子どもの歯のケガ(外傷)に要注意!

       

● 痛みや出血の有無だけで判断しないで!

お子さんが転んで歯をぶつけて

「 血が出ている 」  「 痛いと泣いている 」

という場合、保護者の方は、迷いなく歯科を受診されると思いますが、そうでない場合、

「 出血がない 」  「 痛みがすぐに止まった 」

はたして歯科医院に連れていくほどのケガなのかな?

と迷うこともあるようです。

ですが、実はとうしたケースほど要注意!なのです。

血が出ていなくても、歯の根っこ(歯根)や、歯の周りの組織(歯周組織)、ぶつけた歯が乳歯なら永久歯の芽(歯胚・しはい)にまでダメージが及んでいることがあるんです。

また時間がしばらく経ってから痛みが生じることもあるんです。

そうした外からは見えない部分へのダメージは、レントゲン写真などを用いた専門家による診断が不可欠!

ですから、出血や痛みがない場合も是非歯科を受診して検査を受けてもらえばと思います。

● ケガの影響はあとになってわかることも・・・

手や足をケガして治療を受けた後は、完治するまで定期的に病院に通って経過観察しますよね?

歯のケガの場合もそれと同じで長期的な経過観察が必要になります。

特に歯のケガの場合、受傷直後には分からないけれど、時間が経つと見えてくるトラブルがたくさん。

たとえば歯の根っこは、ぶつけた時にヒビが入ってくることがあります。

しかし、その亀裂がほんのわずかな時は、レントゲン写真でも検出はほぼ不可能です。

何日間か何週間か経って亀裂が広がって初めて、

         「 歯の根っこが破折している 」

と検出できます。

また、乳歯の奥でつくられている永久歯が、ケガのダメージによりうまく作られなかったり、変形してしまうこともごくまれに起こります。

このようなトラブルには、受傷後数週間で分かるものもあれば、何ヶ月かかからないと「 大丈夫ですね! 」と太鼓判が押せないものもあります。

すべてのトラブルの芽が出尽くすのにかかる時間は約1年間。ですから最低でも1年は経過観察のための定期受診が必要になります。

歯のケガによる目に見えない部分へのダメージや、あとになって分かるトラブルを見逃さないためには、歯科医院の受診と経過観察がとても大切。

もしお子さんが今まで歯科医院に通っていなかったのでしたら、この機会に(できれば保護者の方々も一緒に)メインテナンスに通われてはいかがでしょうか?

 (* 2018年 nico  10月号 を参考にしてまとめています^^)