よく噛むことで。。。

たった1本の歯が痛いだけで、

          「 食事ができない 」   「 食欲がわかない 」

といった経験をしたことがある人は少なくないと思います。

特に中高年になると、歯周病で歯が動くようになったり、歯を失うリスクが高くなったりします。

このような年代では、健康に気を付けながら食べたいものを食べるというよりも、歯の状態に合わせて食べやすい食品を選択してしまいがちで、それが習慣化してしまいます。

たとえば、歯を失うと野菜の摂取が減り、逆に炭水化物の摂取が増えることが示されています。

よく噛めない人と何でも噛める人では、ミネラルやたんぱく質などの摂取にも差異がみられます。

また、歯や口の健康が食生活にもたらす影響は、栄養素ばかりではなく、よく噛むという食べ方が摂取エネルギーにも影響するのです。

よく噛むということが満腹感の形成を促すことは古くから知られています。

食べ過ぎの原因の1つは

                  『  早食い  』

です。満腹を感じる前にたくさんのエネルギーを摂ってしまうのは、満腹情報として食行動調節に主要な役割を果たしている消化管の機械的刺激や吸収後の代謝産物などの情報が 「 早食い 」 で機能しなくなるからです。

この習慣化した 「 早食い 」 を是正するためには、食べ過ぎていることを本人が自覚することと、一口20~30回噛むことが大切であり毎食後にできたかどうかを体重測定とともに記録する方法が効果的とされています。

そして、

             「 一口量を少なく 」

             「 次々口の中に食べ物を入れない 」

             「 一口ごとに箸をおく 」

といった具体的な目標を本人が決めておき、それができたかどうかを記録することが有効です。

(  まさに早食いで太ってしまった自分には耳の痛い話しですが。。。 今ダイエット中なので早速実践してみたいです ^^   )

歯科治療を受けることによって口腔内の状態は改善します。

歯周病と同じく生活習慣病である糖尿病治療では、食事指導を受ける前に歯の健康状態をチェックし、何らかの症状ある場合には歯科治療を受けることが必要ですが、それだけで満足するのではなく、健康的な食べ方を身に付けることが重要です。

    歯の状態や食べ方が肥満の原因となり、この肥満こそが健康を損なう  

のです。

糖尿病の患者さまへ ②

糖尿病のことをなんで歯医者さんが???

って思うかもしれませんが、このブログでも何回も記載してあるように歯科治療にとって全身疾患である糖尿病が不利な条件になってしまうということは、意外に知られていないのかもしれません。

普段私たちはお口のことは歯科で、体のことは医科で、つい分けて考えがちです。

なので、歯科治療に全身疾患の糖尿病が影響を与えると聞いても、ピンとこないかもしれません。

でも、実際には大いに関係あるのです。

傷が治りにくかったり、炎症を起こしやすい糖尿病の患者さまの場合、例えば歯を抜いたり、歯ぐきを切って治療したりする場合に治療の傷が治りにくく感染を起こしやすいため、健康な方の治療に比べて特別の配慮が必要になるのです。

また、血糖値をコントロールする治療を受けていなかったり、コントロールがうまくいっていない患者さまの場合、健康な方にとっては

糖尿病の患者さまへ

糖尿病というのはやっかいな病気で、まったく痛くもかゆくもなく自覚症状ないのですが、一度慢性化すると、それからの人生ずっと付き合っていかざるを得ないのです。

自覚症状がないまま健康診断で引っかかって、糖尿病予備軍だとか、糖尿病にすでになっていることが判明しショックを受けた、という方が大半だと思います。

糖尿病になると、すり傷・切り傷が治りにくかったり、傷が化膿しやすくなったりします。

そのほか、

・ やけにのどが渇いて水分ばかり摂る

・ トイレに行くと尿がなんだか甘ったるいようなにおいがする

・ 体がなんとなく重くてしんどい

・ 近頃お腹がすいてよく食べるのにむしろ痩せてきた

などの兆候があります。 ^^

思い当たる方はなるべく早期の検査をおすすめいたします。

オールセラミックの治療って?

