サッパリ感を楽しもう
みなさんは、いままでに電動歯ブラシを使ったことはありますか?使ったことのあるかたなら、手用歯ブラシとの使用感の違いに、最初は驚かれたのではないでしょうか。電動歯ブラシの場合、歯ブラシは動かさずにピタリと歯面に当て、少しずつずらすようにしていきます。するとラクに、うまくみがけるのです。
逆に、超高速で振動しているヘッドをつい手用歯ブラシを使ってきた癖で、勤勉にシャカシャカと動かすと、歯とブラシのあいだに余分な反発力が生まれ、歯ブラシがはじかれたり、歯面から浮き上がってしまうことがあります。するとかえって狙ったところに当てにくくなってしまうのです。
もともと電動歯ブラシは平滑面をみがくのが抜群に得意。特筆すべきはそのサッパリ感で、当たったところは短時間でツルツルになります。この感覚は、手用歯ブラシでは、なかなか味わえない電動歯ブラシの醍醐味だといえるでしょう。
進化した細部みがきの機能
その一方、従来の電動歯ブラシが不得意としてきたのが、歯のボコボコや歯間などの細部でした。高速でフラットに振動していると、細かいところには毛先が入り込みにくかったのです。そこで近年は、電動歯ブラシが苦手としてきた細部のお掃除に対応すべく、各メーカーはしのぎを削ってさまざまな工夫を凝らしてきました。歯科専売の高機能電動歯ブラシは、以前よりヘッドがグッと小型化し操作性が向上していますし、デコボコや歯間によく入るようにブラシの毛先が工夫されています。
また、従来よくいわれてきた「電動歯ブラシは強すぎて、歯や歯ぐきを傷めやすい」という点に関しても対策がされています。力の入りすぎを予防する機能を搭載し、みがくときに、大きな力が入らないようになってきています。
歯みがき指導を受けよう
電動歯ブラシは、残念ながら買って使いさえすればお口のなかがきれいになるわけではありません。効率がいいだけに、ブラシが当たっているところ、手用歯ブラシでは時間のかかるツルツル感を短時間で味わえますが、万遍なく当たっていなければ、手用歯ブラシ同様、みがき残しができてしまいます。
そこで私は、電動歯ブラシこそ、単なる家電製品として購入なさるのではなく、歯科医院でご相談いただき、適切な使い方の指導を受けてお使いいただきたいと考えています。
引用参考文献:nico 2011年6月号