巷で噂される歯の話のウソ・ホント

 

こんにちは。院長の葉です。

 

春の訪れを感じ、
新たな始まりに心おどる季節となりました。

 

さて、4月1日は皆さんもご存じの
エイプリルフールです。
この日だけは
「罪のないウソならついてもいい」
ということで、
周囲を楽しませるユニークなウソに
考えをめぐらす方もいらっしゃるでしょう。

 

歯に関する話題や噂のなかには
ウソとは言えないまでも、誤解を招くものや、
不正確な情報が広まっているものが存在します。

 

そこで今回は、
世間で広く信じられている歯の話題を、
医学的な観点から検証していきたいと思います。

 

 

 

 

◆「甘いもの」を食べなければ
 むし歯にならない?

 

大人が小さな子どもに
「甘いものばかり食べていたらむし歯になるよ!」
注意するシーンは
昔からよく見られる日常の一コマです。

 

このような過去の経験から
「甘いもの=砂糖の入った食品を食べなければ
むし歯にはならない」と考える方も
少なくありません。

 

しかし、むし歯の原因になる糖は
ご飯やパン、うどん、果物など、
身の回りにある多くの食品に含まれています。

 

そして、そのどれもが
むし歯を起こす原因となりうるのです。

 

 

 

また、むし歯予防においては
糖分を摂りすぎないことも大切ですが、
それ以上に食後の歯みがきを
習慣づけることが効果的です。

 

 

 

 

◆乳歯は抜けるから
 むし歯になっても問題ない?

 

乳歯は12歳ごろまでに自然に抜け落ち、
永久歯に置き換わることから
「むし歯になっても大丈夫」と
思っている方も少なくないようです。

 

しかし、乳歯のむし歯は子どもの健康や
発育に悪影響を及ぼすため注意が必要です。

 

 

たとえば、乳歯がむし歯になって
食べものがうまく噛めないと、栄養が偏ったり、
あごの骨の正常な発達を妨げたりする恐れがあります。

 

さらに、乳歯は永久歯が正しい位置に生えるための
重要な目印であるため、
むし歯によってその形が変わると
永久歯の歯並びが悪くなることもあります。

 

子どもの健やかな発育のためにも、
幼い時期からむし歯予防に努めることは
非常に重要です。

 

 

 

 

◆歯みがきは強く磨くほど
 歯がキレイになる?

 

お口の中がネバついたとき、汚れを落とそうとして
ゴシゴシと強めに歯を磨いてしまったこと
ありませんか?
確かに、力強く磨いた後はネバつきも取れて、
一時的な爽快感を得られるかもしれません。

 

しかし、このように
力を入れた歯みがきを長く続けると、
歯の表面が削れたり、
歯ぐきが痩せて歯が長く見えたりするなど、
さまざまなトラブルを引き起こしてしまいます。

 

さらに、強く磨くと歯ブラシの毛先が
すぐに広がりやすく、
結果的に汚れの除去効率が落ちてしまうため
こちらも注意が必要です。

 

歯みがきの適切な力加減は150g~200g程度です。
強く力を入れるよりも、
軽い力で小刻みにブラシを動かすほうが
細かいすき間汚れまで
効果的に落とすことができます。

 

まずは歯医者さんで、
自分にあったブラッシング法を指導してもらいましょう。

 

 

 

 

◆定期的に通院して
 正しい情報をチェックしよう!

 

世間でまことしやかに語られる
歯科の情報のなかには不正確なものも多く、
昔は正しいと言われていた情報が
現在では否定されていることも
少なくありません。

 

 

 

そして、そのような誤った情報は
口内環境の悪化を招くリスクもあります。

 

お口の健康を守るためにも、
定期検診などで正しい情報を入手して、
適切な対処法を実践していきましょう!

