『歯で苦労しない人生を!決め手は定期的なメインテナンス』

 

 将来の歯の健康に不安を感じることはありませんか。そんなとき頼りになるのが、「歯科の定期的メインテナンス」です。定期的メインテナンスは、検診とお口のクリーニング、そしておうちで取り組んでいただくための歯科指導がセットになった歯科独自の予防システムです。

 歯科医院と患者さんがタッグを組み、歯科は主に原因解明と改善法の指導を、患者さんはその実践を担当し面、定期的に経過を確認し合って、良い状態を維持していくわけです。

まずは自分のお口の弱点を知ることから

 お口の状態は人それぞれ違います。定期的メインテナンスでは、患者さんごとに異なるリスクを探り、その情報を患者さんと共有します。そしてトラブル回避のために、日々の生活の中で実践しやすい具体的な方法をご提案します。こうすることで、「自分に合った予防のポイントを知って、効果的に対策できる」ようになります。

 くわえて、お口の状態の変化を視野に入れた対策もできます。小中学生、高校・大学生、ミドル世代、シニア世代には、それぞれの世代が陥りがちなリスクがあります。また、お口の健康は、大学に入って一人暮らしになった、出産した、介護で忙しくなった、退職した、といったライフステージの変化にも大きな影響を受けます。

 年齢や環境にともない変化するリスクを予測し、トラブル回避をしていく。継続的に来院していただく定期的メインテナンスならではのメリットです。

 継続的にプロの目で診てもらうと「ゴシゴシみがきが歯や歯ぐきにダメージを与えている」といった、自分では認識していないリスクに気づくきっかけにもなります。

プロフェッショナルケア、なぜ必要?

 歯に深い溝がある場合、溝の奥には歯ブラシの毛先は届きません。ここにプラークが溜まったままだと、むし歯になります。 また、深い歯周ポケットの奥にも歯ブラシの毛先は届かず、そこに溜まったプラークは歯周病が悪化する原因になります。

 そうした患者さん自身では取り除けないプラークを除去するのが、プロフェッショナル・クリーニングです。歯周ボケット深くのプラークは、除去すると3~4か月、歯周病菌の勢いを抑えられることがわかっています。定期的に通ってプロのクリーニングを受ける意味はここにあります。

 80歳、そして 90歳になっても自分の歯でおいしく食事ができたら、どんなに楽しい生涯になるでしょう。一生自分の歯で食べていくために、歯科の定期的メインテナンスをぜひご活用ください。

 

引用参考文献:nico2022年11月

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いつもの歯みがきがワンランク上に!The歯ブラシ選びかた使いかた

 

2タイプの歯ブラシを使い分ける!

 デンタルフロスに歯間ブラシ、タフトブラシ…・・。みがき残しを減らすためいろいろ買ってみるけれど「毎日の習慣にはなかなか定着しなくて」というかた、多いですよね。
 子どもの頃から使い慣れているのは、やっぱり歯ブラシ。だったら発想を転換して、「すでに生活に定着している歯ブラシで、ワンランク上の歯みがきになる方法をマスターすればいいのでは?」
その答えが、ラウンド加工とテーパー加エという、2タイプの歯ブラシを両方使う方法です。

ラウンド加工とテーパー加工、どう違う?

ラウンド加工の歯ブラシは、毛先が丸くカットされているので、歯の広い面や、噛み合わせ面(咬合面)を効率よくお掃除するのが得意。一方、へこんでいたり細かなところのお掃除はどちらかというと苦手です。
 テーパー加工の歯ブラシは、長く細い毛先で、ラウンド加工では届きにくい歯と歯のあいだや段差などをピンポイントにみがくのが得意です。
 ラウンド加工の歯ブラシで歯面をサッとみがいてから、テーパー加工の歯ブラシで細かいところをフォロー。こうすれば効率もクオリティも上がりますよ!

