてスペースを確保するためのものです。
その後は、通常通りにワイヤーを使用して 約1年程度 矯正治療をしました。
【 第二期治療: 上下顎メタルブラケットとメタルワイヤー使用による ワイヤー矯正 】
結果的には、1本も抜歯することなく綺麗な歯並びになりました。
ただ、すべての症例で抜歯しないでいいか?(できるか?)というと、物理的にはある程度は可能です。
しかし、それによってかみ合わせがおかしくなったり、側貌(そくぼう;横顔のプロフィール)が美しくなくなったりするようでは意味がありません。
なので、結論を言うと何でもそうですが、すべての症例で抜歯をしないとか、ワイヤー使用せずに拡大床装置のみやアライナー(マウスピース)のみで矯正できます、というのは無理があります。
そのためにしっかりした資料を採った上で、その方お一人お一人に合った治療計画が必要になります。
当医院では、
1.必要最小限の矯正相談では歯型のみとって、それをもとに治療計画概要(だいたいの治療方法、治療期間、治療費用)を説明いたします。
それで、少しでも矯正治療の方針が合えば
2.実際にもっと詳しい資料(顔貌・口腔内写真や大きなレントゲンなど)採得を1時間程度かけて行います。
3.その次に、その資料をもとに矯正カウンセリングを1時間程度かけて行います。
その治療計画表も、患者さまも医院内にカルテと一緒に保管してあるものと同じものをお渡ししています。
また治療費用については、ハッキリ言って自分の矯正治療費用設定は難易度による治療期間の長さにより決定しているので、他医院より必ずしも低くなるということもありません。
症例によっては、高くなる場合もあると思います。
治療方針というのも、先生方によっていろいろな考えがあるので、自分が一番おすすめしているのは、できるだけ多くの歯科医院で矯正相談をしてみて判断されることです。
もし矯正治療でご不明なことなどございましたら、メールでもお電話でもご遠慮なくご相談下さい。
できるだけ迅速に院長が責任を持って対応させていただきます。
開咬・・・奥歯が噛んでいても前歯どうしがあたらない
前歯があたらないから噛みにくい!
お口を閉じた時に奥歯同士があたっているのに、前歯があまりあたらないという、いわゆる 開咬(かいこう) と呼ばれる症例です。
奥歯は左右ともにしっかり噛んでいるので、上の前歯6本が萌出してくるスペース不足にて左右ともに前から4番目の歯をまず抜歯しました。
下はある程度キレイに萌出していますが、このままだと前歯全体が反対咬合になってしまうために、上下のバランスを考えて下も左右ともに前から4番目の歯を抜歯してから、上下ともに Invu のセラミックブラケット と メタルワイヤー を.012から使用して約2年間歯の整列を行いました。
最終的には、上下前歯もしっかり咬んで食べやすくなった、と喜んでいただきました!
(*この頃は、まだ エステティックワイヤー(白いワイヤー) の取り扱いがなかったころなので、メタルワイヤー使用しています。)
叢生・・・歯が重なってガタガタ生えている
右の前歯だけ少しだけ反対???
右前歯だけ反対の噛み合わせになっていますが、反対の程度が少しだけなので、
叢生(そうせい)の方に分類した、11才の女子の症例です。
この子の弟も矯正治療をしていたので、当医院では矯正装置料金のみ(矯正調整料は除く)が 兄弟(姉妹)割引き(2割引き) になります。
歯ならびは遺伝や隔世遺伝もあり、兄弟姉妹で同じような歯ならびになることも少なくないので、そういう場合でも最適な時期に無理なく矯正治療ができるように配慮してこういう割引制度を設けました。
この反対咬合の程度が軽度だったので、 ワイヤー矯正 のみで治療しました。この症例は、混合歯列期(乳歯と永久歯が混在している時期でだいたい小学生はこの時期にあてはまる場合が多いです!)だったのですが、右上3番目の永久歯が先天的にない状態なので、ここは乳歯をできるだけ動揺させないように、細心の注意を払って ワイヤー矯正 で治療していきました。
永久歯の前歯が重なって生えてきた!
乳歯列の時には綺麗な歯ならびだったけど、永久歯の前歯が生えてきたらもう重なっているのでこれからどうなるのか心配!。。。って方結構多いと思います。
まず、乳歯の前歯の後ろ(裏)から永久歯の前歯が生えてくるだけでもビックリしますよね~(特に下の前歯!)
でも、これって乳歯が少しでもグラグラしていたら正常な生え変わりの場合が多いんです。
まったくグラグラしない場合には、永久歯が生えてきても自力で生え変わらない場合も多いので、抜歯した方がいいのか?と、かかりつけの歯科医院で相談してみたらいいと考えます。
ところで、少し重なっている場合でも奥歯の6才臼歯4本と上の前歯4本、下の前歯4本が生え変わるまでは通常だと経過観察していきます。 ここまでくると、永久歯列が完成した時(平均して中学1年生の頃)には、どういう歯ならびになっているか?というだいたいの予想が立てられます。
永久歯が並ぶスペースが少し足りない程度なら、側方拡大床装置 を使用しての「 できるだけ歯を抜かない矯正治療 」が出来る場合が多いですが、だいぶスペースが少ない場合には、永久歯を抜歯(4本抜歯になる場合が多いです!)してでも矯正治療したいか?ということを本人や保護者の方々へ再度確認します。
この症例くらいの程度なら、側方拡大 してから ワイヤー矯正 も併用すれば綺麗な歯ならびを獲得できることが多いですよ!