 

 

 

医療法人社団 ハートデンタルクリニック
〒885-0031
宮崎県都城市天神町19街区21号
TEL:0986-58-7700
URL:https://heartdental.net/
Googleマップ:https://goo.gl/maps/yw2nLxy4g5DYhZus7

「マスクを外した時も」口元で変わる見た目の印象

 

こんにちは。院長の葉です。

 

3月は新生活への準備が始まる時期。
新しい出会いや挑戦に胸を躍らせる一方で、
初対面の人たちとの交流に
不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

 

そんな皆さんに、
新生活の準備としておすすめしたいのが
「お口のメインテナンス」です。

 

今回は口元が相手に与える印象と、
その改善方法についてご紹介していきます。

 

 

 

 

◆「笑顔」と「白い歯」で
 第一印象をアップ!

 

「他人がマスクを外したとき、
外す前と印象のギャップを感じた」
このようなシーンは、コロナ禍において
多くの方が経験されたことでしょう。
このことは、口元の印象が
いかに大きな影響を与えるかを物語っています。

 

では、口元のどこで人の印象が変わるのでしょうか。
これについては、次のような興味深いデータがあります。

 

大手生活用品メーカー「ライオン」が
実施したアンケートによると、
対象となった女性400人のうち、
約9割が第一印象の良い人を
「笑顔の素敵な人」と回答しています。

 

さらに、「歯の白さが人に与える印象」に関する調査では、
同一人物でも歯が白いほうがより親しみやすく、
清潔な印象を与えることが明らかとなりました。

同調査ではさらに、
白い歯が「若々しい」「肌がきれい」といった
イメージアップにつながることも示されています。

 

これらのデータからも、
口元が人の第一印象に大きな影響を与えること、
さらに自信に満ちた笑顔や白い歯が
好印象を与えることがわかります。

 

 

 

 

 

◆まだ間に合う?
 歯科でできるお口のメインテナンス

 

とはいえ、
「これから歯科に通って、
どの程度改善できるのだろう」
疑問を持たれる方も
いらっしゃるかと思います。

 

実際には効果に個人差はあるものの、
歯科のケアを受けることで
さまざまな改善が期待できます。

 

たとえば、歯の黄ばみや汚れが気になる場合は、
歯科のクリーニングで
プラークや歯石、着色汚れなどを取り除いて、
歯がもつ本来の白さとツヤを
取り戻すことが可能です。

 

また、むし歯による歯の変色も、
歯科治療によって改善することができます。

 

 

 

これに加えて、
意外と見落とされがちな
「歯ぐき」のケアも重要です。

本来の健康的な歯ぐきは
ピンク色をしています。

白い歯を引き立て、
華やかな印象を与えてくれますが、
歯周病になると赤く腫れてしまい、
見た目の印象も変わってしまいます。

 

健康的なお口を維持するためにも、
こうした「見た目の異変」に気づいた際には
早めの受診をおすすめします。

 

 

 

 

◆お口のメインテナンスで
 新たな出会いに笑顔と自信を

 

マスクを外す機会が増えるなか、
自分の口元に自信がなく、
新たな出会いに不安を感じている方も
少なくありません。

 

当院では、
そういった皆さんのために
一人ひとりの
お口の状態に合わせて
さまざまなサポートを行っています。

 

 

 

「口元の印象を改善したい!」
などお悩みの方は、
いつでもお気兼ねなくご相談ください。

 

春の新しい門出を前に、
自信の持てる口元・笑顔を
私たちと一緒に目指していきましょう。

 

 

 

医療法人社団 ハートデンタルクリニック
〒885-0031
宮崎県都城市天神町19街区21号
TEL:0986-58-7700
URL:https://heartdental.net/
Googleマップ:https://goo.gl/maps/yw2nLxy4g5DYhZus7

「たかが1本」の油断が招くお口の崩壊ドミノ

 

こんにちは。院長の葉です。
12月に入り、本格的な冬の訪れとともに、
華やかなイルミネーションが
街中でも輝く時期になってきました。

 

クリスマスや年末の季節感を
肌身で感じるこの頃には、親しい人と、
特別な料理や美味しいケーキを食べる!
という方もいるのではないでしょうか。

 

