歯の根の治療の基本的な流れ
歯の根の治療(根管治療)は、虫歯や外傷などで神経(歯髄)が炎症や感染を起こした場合に行う治療です。
まず局所麻酔を行い、虫歯部分を削って歯の内部にある根管にアクセスします。次に、感染した神経や組織を丁寧に除去し、根管内を洗浄・消毒します。
根管の中は非常に細く複雑なため、正確で慎重な作業が求められます。炎症や感染が強い場合には、数回に分けて消毒処置を行うこともあります。根管が清潔になったら、薬剤や専用の材料を使って密閉し、再感染を防ぎます。
最後に、歯の強度を保つために土台を入れ、クラウン(被せ物)などで補強して治療が完了します。治療期間や回数は歯の状態によって異なりますが、数回の通院が必要になることが一般的です。
歯の根の治療、ダメになった神経の除去に時間がかかります‼
歯の神経(歯髄)の除去は、根管治療の中でも非常に重要かつ時間がかかる工程の一つです。歯の神経は「根管」と呼ばれる非常に細くて複雑な管の中に存在しており、特に奥歯では複数の根管が枝分かれしていることが多いため、完全に神経を取り除くには高度な技術と慎重な処置が必要です。
神経の除去が難しく時間がかかる主な理由には、根管の形状の複雑さが挙げられます。根管はまっすぐではなく、細く曲がっていたり分岐していたりすることがあるため、専用の器具を使って丁寧に作業を進めなければなりません。特に奥歯の根管は本数が多く、1本ずつ処理する必要があるため、処置には時間がかかります。
また、神経が感染していたり、炎症や膿が根の先まで及んでいる場合には、感染部位を確実に取り除き、根管内を清掃・消毒するために複数回に分けて治療を行うことがあります。壊死した神経は取り除きにくく、状態を確認しながら慎重に作業する必要があります。さらに、過去に根管治療を受けた歯を再治療する場合は、古い詰め物や薬剤を除去する手間も加わり、処置がより複雑で時間がかかります。
通常、前歯など比較的単純な形の歯では、1回の治療で30〜60分程度で神経の除去が可能な場合もありますが、奥歯や複雑な症例では数回の通院が必要になることも珍しくありません。治療中に神経が完全に取り除けなかった場合、残存物から再感染する可能性があるため、焦らず丁寧に行うことが重要です。
このように、神経の除去は歯の構造や状態によって大きく治療時間が左右される工程であり、成功率や再発防止のためにも時間をかけた慎重な処置が求められます。
引用参考文献:nico2025年2月