 

 

 「歯ブラシ2本を使い分けるなんて、デンタルフロスよりは楽だけど面倒」。そんな方は、忙しい朝はラウンド加工の歯ブラシで歯面を効率よくササッと。昼食後はテーパー加工の歯ブラシで歯間に的を絞ってお掃除。夜はゆったりできる時間に両方使ってじっくりていねいにーーこのように1日のトータルで考えると、それほど負担なく続けられると思います。
 なお、テーパー加工の歯ブラシでみがくときに気をつけていただきたいのが、「毛め先を歯周ポケットに無理に突っ込んでみがかない」ということ。歯ぐきが痩せ、歯根が露出し、根面のむし歯のリスクが増してしまいます。「歯周病の予防のために」と、痛いのに我慢して続けている方もおられますが、ポケットの中を歯ブラシできれいにするのは至難のワザ。ポケットのお掃除は歯科衛生士におまかせくださいね。

 

引用参考文献:nico2021年3月

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歯科の定期検診でチェック!お口の粘膜 診てもらってる?

お口の粘膜の病気は気づきにくい!

 口腔がんにつながりかねない、お口の粘膜の異常。怖いなと思いつつも、「異常があれば自分で気づくだろう」とお思いの方も多いようです。しかし、「患者さん自身がお口の粘膜の異常に早期に気付くのは、実際のところとても難しい」のです。

 口腔がんは、初期には痛みがなく、ある時点で急にスイッチが入ったように大きくなります。そのため実際のケースでは、痛みやしびれが出るほど進行してから異常にきづくほうが多いです。

 しかも、お口の中はただでさえキズをつくりやすい場所。擦り傷、噛み傷にくわえ、アフタ、歯周病など細菌による炎症、カンジタ症、色素沈着、水疱、アレルギー、感染症、全身疾患、薬剤の副作用、そして悪性腫瘍など、あらゆる可能性を検討しなければ、本当の原因には行き着けません。

粘膜の病理検査をもっと身近に!

 心配な病変がお口の粘膜に見つかったとき、必ず受けていただきたいのが病理検査です。お口の粘膜の検査では、「細胞診検査」と「組織診検査」が現在一般的に行われています。

 細胞診検査では、疑わしい粘膜の表面を歯間ブラシのようなもので擦り、細胞(検体)を採取するだけで検査できる、患者さんに負担の少ない手法です。かかりつけの歯科医院が連携する口腔外科や病院歯科を紹介してもらい、検査を受けましょう。

 細胞診検査でがん化が疑われた場合、または視診、触診でがん化が強く疑われた場合に、診断を確定するために行われるのが組織診検査です。粘膜の組織を切り取り、病理医が子細に調べて診断します。がん治療を行っている病院歯科や大学病院などの高次医療機関で受けることができます。

歯科で定期的に粘膜を診てもらおう!

 口腔がんの早期発見にとって、もっとも重要な効果的な方法。それは、信頼できるかかりつけの歯科医院をもち、定期的にチェックを受けることです。なぜなら、ふだんの健康なお口を継続的・定期的に診てもらうことで、変化に気づき、変化の要因を推測してもらいやすいからです。

 初めて歯科医院に急患でかかったとき、もしも歯ぐきが赤く腫れていたら、まず疑われるのはおそらくむし歯か歯周病でしょう。しかし、いつも通っている歯科医院で、これまでむし歯も歯周病もなく健康だった患者さんの歯ぐきが急に腫れたとなると、「なにが起きたんだろう」と、真相に迫ったアプローチをしてもらえます。

 日頃から歯科とこうした関係を築いておくことが、粘膜の変化への気づきと病理検査、早期発見へとつながります。

 

引用参考文献:nico2020年11月

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脱・歯ブラシ一刀流!デンタルフロス&歯間ブラシ 使いかた講座

歯ブラシではみがけない場所がある!