そうした楽しいひとときを過ごしたあとは、
つい食後のお口のケアがおろそかになりがちです。

 

ですが、
「ちょっとぐらいはいいか」の油断は禁物。

 

この油断から始まる「小さなむし歯」
お口崩壊への第一歩となってしまうのです。

 

 

 

 

◆お口崩壊のはじまりは
「小さなむし歯」から

 

「むし歯になったら削って治せば大丈夫」
と考えがちですが、
治療とはいえ「削る」という行為は
歯に想像以上のダメージをもたらします。

 

歯は一度削ると元には戻らないため、
プラスチックや金属などの「人工物」で
削った部分を補っていきます。

 

削った部分を補う治療が一旦完了すると、
むし歯の痛みなども無くなるため、
「これで完治した!」
と思われることも多いかもしれません。

 

しかし、
どんなにつめものを丁寧に作っても、
人工物である以上、
少しずつ隙間ができてしまいます。

 

ましてや、
一度むし歯になったということは、そこは
「ケアが行き届きにくいところ」である証拠。

 

つまり、つめものをした部分
再びむし歯になるリスクが高く、
実際に5~7年おきで再治療が必要になる
いわれています。

 

 

 

 

すると、治療のたびに歯は削られ、
やがて「つめもの」「かぶせもの」に変わり、
さらには歯の神経を失って、最終的には
歯そのものを失う「負のサイクル」に
陥ってしまうのです。

 

はじまりは小さなむし歯でも、
治療による負のサイクルに一度はまってしまうと、
そこから抜け出すのは並大抵のことではありません。

 

 

 

 

◆1本の歯が引き起こすお口の崩壊ドミノ

 

とはいえ、
「28本あるうちの1本ぐらいなら
抜けても支障ないのでは?」
と思う方もいらっしゃるでしょう。

 

確かに歯を失った直後は、
噛みにくさや違和感を覚えるものの、
時間が経つとある程度それにも慣れて、
やがてその歯がないことも
忘れてしまいます。

 

しかし、この時点ですでに、
お口の崩壊ドミノが始まっています。

 

たとえば、奥歯が1本抜けてしまった場合、
食べものをかみ砕く力
抜ける前の約半分に落ちるといわれています。

 

自分では今まで通り噛めているように思えても、
実際は抜けた歯の周囲にある「別の歯」
その負担がかかっているに過ぎません。

 

 

 

 

これは「3本あった家の柱が2本になる」のと同じで、
ここから1本、さらに1本と
次々に柱がダメになっていく様子は
容易に想像できるでしょう。

 

そして、この状況は抜けた歯の周囲に留まらず、
その隣の歯、さらには
反対側の歯にまでドミノ式に広がり、
最後は「歯がボロボロで噛めない」
という状況に至ってしまいます。

 

 

 

 

◆歯を守る3つのステップは
「予防」「治療」「メインテナンス」

 

治療による負のサイクル、
さらにそれに続くお口の崩壊ドミノを
回避する最良の方法はずばり、
むし歯・歯周病を予防すること。

 

もしも、むし歯や歯周病になってしまった場合でも、
早期に発見し、
速やかに治療を行うことで
歯へのダメージを最小限に抑えることができます。

 

この2つを叶える唯一の方法が、
歯科医院での定期的なメインテナンスです。

 

 

 

大切な歯を負の連鎖から守るためにも、
ぜひ生涯を通じて定期メインテナンスを心がけましょう。

 

 

 

医療法人社団 ハートデンタルクリニック
〒885-0031
宮崎県都城市天神町19街区21号
TEL:0986-58-7700
URL:https://heartdental.net/
Googleマップ:https://goo.gl/maps/yw2nLxy4g5DYhZus7

脱・歯ブラシ一刀流!デンタルフロス&歯間ブラシ 使いかた講座

歯ブラシではみがけない場所がある!

