乳歯でも前歯って結構見えますよね?
そこでお母様方からも、むし歯の部分が黒くなるので進行止めの薬(“サホライト”)は塗らないで下さいって最初から言われる場合もあります。
できるなら白い詰め物を詰めてくださいと。。。
ここで専門的に解説しますと、まず乳歯の前歯は永久歯より歯髄腔(しずいくう)という神経などが入っている管が大きく、削ればすぐ神経に達しやすいのです。
それであえて危険を冒してまで削って白い詰め物(レジン充填)をしないというのが大きな理由です。
もちろん、永久歯への交換もだいたい5歳半~7歳くらいで比較的早いのでというのもあります。
当医院でも、通常は上記理由で削ることはしませんが、今まで進行止めのサホライトを塗布する時は、説明した上で保護者の方に同意していただいたら処置するという方法でした。
では、なんで黒くなるのか???
それはこの“サホライト”は1ml中に380mgのフッ化ジアンミン銀が含有されていて、むし歯の部分にこの銀イオンが反応して黒くなり、初期むし歯の進行抑制や二次的なむし歯の抑制、象牙質知覚過敏症の抑制などに有効に作用するのです。
でもやっぱり自分も親なので、黒くなるのにはちょっと抵抗あります。。。。。
それで、当医院ではこれまでフッ素塗布に使用していた“フルオールゼリー”というフッ素歯面塗布剤(1g中に20mgのフッ化ナトリウム配合)を利用して塗布することに変更!しました。
これは“サホライト”ほどのフッ素濃度でなないですが、定期的に塗布することにより同程度の効果でむし歯の予防にはなるし、着色もないので抵抗ないと思います。
今までフッ素塗布でやっていた方法は、この“フルオールゼリー”を綿花で塗布するだけだったのですが、作用時間が短いことが気になっていました。
それで、上と下の歯列に合ったトレーという入れ物の中に“フローデンフォーム”という泡状のフッ素歯面塗布剤(1ml中に20mgのフッ化ナトリウム配合)を入れて上、下で各4~5分噛んでもらうことで作用時間を長くし、かつ小さいお子さんでも抵抗なく受け入れられるようになりました。
また当医院ではフッ素塗布やシーラントなどの予防処置の際にはレーザーで歯質強化したうえで処置などしています。
分からないことなどはお気軽にご質問などして下さいね!^^