 歯みがきは1日2回、いや3回以上している方も増えてきました。しかし、どんなにていねいに上手に歯みがきできる方でも、歯ブラシ1本でお口を清潔に保つことは「不可能」です。歯ブラシだけではほぼ絶対にみがききれない場所があるのです。

 その1つ目は、歯と歯の接する「コンタクトポイント」。2本の歯がぴったりくっついて生えているとき、歯がぶつかっているところです。このすき間には歯ブラシの毛先は物理的に入りません。しかしそれでも細菌は入り込み、プラークを形成し酸を出して、むし歯(う蝕)のもとになります。ここに溜まったプラークは、デンタルフロス(以下、フロス)でないと取り除けません。

 2つ目は、歯が隣り合ったところの「歯の根元まわり」。上の歯でも下の歯でも、根元まわりには歯ブラシが当たりにくく、溜まったプラークは時間とともに病原性を増し、歯周病の原因となります。特に歯の裏側の根元まわりの場合、表側よりもいっそう歯ブラシが届きにくいです。

 ここに溜まったプラークを取り除くには、フロスや歯間ブラシを根元まわりに沿うように当てて、みがく必要があります。

 

極意伝授!フロス&歯間ブラシの使いかた

 ではフロスと歯間ブラシの動かしかたのコツをお教えしましょう。フロスの場合、

  • フロスの糸を、のこぎりを引くように斜めにスライドさせながら歯と歯のあいだに挿入します。コンタクトポイントの清掃は、単純にフロスをとおせばOKです。
  • 糸を歯の根元まわりに沿わせます。歯肉の溝に、優しく少しだけ挿入します。
  • 歯の表面に沿って、根元から先端方向にかき出すようにフロスを動かします。

一方、歯間ブラシは、

  • 歯と歯の間にある歯肉(歯間乳頭)を傷つけないように、上の歯なら斜め下方向に、下の歯なら斜め上方向に歯間ブラシを優しく挿入します。
  • 歯の根元まわりにブラシの毛先が沿うように、歯間ブラシの角度を変えます。
  • ワイヤーではなくブラシの毛先を当てるようにしてみがきます。

フロスや歯間ブラシは、誤った使いたかたをすると、いたずらに歯肉や歯を傷つけてしまいかねません。とりわけ、まじめに熱心にお口のケアをされる方ほど、誤って使い続けてしまったときのダメージは大きいもの。歯科医院で正しい使いかたを教えてもらってから、“脱・歯間ブラシ一刀流”にまい進していただければと思います。

引用参考文献:nico 2020年4月号

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なんでイヤイヤされちゃうの?!仕上げみがきお助けマニュアル

 イヤイヤされちゃうその理由って?

 赤ちゃんの小さな前歯、かわいいですよね。はじめて下の前歯が生えてきたら、ぜひ仕上げみがきをはじめましょう。

 でもこのとき、少しだけ注意が必要です。赤ちゃんにとって「最初の歯ブラシ」は、見たことも触ったこともない「未知のもの」。いきなり歯ブラシを使うとイヤイヤされちゃうことが多いんです。お口の中を覗いたり歯に触れたりして、ちょっとずつ慣れてもらうことからはじめましょう。

 また、2歳前後からはじまるイヤイヤ期もお母さんたちの苦労の種。歯みがきタイムを楽しいと思ってもらえるように、いつもお母さんがみがいているならお父さんに交代する、YouTubeやビデオなどの歌にあわせてみがく、いろんな味の歯みがき剤を用意してお子さんに選んでもらうといった工夫をしてみましょう。

痛くない仕上げみがき ここがポイント!

 仕上げみがきでは「安全」がなによりも重要。そのためには、お子さんとお母さんの姿勢が安定していることが大事です。お母さんは床に座り、お子さんにはお膝の上であおむけになってもらいましょう。

 仕上げみがきを痛がられないコツは、「いかに視野を広げるか」です。歯ブラシの動きを目で見て確認できないと、うっかり痛いところに当ててしまいがち。お口の中は見えにくいですが、くちびるや頰を指で上手によけることで見えてきます。このとき、指先ではなく、くれぐれも指の腹でよけてください。一生懸命にみがくあまり爪を立ててしまうと、痛がられてしまいます。

 

歯が生えたらフッ素を使おう!