 歯みがきは1日2回、いや3回以上している方も増えてきました。しかし、どんなにていねいに上手に歯みがきできる方でも、歯ブラシ1本でお口を清潔に保つことは「不可能」です。歯ブラシだけではほぼ絶対にみがききれない場所があるのです。

 その1つ目は、歯と歯の接する「コンタクトポイント」。2本の歯がぴったりくっついて生えているとき、歯がぶつかっているところです。このすき間には歯ブラシの毛先は物理的に入りません。しかしそれでも細菌は入り込み、プラークを形成し酸を出して、むし歯(う蝕)のもとになります。ここに溜まったプラークは、デンタルフロス(以下、フロス)でないと取り除けません。

 2つ目は、歯が隣り合ったところの「歯の根元まわり」。上の歯でも下の歯でも、根元まわりには歯ブラシが当たりにくく、溜まったプラークは時間とともに病原性を増し、歯周病の原因となります。特に歯の裏側の根元まわりの場合、表側よりもいっそう歯ブラシが届きにくいです。

 ここに溜まったプラークを取り除くには、フロスや歯間ブラシを根元まわりに沿うように当てて、みがく必要があります。

 

極意伝授!フロス&歯間ブラシの使いかた

 ではフロスと歯間ブラシの動かしかたのコツをお教えしましょう。フロスの場合、

  • フロスの糸を、のこぎりを引くように斜めにスライドさせながら歯と歯のあいだに挿入します。コンタクトポイントの清掃は、単純にフロスをとおせばOKです。
  • 糸を歯の根元まわりに沿わせます。歯肉の溝に、優しく少しだけ挿入します。
  • 歯の表面に沿って、根元から先端方向にかき出すようにフロスを動かします。

一方、歯間ブラシは、

  • 歯と歯の間にある歯肉(歯間乳頭)を傷つけないように、上の歯なら斜め下方向に、下の歯なら斜め上方向に歯間ブラシを優しく挿入します。
  • 歯の根元まわりにブラシの毛先が沿うように、歯間ブラシの角度を変えます。
  • ワイヤーではなくブラシの毛先を当てるようにしてみがきます。

フロスや歯間ブラシは、誤った使いたかたをすると、いたずらに歯肉や歯を傷つけてしまいかねません。とりわけ、まじめに熱心にお口のケアをされる方ほど、誤って使い続けてしまったときのダメージは大きいもの。歯科医院で正しい使いかたを教えてもらってから、“脱・歯間ブラシ一刀流”にまい進していただければと思います。

引用参考文献:nico 2020年4月号

付録ダウンロードはこちら

なんでイヤイヤされちゃうの?!仕上げみがきお助けマニュアル

 イヤイヤされちゃうその理由って?

 赤ちゃんの小さな前歯、かわいいですよね。はじめて下の前歯が生えてきたら、ぜひ仕上げみがきをはじめましょう。

 でもこのとき、少しだけ注意が必要です。赤ちゃんにとって「最初の歯ブラシ」は、見たことも触ったこともない「未知のもの」。いきなり歯ブラシを使うとイヤイヤされちゃうことが多いんです。お口の中を覗いたり歯に触れたりして、ちょっとずつ慣れてもらうことからはじめましょう。

 また、2歳前後からはじまるイヤイヤ期もお母さんたちの苦労の種。歯みがきタイムを楽しいと思ってもらえるように、いつもお母さんがみがいているならお父さんに交代する、YouTubeやビデオなどの歌にあわせてみがく、いろんな味の歯みがき剤を用意してお子さんに選んでもらうといった工夫をしてみましょう。

痛くない仕上げみがき ここがポイント!

 仕上げみがきでは「安全」がなによりも重要。そのためには、お子さんとお母さんの姿勢が安定していることが大事です。お母さんは床に座り、お子さんにはお膝の上であおむけになってもらいましょう。

 仕上げみがきを痛がられないコツは、「いかに視野を広げるか」です。歯ブラシの動きを目で見て確認できないと、うっかり痛いところに当ててしまいがち。お口の中は見えにくいですが、くちびるや頰を指で上手によけることで見えてきます。このとき、指先ではなく、くれぐれも指の腹でよけてください。一生懸命にみがくあまり爪を立ててしまうと、痛がられてしまいます。

 

歯が生えたらフッ素を使おう!

