歯がなくなるとどうなるの?

まず、日本人の平均寿命って世界一なのはよく知られていることですが、80歳での平均の歯の数は約10本と歯の寿命はあまり長くはないのです。

最近では、寿命が長ければいいというものではなく、健康に長生きする、QOL(生活の質)の高い老後を過ごすことが大事だと言われるようになってきました。

健康で長生きするためには、多くの歯がそろっていることが根源的な条件とも考えられます。

歯がなくなってしまうと、歯並びにはさまざまな変化が起こってしまいます。

それは、たとえ1本の歯でも失うと、互いに連続していたバランスが悪くなり歯が動き始める(傾いてくる)ので、食べた後の食物が挟まって停滞しやすくなり、その結果むし歯や歯周病にもなりやすい環境になってしまいます。

さらに前後だけでなく、上下にも歯は動いてきて噛み合わせも変化してきます。

これらの変化は緩やかに長い年月をかけて起こるため、無自覚に過ごしてしまい油断してしまうのです。

つまり、痛みがなく、噛むことの機能にはそれほど不便さを感じないため変化に気付かないのです。

歯を失った側では噛みにくいので、自然と歯のそろっている反対側で噛む様になってきますが、これは噛みやすい側を顎が判断しているのです。
歯をさらに失っていくと最後には顎を動かしながら、最も食べやすい場所を探すようになるので、顎の関節や周囲の筋肉にも無理がきて下顎の位置が偏位することもあるのです。

そうなると、口腔内だけでの症状にはおさまらずに、その顎のバランスを修正するために、首・肩・腰の位置にも影響したりして全身的にも影響を及ぼしてきます。


1本の歯を失っても、あまり不便は感じないと思いますが、今までの噛み合わせが変化しないようにするためには、何らかの処置を早めにすることをお勧めいたします。


分からないことなどは、納得いくまで担当の先生とお話ししてみると、方法は1つではないので何らかの解決方法が見つかると思います。まずはご相談下さい。