 フッ素には、歯を固く丈夫にし、歯の修復(再石灰化)を助けてくれるというすばらしい効果が。思うように仕上げみがきをさせてもらえない時期のむし歯予防に強い味方となるので、フッ素入り歯みがき剤は欠かさず使いましょう。

 ただし、月齢や年齢ごとに、推奨されている安全な使用量やフッ素濃度は異なります。歯の生えはじめ〜2歳くらいは、フッ素濃度500ppmの歯みがき剤を歯ブラシにちょんとつける程度。3〜5歳は同濃度のものを5mm程度歯ブラシに塗ります。

 フッ素がお口に残るほど予防効果が上がるので、うがいは「10cc程度の少ない水で1回だけに」とどめてください。歯が生えはじめた赤ちゃんなら、歯みがき後に出てくる唾液を軽くぬぐう程度でOKです。

 仕上げみがきに悩んだら、子ども専門、または子どもに慣れているかかりつけの歯科医院にご相談を。一緒に予防を担ってもらうと、肩の荷も軽くなるはずです。

引用参考文献:nico 2019年4月号

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いつ、何を、どう使う?歯周病予防のための洗口液はじめてガイド

歯周病予防には歯みがきとセットで

 歯周病は、細菌の塊である「バイオフィルム(プラーク)」による細菌感染症です。細菌の毒素の作用により、歯ぐきに炎症が起きたり、歯を支える顎の骨が吸収されたりしてしまうのです。

 バイオフィルムは歯の表面にできる細菌たちの膜状の集合体で、個人差はありますが、歯みがきから約48時間後から形成されはじめます。この膜は歯周病菌などの細菌を外敵から守るバリアとなり、洗口液の殺菌成分は、バイオフィルムができていると届きづらくなります。

 ですから、洗口液を使う際には、歯ブラシでバイオフィルムを壊して、殺菌成分が作用しやすい状況をつくるのが大切です。

 

殺菌成分の仕組みは2種類!

 洗口液の殺菌成分が効く仕組みは、大別して2種類あります。1つ目は、「表面に付着するタイプ」。

 グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)、セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)、ベンゼトニウム塩化物(BTC)がそれにあたり、歯の表面やバイオフィルムの表面、お口の粘膜の表面に付着して、殺菌作用を発揮する性質があります。また、歯の表面などに吸着することで、細菌たちが集まってバイオフィルムを再形成するのを抑制する効果も期待されます。

 そして2つ目は、「内部に浸透するタイプ」。エッセンシャルオイルやポピドンヨードがそれにあたり、歯の表面に形成されはじめたバイオフィルムの内部に浸透して、細菌を攻撃する性質があります。

 エッセンシャルオイルを主成分とした洗口液としては「リステリン」が知られていて、シネオール、チモール、サリチル酸メチル、メントールがエッセンシャルオイルです。

 歯みがきから時間がたってバイオフィルムが成熟して厚くなると、浸透効果は弱まります。ですから、バイオフィルムが厚くなる前に洗口液を使うのがベターです。

 

歯科のフォローは必須です!

 歯と歯の間や、奥歯の裏側、深い歯周ポケットの中など、みがき残しが起こりやすい場所では、バイオフィルムが時間とともに成長して歯の表面に固く付着します。そうすると、歯ブラシを当てたとしても取り除くのは難しくなり、洗口液の効果も発揮されにくくなります。そのため、歯科の専門家による定期的なケアは欠かせません。

 洗口液を使っているからと安心せず、自分では落とし切れない汚れをプロの手で落としてもらいましょう。

引用参考文献:nico 2018年9月号

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どれが本当に効果的な方法?みんな知りたい!歯みがきの科学。

 歯みがきの仕方って「本当のところどれが正解なのかなあ?」と迷ってしまうこと、ありませんか?ご自分の歯みがきに「自信がない」という方へ、効果的な歯みがき法をお届けします。

 

1日何回みがくと効果的?