 フッ素には、歯を固く丈夫にし、歯の修復(再石灰化)を助けてくれるというすばらしい効果が。思うように仕上げみがきをさせてもらえない時期のむし歯予防に強い味方となるので、フッ素入り歯みがき剤は欠かさず使いましょう。

 ただし、月齢や年齢ごとに、推奨されている安全な使用量やフッ素濃度は異なります。歯の生えはじめ〜2歳くらいは、フッ素濃度500ppmの歯みがき剤を歯ブラシにちょんとつける程度。3〜5歳は同濃度のものを5mm程度歯ブラシに塗ります。

 フッ素がお口に残るほど予防効果が上がるので、うがいは「10cc程度の少ない水で1回だけに」とどめてください。歯が生えはじめた赤ちゃんなら、歯みがき後に出てくる唾液を軽くぬぐう程度でOKです。

 仕上げみがきに悩んだら、子ども専門、または子どもに慣れているかかりつけの歯科医院にご相談を。一緒に予防を担ってもらうと、肩の荷も軽くなるはずです。

引用参考文献:nico 2019年4月号

付録ダウンロードはこちら

いつ、何を、どう使う?歯周病予防のための洗口液はじめてガイド

歯周病予防には歯みがきとセットで

 歯周病は、細菌の塊である「バイオフィルム(プラーク)」による細菌感染症です。細菌の毒素の作用により、歯ぐきに炎症が起きたり、歯を支える顎の骨が吸収されたりしてしまうのです。

 バイオフィルムは歯の表面にできる細菌たちの膜状の集合体で、個人差はありますが、歯みがきから約48時間後から形成されはじめます。この膜は歯周病菌などの細菌を外敵から守るバリアとなり、洗口液の殺菌成分は、バイオフィルムができていると届きづらくなります。

 ですから、洗口液を使う際には、歯ブラシでバイオフィルムを壊して、殺菌成分が作用しやすい状況をつくるのが大切です。

 

殺菌成分の仕組みは2種類!

 洗口液の殺菌成分が効く仕組みは、大別して2種類あります。1つ目は、「表面に付着するタイプ」。

 グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)、ベンゼトニウム塩化物(BTC)がそれにあたり、歯の表面やバイオフィルムの表面、お口の粘膜の表面に付着して、殺菌作用を発揮する性質があります。また、歯の表面などに吸着することで、細菌たちが集まってバイオフィルムを再形成するのを抑制する効果も期待されます。

 そして2つ目は、「内部に浸透するタイプ」。エッセンシャルオイルやポピドンヨードがそれにあたり、歯の表面に形成されはじめたバイオフィルムの内部に浸透して、細菌を攻撃する性質があります。

 エッセンシャルオイルを主成分とした洗口液としては「リステリン」が知られていて、シネオール、チモール、サリチル酸メチル、メントールがエッセンシャルオイルです。

 歯みがきから時間がたってバイオフィルムが成熟して厚くなると、浸透効果は弱まります。ですから、バイオフィルムが厚くなる前に洗口液を使うのがベターです。

 

歯科のフォローは必須です!

 歯と歯の間や、奥歯の裏側、深い歯周ポケットの中など、みがき残しが起こりやすい場所では、バイオフィルムが時間とともに成長して歯の表面に固く付着します。そうすると、歯ブラシを当てたとしても取り除くのは難しくなり、洗口液の効果も発揮されにくくなります。そのため、歯科の専門家による定期的なケアは欠かせません。

 洗口液を使っているからと安心せず、自分では落とし切れない汚れをプロの手で落としてもらいましょう。

引用参考文献:nico 2018年9月号

付録ダウンロードはこちら

どれが本当に効果的な方法?みんな知りたい!歯みがきの科学。

 歯みがきの仕方って「本当のところどれが正解なのかなあ?」と迷ってしまうこと、ありませんか?ご自分の歯みがきに「自信がない」という方へ、効果的な歯みがき法をお届けします。

 

1日何回みがくと効果的?

