人生のクオリティーが変わります。誌上体験版 矯正治療ガイド!

 歯科の矯正治療は、踏み出すには少し勇気がいります。でも、生涯の健康を支える、きちんと噛めるお口ときれいな笑顔を獲得するチャンスを逃すのはもったいない!

 2月号のコラムでは、「このままの歯並びで本当にいいのかな?」と気になり、21歳で治療を受けたみづきさんと、治療を担当した歯科チームによる矯正治療のようすを、ダイジェストでお伝えします。

 

治療開始。歯がグググと動いてる!

 治療説明のときには聞いていましたが、実際、かなりの違和感でした。ブラケットに慣れるのに1週間程度、リンガルアーチに慣れるのに1か月程度かかりました。

 でも半年もすれば、装置があまり気にならなくなり、食事、歯みがきにも慣れました。矯正治療序盤は、口の中がダイナミックに変化していることが手に取るようにわかります。1か月ごとの調整後の数日間は、多少の痛みや食事のとりにくさがありますが、歯が動いて並んでいくことがわかるので、楽しみながら過ごせました。

 

噂のなかだるみ?微調整がはじまった!

 半年ほどすると、前歯が並んで見た目がかなり変わり、治療の手ごたえを感じます。

 ところが長かったのはここから。歯を大きく動かす時期が終わると、今度は上下の歯をピタリと噛み合わせていく微調整がはじまります。複雑に力を加えて精密に動かしていくので、目に見えて違いがわかった以前にくらべ、治療にブレーキがかかったように感じ、もどかしくなりました。

 でもここが頑張りどころ。この微調整で仕上がりが変わってくると聞き、歯に加わる力の強さや角度を微妙に調整するエラスティックの使用を地道に続けました。

 

治療終了!変化を実感しています。

 治療開始から2年9か月後、ついに治療が終了。当初は「見た目がきれいに慣ればいい」程度の気持ちでしたが、実際に終えてみると、それ以上のものがありました。

 まずうれしかったのが、「歯みがきとフロスがラク!」ということ。そしてもうひとつ感激したのが、「1本1本の歯がしっかり機能していると実感できた」こと。これは治療前にはなかった感覚です。

 治療前の歯並びで生涯を過ごすのと、よく噛めるお口で過ごすのとでは、クオリティーが違う将来が待っているんじゃないか––––そう日々実感しています。

 治療を開始した頃に歯科衛生士学校の学生だった私は、縁あって現在、この治療を受けた診療所で歯科衛生士として働いています。治療中の経験を、患者さんのサポートに役立てていきたいと思っています。

引用参考文献:nico 2019年2月号

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詰め物が取れた、被せ物が割れた?歯の天敵?歯ぎしりにご用心!

 「詰め物がよく取れる」「朝起きるとあごが痛い・だるい」「歯がすり減っていたり、欠けたり割れたりするといった経験はないでしょうか。それはもしかすると、“睡眠中の歯ぎしり”が原因かもしれません。

 

「良い歯ぎしり」と「悪い歯ぎしり」

 じつは歯ぎしり自体は、日中に受けたストレスを睡眠中に発散して脳とからだの健康を保つための無意識の行動で、本来は悪い癖などではありません。

 しかし、噛み合わせがよくない方のばあ、睡眠中の歯ぎしりが、強い力で歯を削ったり揺さぶったりする「悪い歯ぎしり」となってしまうことがあります。

 上の歯と下の歯がうまく噛み合っている良い噛み合わせの方は、歯ぎしりをしても上下の犬歯が力を受け止めてくれます。歯ぎしりの力を、長くて丈夫な歯根をもつ犬歯が引き受けてくれるので、ほかの歯にはほとんど負担がかからずにすみます。

 一方、犬歯がガチッと噛み合わない、奥歯ばかりで歯ぎしりするようなお口の場合、奥歯に直接、強い力がかかります。あごの動きにもストップがかからないので、下あごのがグラインドしやすく、広範囲に歯が削れていってしまいます。

 歯ぎしりをする方は、平均8時間の睡眠中に約40分間も強い力で噛む(通常は約15分)そうです。もしこれが悪い歯ぎしりだった場合、歯をいかに傷めてしまうか容易に想像できるのではないでしょうか。

 

悪い歯ぎしりから歯を守るには?

 歯ぎしりによる被害を防ぐもっともポピュラーな歯科治療は、マウスピースを使う方法です。就寝中にマウスピースを装着し、力のかかり方を修正して歯やあごを守ります。また、良い噛み合わせをつくる矯正治療は、悪い歯ぎしりを良い歯ぎしりへと変える根本的な改善策です。

 こうした治療と同時に重要なのが、就寝前のイメージトレーニング。「歯ぎしりをしないぞ」と繰り返し唱え自分を暗示にかけます。簡単なわりに効果があり、歯ぎしりが4割減るともいわれています。

 くわえて、生活習慣や癖の改善も大切。歯ぎしりは眠りの浅いときに起きやすいので、寝床でスマホを操作しない、ぬるめの風呂にゆったり入るなど、快眠できる生活習慣を整えるほか、日中に噛みしめていることを自覚したら、スッと力を抜いて歯が接触しないようにしましょう。

 

 むし歯や歯周病で歯が弱っているところに悪い歯ぎしりが加わると、被害がより甚大に。悪い歯ぎしりにぜひご用心を!

引用参考文献:nico 2019年1月号

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