 歯みがきは、回数より質です。科学的根拠のある歯みがき法は、じつは「最低でも1日1回、しっかりとバイオフィルムやプラークを除去すること」。残念ですが、回数だけ増やせば効果が上がるというものではありません(ただし歯みがきのたびにフッ素配合歯みがき剤を使えば、フッ素のむし歯予防効果は期待できます)。

 むし歯菌が糖を取り込んでバイオフィルムをつくるまでには約18時間。そのバイオフィルムが熟成し、しつこいベタベタになるまでに3〜4日。歯周病菌は一晩放っておくと1,000倍に増えます。

 ということは、細菌が隠れている場所を狙って、最低1日1回、きちんと歯みがきし除去していれば、むし歯菌や歯周病菌が勢力を伸ばしてしまう前に、先手必勝で彼らの活動を抑え込むことができるというわけです。

 

1日1回はじっくり時間をとって

 そこで、「朝は忙しくてじっくりみがくのは無理」という方なら、朝はバイオフィルム除去効率の良いデッキブラシタイプ(毛先がフラットカット)の歯ブラシでザッとみがき、足りない分は1日の終わりのホッとできる就寝前に、というのはいかがでしょう。1日1回バイオフィルムとプラークの両方を意識し時間をとってていねいにみがき、フロスや歯間ブラシでお掃除しましょう。

 

3〜4か月毎のメインテナンスを

 ただし、「人生100年」が現実になろうとする今、人生の最期まで歯をもたせるには、人生50年の頃と同じ方法を続けていてはとても無理。従来の「歯みがきオンリーのケア」に「何か」を足す必要があります。そこで歯科では、歯石除去と、その後の3〜4か月ごとにメインテナンスを受け、歯と歯ぐきの中のクリーニングを受けていただくようおすすめしています。

 むし歯菌も歯周病菌も、クリーニング後3か月ほどで元気を回復することが研究により明らかになっており、細菌が暴れ出すのを抑えるには、3〜4か月おきのクリーニングがギリギリのリミット。

 平均寿命が伸び続けている今、歯を一生使い続けるために、歯みがきの質の向上と、歯科医院の定期的なメインテナンスで歯を守っていきましょう。

引用参考文献:nico 2018年8月号

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電動歯ブラシのトリセツ

● 電動歯ブラシちゃんと使えてる?

テクノロジー好きの方が多い日本IBMの社員の方々にも、電動歯ブラシを使っている方が大勢います。

日本IBM健康保険組合は、毎年希望者を対象に歯科予防プログラムを行っていて、2016年間での参加者数はのべ2万4000人超なのですが、プログラムの実施会場では、

「 電動歯ブラシを使用しているのに、その方が思ったほどお口がキレイになっていない 」

ケースがよく見られるそうです。

磨けていない方にアリガチな傾向は主に4つ!

 

➀.電動歯ブラシはブラシヘッドが高速で動いているのに、歯みがき本体を手みがき用のブラシのように動かしている。

②.軽い力であてればキレイになるはずなのに、ブラシヘッドをグイグイ押し付けている。

③.ブラシヘッドの交換を忘れていて、購入時のものをそのまま使い続けている。

④.形状やサイズ、ブラシの毛の質などがその方に合っていないと思われるものを使い続けている。

 

なかには、間違った使い方を日常的にしているせいで歯ぐきが傷ついていたり、歯ぐきが下がってしまっている方もいれば、粗めの研磨剤が入った歯みがき粉を使って、歯にダメージを与えてしまっている方も見受けられます。



● 基本は「 あてるだけ、そえるだけ 」

フィリップス ソニッケアーやブラウン オーラルBなど、高性能の電動歯ブラシ(音波電動歯ブラシ)を使うてで大切なのは、

     「 みがきたい部分にしっかりあてること 」

電動歯ブラシはプラークを落とす力が強いものの、みがきたい部分にブラシをあてるのは、使う側がしなくてはなりません!