 歯みがきは、回数より質です。科学的根拠のある歯みがき法は、じつは「最低でも1日1回、しっかりとバイオフィルムやプラークを除去すること」。残念ですが、回数だけ増やせば効果が上がるというものではありません(ただし歯みがきのたびにフッ素配合歯みがき剤を使えば、フッ素のむし歯予防効果は期待できます)。

 むし歯菌が糖を取り込んでバイオフィルムをつくるまでには約18時間。そのバイオフィルムが熟成し、しつこいベタベタになるまでに3〜4日。歯周病菌は一晩放っておくと1,000倍に増えます。

 ということは、細菌が隠れている場所を狙って、最低1日1回、きちんと歯みがきし除去していれば、むし歯菌や歯周病菌が勢力を伸ばしてしまう前に、先手必勝で彼らの活動を抑え込むことができるというわけです。

 

1日1回はじっくり時間をとって

 そこで、「朝は忙しくてじっくりみがくのは無理」という方なら、朝はバイオフィルム除去効率の良いデッキブラシタイプ(毛先がフラットカット)の歯ブラシでザッとみがき、足りない分は1日の終わりのホッとできる就寝前に、というのはいかがでしょう。1日1回バイオフィルムとプラークの両方を意識し時間をとってていねいにみがき、フロスや歯間ブラシでお掃除しましょう。

 

3〜4か月毎のメインテナンスを

 ただし、「人生100年」が現実になろうとする今、人生の最期まで歯をもたせるには、人生50年の頃と同じ方法を続けていてはとても無理。従来の「歯みがきオンリーのケア」に「何か」を足す必要があります。そこで歯科では、歯石除去と、その後の3〜4か月ごとにメインテナンスを受け、歯と歯ぐきの中のクリーニングを受けていただくようおすすめしています。

 むし歯菌も歯周病菌も、クリーニング後3か月ほどで元気を回復することが研究により明らかになっており、細菌が暴れ出すのを抑えるには、3〜4か月おきのクリーニングがギリギリのリミット。

 平均寿命が伸び続けている今、歯を一生使い続けるために、歯みがきの質の向上と、歯科医院の定期的なメインテナンスで歯を守っていきましょう。

引用参考文献:nico 2018年8月号

付録ダウンロードはこちら

電動歯ブラシのトリセツ

● 電動歯ブラシちゃんと使えてる?

テクノロジー好きの方が多い日本IBMの社員の方々にも、電動歯ブラシを使っている方が大勢います。

日本IBM健康保険組合は、毎年希望者を対象に歯科予防プログラムを行っていて、2016年間での参加者数はのべ2万4000人超なのですが、プログラムの実施会場では、

「 電動歯ブラシを使用しているのに、その方が思ったほどお口がキレイになっていない 」

ケースがよく見られるそうです。

磨けていない方にアリガチな傾向は主に4つ!

 

➀.電動歯ブラシはブラシヘッドが高速で動いているのに、歯みがき本体を手みがき用のブラシのように動かしている。

②.軽い力であてればキレイになるはずなのに、ブラシヘッドをグイグイ押し付けている。

③.ブラシヘッドの交換を忘れていて、購入時のものをそのまま使い続けている。

④.形状やサイズ、ブラシの毛の質などがその方に合っていないと思われるものを使い続けている。

 

なかには、間違った使い方を日常的にしているせいで歯ぐきが傷ついていたり、歯ぐきが下がってしまっている方もいれば、粗めの研磨剤が入った歯みがき粉を使って、歯にダメージを与えてしまっている方も見受けられます。



● 基本は「 あてるだけ、そえるだけ 」

フィリップス ソニッケアーやブラウン オーラルBなど、高性能の電動歯ブラシ(音波電動歯ブラシ)を使うてで大切なのは、

     「 みがきたい部分にしっかりあてること 」

電動歯ブラシはプラークを落とす力が強いものの、みがきたい部分にブラシをあてるのは、使う側がしなくてはなりません!