ほんの数年前までは、前歯の保険外(自費)治療の被せ物といえば、金属でつくったフレームの上にセラミックを焼き付けて外側を白くしてある

          『 メタルボンドクラウン 』

が主流でした。

というのも、同じころ前歯の自費治療のもう一つの選択肢だった

          「 ポーセレンジャケットクラウン 」

は、メタルフリーで透明感があり非常に美しいというメリットがある一方、割れやすいという決定的なデメリットがあったのです。

そのため、結果的に透明感はなくてもセラミックの光沢を備え、しかもしなやかに噛む力を受け止めて丈夫な 「 メタルボンドクラウン 」 が圧倒的に選ばれ使用されていました。

ただ、このような優れた 「 メタルボンドクラウン 」 にも金属を使用しているがゆえのデメリットがあります。

それは、歯に被せるときに、その継ぎ目は歯ぐきの溝の中に隠す場合が多いのですが、時間の経過とともに患者さまの歯ぐきが痩せてくると、その継ぎ目が外に見えるようになり、金属フレームの色が目立ってしまうのです。

また、金属イオンが溶出して、歯や歯ぐきを黒くしてしまうこともあります。

どうしても金属フレームを使った古い被せ物には、こうした経年変化にともなうものが多く、お悩みの患者さまが多くいらっしゃるのではないでしょうか?

むし歯になっているわけではなく、純粋に審美的な問題できれいな被せ物に変えたい!という患者さまにとって、治療のやり替えは少し前までは、かなりハードルの高いものでした。

というのも、その頃きれいな前歯を作るための選択肢は2つしかなく、

1. 美しさはいいが割れやすいポーセレンのオールセラミッククラウン

2. 金属を使用するメタルボンドクラウン

を再度新たに入れることだったからです。。。

しかし、現在では審美性と耐久性を兼ね備えた新素材の

          『 オールセラミッククラウン 』

が誕生し、課題だったデメリットが解消されました。

そのため、治療のやり替えに積極的な患者さまも増えていますが、そのやり替えが可能かどうかは、被せ物がよく手入れされ、歯根が健康で歯質が十分に残っているかにかかっています。

歯科材料も日々進化しているので、自分たちの勉強も日々精進が必要です ^^

歯を失うリスクと予防

歯周病は歯を支える歯根膜(しこんまく)と歯槽骨(しそうこつ)が破壊されていく疾患です。

ただ、重症化するまで症状は少なく放置されやすい傾向にありますが、実は成人の約8割の方がかかっているといわれています。

この歯周病は、糖尿病患者さんでは重症化しやすいことが分かってきています。

主な原因は、生体の感染防御能としてのマクロファージ機能や好中球の細菌貪食能が高血糖や虚血によって低下し、歯周病菌の増殖を制御できないことにあると考えられています。

重症化するということは、「 歯がぐらつき 」 最終的には 「 歯が抜ける 」 ことになります。

歯を失うと、食事が不自由になるだけではなく、表情や発音にも影響が及びます。

もちろん、歯を失う2大原因は “ むし歯 ” と “ 歯周病 ” が進行し重症化することなので、予防にはこれらの口腔疾患の予防が不可欠なのです。

歯科医院で定期的な検診、予防処置、保健指導などを受けている人の歯の喪失本数は、定期的に受信していない人より圧倒的に少ないことが分かっています。

歯周病も糖尿病も、初期の段階では自覚症状がすくないため要注意です。

お互いの疾患がリスクを上げるため、医科歯科連携が大切になります。

定期的な歯科受診は、歯を失うリスクという点からいうと、とても大事なことが分かると思います ^^

前歯がガタガタ???

生えてきたばかりの歯は、ねじれて生えてきたり、でこぼこ生えてきたりすることがあります。

これは土台となる顎の骨の中で歯の芽が育つときに、必ずしも顎の骨の中央にきちんとならんでいるわけではないからです。

生えてきた歯は、舌の筋肉や唇、ほっぺたの筋肉の力のバランスがとれたところに並んでいこうとします。

この筋肉による調整によって、きれいな歯ならびができます。

しかし、お口の周りのさまざまなクセによって、このバランスが乱れると歯ならびや噛み合わせにも影響してくることがあります。

少しでも気になる場合は、かかりつけの歯科で相談してみましょう ^^

根の治療はいつまで続く?

