最近はむし歯と同様に結構マスコミなどからも聞かれるようになった“ 歯周病 ”ですが、歯科関係者はよく知っているものの一般の患者さまなどは???って方も多いと思います。
問診でも“ 歯石除去 ”希望の方は多いのですが、多くの方は歯の着色除去と混同していて歯石除去をする前の歯周病の検査の結果をいろいろ工夫してお話するのですが、最後に
“ で、自分は歯周病じゃないんですよね? ”
といわれる方もいらっしゃいます。
この歯周病は
①.病気が歯肉にとどまっている歯肉炎
②.歯根のセメント質や歯根が埋まっている顎の歯槽骨、またこの2つを結ぶ歯根膜まで広がった歯周炎
に分類できます。(※ホームページ参照)
このように歯を支える歯周組織(歯槽骨、歯肉など)に起こる歯周病も最近急増している生活習慣病の一種です。
この生活習慣病というのは、多くの種類があり、最近特に問題視されている
メタボリックシンドローム
もその1つですが、生活習慣病の特徴としては1つの病気を持っていると他の病気も併発しやすいということです。
また、病気がかなり進行しないと自覚症状も出てこないのですが、長期にわたって放置していると、生死にかかわる深刻な合併症を招く可能性もあるということです。
もちろん生活習慣病といわれるように生活習慣の乱れが関与しますが、例えば喫煙習慣があると歯周病のリスクは2~8倍に高まるといわれています。
つまり歯周病の1番の原因は、
ポルフィロモナス・ジンジバーリス菌などの歯周病菌と呼ばれる嫌気性菌が、歯と歯のすき間・歯と歯肉の間の溝(歯肉溝、ポケット)に無数にたまるプラーク(歯垢)
なのですが、そこに生活習慣の乱れ、さらに体質的要因なども加わって発症・進行するのです。この歯周病は成人の約8割がかかっていると推測されているので、その意味では、患者数がもっとも多い慢性感染症であり生活習慣病といえます。
たとえば
糖尿病になると
→①.だ液の分泌量が減って歯周病菌が増殖したり、
→②.免疫機能や組織修復力が低下して歯周病が発症・進行しやすくなります。
逆に歯周病が進行すると
→大量のTNFーαが分泌され、インスリンの効きを悪くして糖尿病を発症・進行させる恐れがでてきます。
他にも肥満が進むほど発症しやすいとか、心臓病、肺炎、またまた早産や低体重児出産との関係も指摘されてきています。
そこで最も大切なのはむし歯だけでなく、歯周病でも予防!
その基本はブラッシングなどによるバイオフィルムコントロールです。
まず歯をきちんと磨いて口の中を清潔に保ち、狭い歯間を掃除する歯間ブラシやデンタルフロス、洗口液を併用するのも効果的です。
→パーソナル・プラークコントロール
また、歯科医院を定期的(3ヶ月~6ヶ月)に受診し、自分では取りきれないプラークなどのバイオフィルムを除去してもらうと効果はさらに高まります。
→プロフェッショナル・プラークコントロール
このように歯科医院で
“ 定期的に検診を受けましょう ”
というのは患者さまのためになる重要なことなのです。
痛くなってからでは治療に費やす期間も費用もそれなりにかかりますが、定期的にチェックすることによって問題なければ、2~3回の通院で終了する場合が殆どです。
当医院では患者さまの最後の検査結果により、ある程度の次回の定期検診の目安はお話ししますが、皆さんそれぞれの生活環境が違うので、最後は患者さまが1ヶ月に1回の来院を希望される方もいらっしゃいますし、理想は3ヵ月後くらいだけど今は仕事が忙しいので、と6ヵ月後を希望される方もいらっしゃいます。
それでいいと思います。
この定期検診が患者さまにプレッシャーになっては意味ないと考えています。積極的に来院していただくことが重要なので、各々のライフスタイルに合わせてでいいと思います。
で最後に
“ 定期健診を受けましょう!!! ”