ですから、手みがき用の歯ブラシのように手を動かしてみがいてはいけません。みがきたい部分に「 あてるだけ、そえるだけ 」が基本です。

また高性能の製品には、ブラシの押しつけ過ぎを知らせたり、防止する機能も搭載されています。逆にいえば、ブラシを押し付けてしまう癖のある人ほど、そうした機能のある製品が向いているともいえます。

使って楽しく、効率的なプラーク除去が期待できる電動歯ブラシ、せっかく使うのなら、適切に使用して十分に性能を引き出せるようにしたいものですね・・・^^

歯みがき粉の予防力アップ!^^

フッ素がむし歯予防に効果があるって聞いたことありますよね?

実はこのフッ素、日本の歯みがき粉ではこれまで1,000ppmF以下の濃度で配合するように決められていたのですが、今年3月に国際基準(ISO)と同様の1,500ppmFを上限とする歯みがき粉の発売がついに認可され、販売が始まっているのです。

● あらためておさらい!フッ素の効果!

➀.歯質強化

フッ素といっしょに修復された歯の決結晶は、元の歯より強い結晶になるため、むし歯になりにくい丈夫な歯になる。

②.再石灰化の促進

唾液の中に溶けだしたカルシウムなどが歯に取り込まれやすくなり歯  が修復されるスピードと量が多くなる。

③.抗菌作用

むし歯菌の酸を産生する活動をおさえる。

 

 

適切な濃度が口の中に長く保たれるほど効果が発揮されるので、フッ素配合歯みがき粉には、こうした効果が発揮されやすい濃度が配合されています。

実際、国内のフッ素配合歯みがき粉の市場シェアが増加するに伴い、1人あたりのむし歯本数(12歳児)は急激に減少しています。

今後、高濃度フッ素を配合した歯みがき粉が普及していけば、むし歯の本数はさらに減少することが予測されます。

 

● 高濃度フッ素配合品、子どもも使える?

1,500ppmFの配合が認められるにあたって、歯みがき粉メーカー団体(日本歯磨工業会)が相談して、

      「 6歳未満の使用はお控えいただく 」

という自主規制を設けました。

歯の形成期である6歳未満は、過剰のフッ素を積極的に飲みこむと、歯に白斑(斑状歯)が現れることがありますが、エナメル質が完成する6歳以降では、まず心配ないため、このような基準となっています。

 

● 予防だけじゃなく治療にも有効です!

歯は食事のたびに溶けているってご存知ですか?

これでは歯がどんどん減ってしまいそうですが、そうならないのは、溶けだしたカルシウムなどが唾液の力によって歯に戻り、補修されているからです。

つまり、歯の溶解に補修のスピードが追いつけば、むし歯はできません。

しかし、補修が追いつかない状態が続くと、溶解が進み、むし歯ができてしまいます。この初期段階が「 初期むし歯 」です。

そこで重要になるのが補修のスピードアップ。

カギを握るのは歯の補修スピードアップを早めるフッ素です。

高濃度フッ素配合歯みがき粉は補修のスピードをさらに高めるので、予防はもちろん初期むし歯の治療にも大変有効なアイテムなのです^^

(* 2017年 nico  11月号 を参考にしてまとめています^^)

付録ダウンロードはこちら

年齢別ブラッシングのコツ

いよいよ今日からは、 『 歯と口の健康週間 』!

歯と口の健康に関する正しい知識と習慣を身につけ、歯科医院などで行う 「 プロケア 」 と 自宅でできる 「 セルフケア 」を実践しましょう!

ここでは、毎日の 「 セルフケア 」 で大切な、歯みがき&仕上げみがきのポイントをご紹介いたします^^

※ 日本歯科医師会雑誌 「 歯の学校 64号 」 参照