最初の相談時は6才ですが、矯正治療開始したのは8才からになります。
【 第一期治療: 上下側方拡大床装置による 床装置矯正 】
を 約半年間 かけて拡大して、今から生えてくる永久歯の萌出スペースを確保して、約1年程度 は経過観察期間中。
【 第二期治療: 前歯のみ メタルブラケット+メタルワイヤーによる ワイヤー矯正 】
を 約半年程度 かけて歯の整列してからは永久歯列完成までは経過観察。
アライナー矯正ってどの程度の歯ならびまで治せるの?
正面から見るとあまり分からないような気もしますが、患者さまご本人は、歯の重なりがとても気になり、しかも できるだけ目立たない矯正 をしたいとのこと。
これくらいの重なり具合の場合は、アライナー(マウスピース)矯正 の適応症になります。
通常の ワイヤー矯正 の場合は、どちらかというと歯全体(根の角度なども)を3次元的に移動させます。
それに対して アライナー矯正 は歯の傾斜での改善が主な役割なので、移動自体の量にも限界がありますし、移動時間自体もかかります。
なので、適応症としてはある程度限られ、この当時はどのような症例でも出来るというわけではありませんでした。。。
しかし、最近当歯科医院でしている システムだとほとんどの症例で使用できる場合が多いです。
ただ2週間に一回ずつアライナー交換するので、平均的な1年半~2年程度の治療期間で、上下で約60~80個くらいの アライナー(マウスピース) 製作するために治療期間や治療費用に関しては、ワイヤー矯正 の約1.2~1.5倍程度必要になります。
1本だけ気になるんだけど、部分矯正で大丈夫かなぁ~?
患者さんが気になる歯ならびって通常ココだけ気になる!って場合が多いものです。。。
なので、部分矯正で必ずできるだろうって考える方が多いみたいですが、現実は上下の咬み合わせのバランスなどもあり、なかなかそうはいかない場合が多いです!
この症例でも、1本以外はほぼ綺麗にならんでいるので、これだけ動かせばいいでしょっって思いがちですが、結局この歯を内側に入れるだけのスペースがないので、まずはそのスペースをつくるところからなのです。。。
なので、上の前歯のスペースを確保するために 前方部側方拡大床装置 を使用した 床装置矯正 から必要になってきます。
そこでスペースが出来て初めて、この1本の歯を移動するために ワイヤー矯正 を開始していきます。
また下の前歯がこの方は1本もともと少ないために、上下のバランスで突き上げられて外側に傾斜していっていたので、咬み合わせも考慮して上下ともにワイヤーを使用して歯の整列を行っていきました。
最終的には、リテーナーでの保定をワイヤー試用期間と同程度の半年間した後に、後戻りのことも考慮して、上前歯4本の裏に 永久固定 をしていきました。
患者さんは、この1本が内側に移動して噛み合わせもよくなったおかげで、口が閉じやすくなったのと横顔の出っ歯感がなくなって大満足でした!
低位唇側転位・・・いわゆる八重歯
右下だけ八重歯なのかな?
11才の男子で、お母さんがまだ大人の歯に全部生え変わっていないけど生え変わるスペースがないことが自分でも分かる、ということで相談に来られました。
全体のレントゲン撮影をして、永久歯の歯胚(しはい・・・歯の原型になるもの)がずべて正しい位置にあるか?を確認したところ、左上の犬歯は完全に上顎骨のだいぶ上の方で埋まっていて、しかも向きが下向きではなく前向きで埋まっているので萌出誘導(ほうしゅつゆうどう・・・歯を本来の位置に矯正治療などで誘導すること)も難しい状態でした。。。
ただし、矯正する上でやりにくい位置ではなかったことで、このまま矯正治療開始することにしました。
しかも、すべての永久歯がならぶにはだいぶスペース足りなかったので、左上はその犬歯がないことを利用して、他の右上下と左下は通常通りの前から4番目の第一小臼歯を 抜歯 して ワイヤー矯正 による矯正治療開始!
後は通常通りの方法で終了しましたが、このように 永久歯の歯胚位置や数 に
よっては、矯正の治療計画も大きく変わってきますので、5~6才の頃にできれば パノラマレントゲン撮影 することをおすすめいたします^^
進学、就職、ご結婚による転居の予定はないですか?