患者さまが歯科治療で疑問に思うことの1つに、まずこれがあると思います。

          『 根の治療が長くかかるな~??? 』

治療する歯が、今まで根の治療をしたことがなく根管内が感染していない場合は、炎症が落ち着くまでの回数も通常4~5回程度が多いです。

ただ、化膿して歯ぐきが腫れたりして感染してからの処置の場合は、毎回根管内をきれいにし、膿が早くなくなるような薬を入れますが、正直何回で終了とははっきり言えません!

以前薬をつめてある根管では、その堅く固まった薬をまず取り除かなければならないために、どうしても時間がかかるのです。

そのあとで、薬をしっかりすき間なくつめるために根管を拡大するのですが、複雑に曲がっていたりすると機械ですべて拡大することができず、手用器具で少しずつ拡大するために時間がかかるのです。

また前歯は根管数はだいたい1つですが、奥歯になると2つ~4つの根管数あるため、その根管数だけ2~4倍時間もかかるのです。

さらに、その方の状態でも回数変わりますが、同じ方でも極端に言えば、1本1本の歯の状態によっても回数は大きく変わりますので。。。

これが歯科医院への大きな不満の1つになっていることは分かっているのですが、これだけは何ともできないというかご理解いただきたいのです。

また治療が長期間になって痛みもないため、中断される場合もあると思いますが、次に痛みが出ると、また最初から治療費や治療期間が必要になるため無駄になります。

また最悪の場合は、抜歯になる可能性もあるので、せめて根の治療中だけは中断しないようにお願いいたします。 ^^

歯医者さんの麻酔って?

麻酔は、歯の治療を痛くないためにするんだよ ^^

通常大人の方のむし歯治療の場合は、削ったり抜いたりする処置を痛くないようにするために注射の麻酔(局所麻酔)をします。

その場合に当医院では、針をさすところに前もって表面麻酔薬を塗ったり、できるだけ細い針を使用したり、圧が一定にかかるように電動注射器を使ったりして、痛くない注射にするためにいろいろ工夫しています。

実はそ~っと針を刺して、そ~っと注射液の薬を入れると思ったほど痛くありません。

ただ、お子様の場合は注射というと怖いイメージあるために、神経をとったり、歯を抜いたり以外の削る処置の場合は、麻酔なしでする場合が多いです。

また乳歯の抜歯でグラグラしている場合も、表面麻酔のみで抜歯する場合もあります。

さらに、大人の方で下の親知らずの抜歯する場合などは、通常の浸潤麻酔(しんじゅんますい)という歯の根の近くにする麻酔でだけでなく、親知らずの奥の方の歯のない頬の奥あたりにする伝達麻酔(でんたつますい)をする場合もあります。

これは、通常の麻酔が歯や歯ぐきに限局して1~2時間効く麻酔なのに対して、伝達麻酔はその歯の側(右か左か)の唇や舌周囲まで麻酔が3~4時間効くように範囲も少し広いです。

浸潤麻酔でも1本で効かない場合は、場所を変えて歯と歯ぐきの境目の歯根膜腔(しこんまくくう)へ注射する場合があります。

この時は、ものすごい圧を」かけても、なかなか注射液が入っていかないため腕がプルプル震える場合もありますが、何も注射するのが苦手で怖くて震えているのではありません(笑)

それだけ力が必要なのです ^^

初診の患者さまへのアンケートで

          「 今までの歯科治療での嫌な経験は?」

との回答では、圧倒的に

               『  痛かった  』

というものが多いです。

自分の解釈では、歯科医師の方が

     「 麻酔しなくても大丈夫なくらい小さいむし歯だろう 」

と判断しての処置なのだと思います。

しかし、患者さまはさまざまです。。。

注射が苦手な方の場合は、削るのは多少我慢できても注射のチクッとする痛みには耐えられない方もいるでしょうし、逆に注射は全然平気だけど削る痛みには耐えられない方もいらっしゃると思います。

