痛みは本来、
「 体のなにか異常事態あり! 」
ということを教えてくれる、ありがたい情報です。
その痛みが起きることで、病気の存在に気付き、痛みを止めるために治療を早く受けよう!と考えます。
逆に、痛みがでにくい病気の場合(たとえば歯周病など。。。)は、かなり悪くなるまで気付かずに見過ごしてしまうことも多いです。
とはいえ、実際に痛みがでればありがたいどころか苦しめられます。
そのなかでも、歯や歯の周囲で起きる細菌感染による痛みはたいへんつらいものです。
「 歯の痛み 」 と聞いて、誰でもまず思い浮かべるのは、歯の中の神経(歯髄;しずい)でしょう!
これは痛みを伝える器官としてよく知られていますが、大kなむし歯の治療をするときに、
「 神経を抜いた 」 「 神経をとった 」
などとよく言いますが、細菌に感染してもはや生き返ることのなくなった歯髄を取り除き、歯の中をきれいに掃除して殺菌する治療のことです。
当然ながら歯髄をとれば、歯の中には痛みを感じる受容器がなくなります。
そこで多くの方々は
「 神経をとったのだから、ピタリと痛みがなくなるはずだ! 」
と考えがちです。
もしくは治療が終わってすぐに違和感が消えないと、
『 治療が失敗したのでは? 』
と心配される方もいるかもしれません。
でも実は、歯の内部だけではなく歯の周囲にも三叉神経でつながった神経のネットワークが網の目のように広がっています。
歯髄はそうした神経のネットワークのほんの一部にすぎません!
歯髄をとり歯の内側の炎症を取り除く治療が成功しても、その歯の外側まで細菌感染が及んでいたら、その炎症が体の免疫によって押さえ込まれるまでは、歯の外側にあるセンサーが警報を出し続けるのです。
歯科では痛みはつきもの。
しかし、痛みの原因や症状はさまざまでなかには原因が取り除かれても続くような一筋縄ではいかないものもあります。
《 今日の記事は nico 2013年 1月号 を参考に記載しています 》