先週の土曜日に障害者歯科研修の最後の講習会があり、診療を少し早く終了して宮崎に行ってきました。
1回目はこれからの障害者歯科診療や宮崎県の障害者歯科の現状についてで
2回目は開業医と障害者歯科診療、開業医と在宅歯科診療、
3回目は障害児の歯科診療
とあって、いずれもこれから必要な分野で、特に3回目などは
泣くお子さんの診療にも役立つお話しなどでした。
そして、4回目の今回は高齢者の摂食・嚥下障害の評価と訓練について。
現在では、少しでも誤嚥(食道ではなく、食べものが気管に入ってしまうこと)などがあると、経口栄養ではなく胃からの経管摂取になったりして、他の機能が低下していく方が多いという現実があります。
もちろん、摂食・嚥下障害があると
①、誤嚥性肺炎や窒息
②、脱水・低栄養
③、食べる楽しみの喪失
などの問題もあるため、無理に経口摂取とはいかないかもしれませんが、ただ一律にダメというのではなく、その方の状況
Ⅰ.意思の疎通はできるか?
Ⅱ.深呼吸ができるか?
Ⅲ.異常にやせていないか?
Ⅳ.異常な円背(腰の曲がり)はないか?
Ⅴ.首は普通に動くか?
Ⅵ.声は普通にでるか?
Ⅶ.普通にしゃべれるか?
Ⅷ.流涎(よだれ)や痰(たん)はないか?
Ⅸ.口は普通にきれいか?
などのいろいろな機能から総合的に判断されるべきである、という考えで、もっともなことですが、現実はそうではないようで。。。
で、ここで内視鏡を使用して口腔内で食べものがどういう風に嚥下されるかということを実演でみたのですが、健康な自分たちでも誤嚥する可能性は十分にあり、また各個人によって嚥下の機能もさまざまだと感じました。
また首の位置や背中の丸め方、舌の使い方によっては普段意識なく、
“ 食べものを飲み込む ”
という当たり前の行為がこんなにも難しくなるのか?と考えさせられました。
これからのさらなる高齢化社会では、この摂食・嚥下障害というのは重要な問題であるのと、これからはチームで歯科医師(会)や一般の施設とのさらなる連携が必要だと強く感じました。
勤務している時には、あまり考えていなかった領域なのですが、開業してからは、歯科医師会での公衆衛生委員で口腔ケアの仕事なども担当するようになり、少しずつ興味がわくと同時に、重要課題だと考えます。
通常の診療以外の、今回の障害者や高齢者の方たちの診療も少しずつでもこれからの診療に活かしていきますので、応援よろしくお願いいたします。^^