なので、当医院では麻酔した方がいいかな?くらいのむし歯の大きさの場合は、患者さまに

「 むし歯は、麻酔するかしないかギリギリの大きさくらいですがどうされますか? 」

と。          その後に

     「 患者さまによっては、麻酔の痛みの方が嫌な方もいらっしゃいますし、削る痛みの方が嫌な方もいらっしゃるので確認しています。。。」

と。          迷っていらっしゃる方には

       「 そのまま削ってみて痛い場合は、麻酔しましょう^^ 」

と。

ちなみに歯ぐきの中の縁下歯石(えんかしせき)除去する場合は、当医院では表面麻酔のみで処置しますが、歯科医院によっては注射の麻酔をするところ、まったく何もしないところなどなど・・・これも医院の方針によって違うと思いますので、分からない場合(もしくは注射してほしい・ほしくないのの希望ある場合)は、患者さまご自身から希望をお伝えした方が歯科医師も分かりやすいと思います^^

まあ、歯科医院の麻酔は分かりにくいですもんね~ ^^

コチョコチョ歯磨き ^^

子供の歯は、お父さん・お母さんが思っているよりだいぶ小さく、小さな歯をうまーく磨くには、歯ブラシの毛先を小さく動かすのがコツです。

また歯の周りには、歯ぐきや頬などやわらかい部分があります。

なので、ゴシゴシ強く磨くとやわらかい部分が傷付いてしまいます。

子供の仕上げ磨きは、歯ブラシを細かくふるわせるように、コチョコチョと動かすのがポイントです。

               「 コチョコチョ~ 」

と言いながら、楽しくみがいてあげましょう。

まあ、磨くというよりはマッサージをするような感じでやさしく行ってくださいね ^^

歯ぎしりから救う!

患者さまの中には、歯のケアに熱心でも

          歯が欠けたり、折れたり、被せ物が壊れたり

などのトラブルを繰り返す方がいらっしゃいます。

そういう方は奥歯を失って、ブリッジやインプラントを入れてからも何度も壊れて作り替えたなど、治療の連鎖に悩んでいます。

そういうときに一番に疑われるのが

               『  ブラキシズム  』

です。

このブラキシズムによって歯や歯の周囲組織、あごの骨などにその耐久性を越える力が繰り返しかかることで、さらにトラブルは拡大していきます。

過剰な力が原因となれば、大切なのはその力を減らすことで、そのために欠かせないのが、患者さまの気付きです。

まずは普段の行動を認識することが、改善への第一歩になります。

食生活の見直し、クセの改善、睡眠時のブラキシズムは?etc.。。。あらゆる角度から力の影響を洗い出し、リスクを1つずつ減らしていく必要があります。

睡眠時のブラキシズムは、さまざまな要因が複雑にからまり合って起きるため、じつは残念なことにその発生原因はいまだに解明されていません。

一方、睡眠中のどんな時にブラキシズムが起きるか?というのは明らかになっていて、実は眠りが浅くなるときに起きるのです。

眠りには周期があり、浅いノンレム睡眠に続いて深いノンレム睡眠が現れ、その後睡眠がぐっと浅くなりレム睡眠に移行していきます。

浅いノンレム睡眠の間は、一過性の覚醒が頻繁に発生しますが、ブラキシズムはこの一過性の覚醒とともに集中して起こります。

たとえば、いびきをすると息が苦しくなるために、たびたび眠りが浅くなります。

すると眠りのサイクルが乱れ、ブラキシズムの発現も頻繁になります。

健やかな眠りは、心身の健康にとって大切であることはもちろんですが、ブラキシズムの改善にとっても大変重要なのです。

睡眠時ブラキシズムの被害を食い止めるためもっとも重要なのは、患者やさまの気付きです。

患者さまが睡眠時ブラキシズムを認識し、納得して下さることが、スプリントを使用して確実に被害を減らす第一歩です。

むし歯や歯周病の感染対策に加え、今後は力がもたらす問題にも目を向けていただくと、今抱えているトラブルを解決する新たな突破口が見つかるかもしれません ^^