ですから、手みがき用の歯ブラシのように手を動かしてみがいてはいけません。みがきたい部分に「 あてるだけ、そえるだけ 」が基本です。

また高性能の製品には、ブラシの押しつけ過ぎを知らせたり、防止する機能も搭載されています。逆にいえば、ブラシを押し付けてしまう癖のある人ほど、そうした機能のある製品が向いているともいえます。

使って楽しく、効率的なプラーク除去が期待できる電動歯ブラシ、せっかく使うのなら、適切に使用して十分に性能を引き出せるようにしたいものですね・・・^^

歯みがき粉の予防力アップ!^^

フッ素がむし歯予防に効果があるって聞いたことありますよね?

実はこのフッ素、日本の歯みがき粉ではこれまで1,000ppmF以下の濃度で配合するように決められていたのですが、今年3月に国際基準(ISO)と同様の1,500ppmFを上限とする歯みがき粉の発売がついに認可され、販売が始まっているのです。

● あらためておさらい!フッ素の効果!

➀.歯質強化

フッ素といっしょに修復された歯の決結晶は、元の歯より強い結晶になるため、むし歯になりにくい丈夫な歯になる。

②.再石灰化の促進

唾液の中に溶けだしたカルシウムなどが歯に取り込まれやすくなり歯  が修復されるスピードと量が多くなる。

③.抗菌作用

むし歯菌の酸を産生する活動をおさえる。

 

 

適切な濃度が口の中に長く保たれるほど効果が発揮されるので、フッ素配合歯みがき粉には、こうした効果が発揮されやすい濃度が配合されています。

実際、国内のフッ素配合歯みがき粉の市場シェアが増加するに伴い、1人あたりのむし歯本数(12歳児)は急激に減少しています。

今後、高濃度フッ素を配合した歯みがき粉が普及していけば、むし歯の本数はさらに減少することが予測されます。

 

● 高濃度フッ素配合品、子どもも使える?

1,500ppmFの配合が認められるにあたって、歯みがき粉メーカー団体(日本歯磨工業会)が相談して、

      「 6歳未満の使用はお控えいただく 」

という自主規制を設けました。

歯の形成期である6歳未満は、過剰のフッ素を積極的に飲みこむと、歯に白斑(斑状歯)が現れることがありますが、エナメル質が完成する6歳以降では、まず心配ないため、このような基準となっています。

 

● 予防だけじゃなく治療にも有効です!

歯は食事のたびに溶けているってご存知ですか?

これでは歯がどんどん減ってしまいそうですが、そうならないのは、溶けだしたカルシウムなどが唾液の力によって歯に戻り、補修されているからです。

つまり、歯の溶解に補修のスピードが追いつけば、むし歯はできません。

しかし、補修が追いつかない状態が続くと、溶解が進み、むし歯ができてしまいます。この初期段階が「 初期むし歯 」です。

そこで重要になるのが補修のスピードアップ。

カギを握るのは歯の補修スピードアップを早めるフッ素です。

高濃度フッ素配合歯みがき粉は補修のスピードをさらに高めるので、予防はもちろん初期むし歯の治療にも大変有効なアイテムなのです^^

(* 2017年 nico  11月号 を参考にしてまとめています^^)

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年齢別ブラッシングのコツ

いよいよ今日からは、 『 歯と口の健康週間 』!

歯と口の健康に関する正しい知識と習慣を身につけ、歯科医院などで行う 「 プロケア 」 と 自宅でできる 「 セルフケア 」を実践しましょう!

ここでは、毎日の 「 セルフケア 」 で大切な、歯みがき&仕上げみがきのポイントをご紹介いたします^^

※ 日本歯科医師会雑誌 「 歯の学校 64号 」 参照