『寝ているときに「息が止まっている」といわれたら・・・それ、閉塞性睡眠時無呼吸かも!』

睡眠時無呼吸症候群ってどんな病気?

閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に空気の通り道(上気道)が塞って、呼吸が止まってしまう病気です。10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上起こると「睡眠時無呼吸症候群」と診断されます。
代表的な症状は、

・大きないびき
・夜中に何度も目が覚める
・朝起きたときの頭痛や口の渇き
・日中の強い眠気や集中力低下

など。実はこれ、命にかかわることもある病気なんです。

歯科で関われるってどういうこと?

睡眠時無呼吸というと、呼吸器内科や耳鼻科のイメージが強いかもしれませんが、実は歯科でも治療に関わることができます。

そのキーワードは「マウスピース(口腔内装置/OA)」。

この装置は、寝ている間に下あごを少し前に出すことで、舌や軟口蓋が気道を塞がないようにサポートするものです。これにより、呼吸の通り道をしっかり確保することができます。

こんな方におすすめです

・軽度〜中等度の無呼吸と診断された方
・CPAP(機械で空気を送る治療)がつらい、続けられない方
・出張や旅行の多い方(マウスピースは持ち運びが楽!)

どんな流れで治療するの?

1、呼吸器内科や耳鼻科などで検査(ポリソムノグラフィー)を受ける
2、歯科に紹介される
3、口腔内をチェックして、マウスピースを製作
4、就寝時に装着し、定期的に調整やメンテナンスを行う

医科との連携が前提にはなりますが、保険適用で治療可能なケースもあります。

歯科的に気をつけたいポイント

マウスピースはとても効果的ですが、長期間使うことで、
・顎関節への負担
・噛み合わせの変化
・違和感や口の乾き

といった問題が起こることも。しっかりとした診査と、使用後のフォローが大切です。

まとめ

閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、決して「ただのいびき」ではありません。放置すると心筋梗塞や脳卒中、糖尿病など全身の病気に関わってくる重大な疾患です。

でも、歯科的なアプローチで、症状の改善やQOLの向上が期待できるのも事実。

「最近、いびきがひどいって言われる…」「日中眠くて困ってる…」そんな方は、ぜひ一度、医科や歯科にご相談ください。

あなたの“眠り”を守ることが、健康な“未来”につながります。

 

引用参考文献:nico2025年6月

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「そのいびき、歯科で治るかも!」

いのちにかかわる眠りの病気

 「睡眠時無呼吸症候群」という病気をご存じですか?運転士が居眠りをして新幹線の停止位置を間違えた事故でこの病気が大きく取り上げられて以来、日本でも広く知られるようになりました。

 この睡眠時無呼吸症候群は、「いびきをかいて寝ている」と思って聞いていると、突然のどが詰まったような「クッ」あるいは「カッ」という音がして、そのあと「……」と10秒以上呼吸が止まります。その後、息苦しそうな大きないびきが再開するという、気道の閉塞が原因の深刻な病気です。

 呼吸が苦しく、眠りが浅くなるため、からだは休息を必要としているにもかかわらず、いくら寝ても休息になりません。放っておくと、いのちを縮めてしまうこともある、怖い病気なのです。

 

いびきはからだの悲鳴!

 もうひとつ、気をつけていただきたいのが「いびき」による不眠症です。いびきは、寝息に近いようなあまり問題のないものもあり、ほとんどは単なる騒音として片付けられがちです。ところがいびきの原因の正体も、程度の差こそあれ、睡眠時無呼吸症候群と同じ気道の閉塞なのです。

 「いびきをかいて寝ている」というと、グッスリと眠っているイメージがあり放置しがちですが、現実はその逆。いびきは、眠りの邪魔をするやっかいものです。

 

なぜ歯科でいびきの治療を?

 こうした不眠症は、眠れないからといって、いくら眠り薬などを処方してもらっても改善はしません。原因の根本は気道の閉塞、つまり気道が物理的に塞がれてしまうことが問題だからです。

 横になったとき、ダラリと気道のほうへ下がってしまう舌や軟口蓋がトラブルのおおもとなら、それをなんとかしないかぎり、改善は望めません。口のなかの治療、といえば、歯科治療の領域内ですよね。というわけで、いびきが引き起こす不眠症の治療は、歯科で受けることができます。ただし、現在の健康保険制度の規定では、治療を保険診療で受けるための「診断」は、医科で受けなければなりません。

 そのため、まずは耳鼻咽喉科や呼吸器内科、睡眠センターなどに受診して保険適応を診断してもらったうえで、具体的な治療は歯科・口腔外科や専門知識のある歯科医師が行うことになります。「もしかしたら」と思うかたは、お早めに専門の医療機関に受診なさることをおすすめします。

引用参考文献:nico 2013年7月号

睡眠時無呼吸症候群!

最近よく耳にする言葉。

          “  睡眠時無呼吸症候群  ”

夜間睡眠中の呼吸・換気障害を総称で  

“  睡眠呼吸障害( sleep related breathing disorder :SRBD )

と呼ぶ中で最も頻度が高いものが、いわゆる

“  閉塞性睡眠時無呼吸症候群( obstructive sleep apnea syndorome : OSAS ) ”