18才の部活動がそろそろ終わる高校3年生の6月に矯正相談に来られた女子高生の症例です。
実は、一番最初は中学1年生の時にも最初のご相談があり、歯型の説明した時には高校生になってからの矯正治療を考慮し・・・とのことでした。
矯正相談に来られた時点で、高校生活はあと8カ月程度しか残っていなかったためカウンセリング時に卒業後のことを質問すると、九州内(多分…福岡)で進学する予定とのことだったので、福岡に転居しても月一回程度受診できるとのことで、ここで矯正治療することを強くご希望されていたこともあり治療開始(4本の抜歯治療から)していきました。
しかし、半年くらい経過した頃、予定が変更になり関東に進学することになったので、東京の矯正歯科医を紹介してほしい、とのことでした。。。
それで紹介したのですが、東京ではまた一から矯正治療がかかるので、やはり関東から一年程度だったら月一回通院します、とのことになり無事に予定通り一年間の関東からの通院で終了しました。
このように、矯正治療開始時には(転勤族の方の場合のお子さんは特に!)、転居の予定はないか? を慎重にご相談させていただきます。
治療途中での矯正治療の引き継ぎは料金の観点から難しい場合が多いのです。
患者さまにとっては、費用の問題は大きくなるのでここは特に注意してほしいです。
もちろん、矯正治療の途中と言っても ワイヤー矯正 まで終了していて、保定期間中などの場合は、矯正調整料のみで大きな金額発生しないのであれば問題ありませんが。。。^^
高校生になったら男子でも八重歯は気になる?
高校一年生の男子で、八重歯が気になる!ということでの矯正治療ご希望で来院。
この症例の場合は、左下2番目と3番目の歯がくっついて大きな1本の歯(癒合歯;ゆごうし)になっているのですが、通常通りの前から4番目の上下左右4本を抜歯してから ワイヤー矯正 にて歯の整列を行って仕上げていきました。
やはり、『 八重歯 』の場合は、元々の原因は歯のℎぽう出スペース不足からきている場合がほとんどなので、抜歯症例 になる場合が多いです。
技術的には、抜歯症例も抜かずに矯正治療することは可能ですが、側貌(そくぼう;横顔のプロフィール)で見ると、上下前突感(猿人っぽく?)が強い仕上がりになるのであまり矯正した意味がありません。
上だけ見ると綺麗な歯ならび、下だけ見ても綺麗な歯ならび・・・だけど咬みあった状態で見ると???ってなるのは、ならぶスペースがないと、ならぶためには外側にいってならぶしかない(外径が大きくなるしかない!)からこうなってしまうのです。
当医院では、絶対モデルのような横顔?こういう風になるまで矯正した方がいいですよ!( ※整形後のエステティックライン;おでこと鼻先と顎先を結んだラインを厳密にみるまではしないですが。。。)とはいいませんが、抜歯しない場合のデメリットなどはきちんとお伝えしていきます。
この状態からでも綺麗な歯ならびになるのかなぁ~?
ちょうど高校卒業して、就職するのを機に矯正治療開始された症例です。
最初は一番目立たない アライナー矯正 治療で、治療期間もできるだけ短くしたいので、抜歯するなら今で不要と思っている上下前から2番目の歯を抜歯ご希望ありとのことでの矯正相談でした。。。
やはり、この症例の場合だと ワイヤー矯正 が治療期間や治療費用を考慮するとやはりメリットが大きいので十分カウンセリングしていきます。
また上下2番目を抜歯しない理由は、やはり前歯6本(上下12本の前歯)がないと見た目がちょっと違和感があるのと、犬歯が犬歯の役目(前や左右に顎を動かした時にガイドをして前歯や奥歯が接触しないようにする!)をしない位置にきてしまうため、当医院ではしません!( ※圧倒的に治療期間短縮はできますが・・・ )
他医院でそうしてから何年後かに後悔していらっしゃる方々も診てきているので、特にそう感じます。
この場合も母親や本人に十分説明して、納得してもらってから矯正治療開始(まずは上下左右前から4番目の4本抜歯から)していきました。
Invu の セラミックブラケット + エステティックワイヤー の組み合わせは本当に目立ちにくいと大好評でした。
また オープンコイル と呼ばれるバネや クリンパブルフック といったワイヤーに補助的に使用する材料も白色なので、本当に目立ちにくい。
ワイヤーでの矯正は他人にすぐ分かるので嫌だなぁ~って考えている方でも、実際目にすると安心されるみたいです。。。
八重歯ってやっぱり気になるんですよね~
今から何年か前に 『 付け八重歯 』 っていうのが流行して、当医院にも綺
麗な歯ならびをわざわざ付け八重歯にしたいから削って下さい!って高校生が来
院したこともありました。。。
まぁ、一般的に考えるとこれをチャームポイントで個性的と捉える方と嫌だから何とかしたいって方と両極端に分かれると考えます。
咬み合わせから言うと、この犬歯って下顎を前や左右に動かす時にここだけあたって 前歯や奥歯を休ませる大事なガイド になる役目があります。
結論では、八重歯ではその機能を発揮できないのでベストという訳にはいかないですね!
乳歯から永久歯へ生え変わる時にスペースが少し不足していて最後にこの犬歯が生え変わった場合に 『 八重歯 』 になります。
この症例の場合は、前歯どうしはキッチリ咬みあっていたので、スペース不足分を
『 遠心移動用床装置 』
を使用して奥歯をさらに奥に移動することによってスペースを獲得してから、その後も LOT(部分矯正)で、上の前歯だけにブラケットをつけて歯の整列を行いました!