よく質問されるのが、矯正っていつから始めたらいいのでしょうか? というものです。
まず、乳歯の段階では経過を見る場合が多いですが、この段階でも早期治療が必要になるのが、
①.反対咬合(はんたいこうごう)・・・いわゆる受け口の場合
②.顎偏位(がくへんい)・・・上下の真ん中が合わずに顎が左右どちらかにずれているために、奥歯が左右どちらか反対咬合になっている場合
などで、永久歯の交換まで経過をみても、そのままで改善する可能性は10%以下といわれています。
もちろん、①の乳歯の反対咬合などの場合は改善しても、骨格型の場合(原因が顎の成長による場合)などでは、永久歯で再度反対咬合になる可能性もありますが、何もしないで経過をみるよりは、明らかに予後はいいといえます。
また、②の場合などは、経過をみた場合には、極端にいえば左右の顎に成長差ができてしまい、顔付きも左右非対称になる可能性も高くなってしまいます。
この大きく2つ以外では乳歯列の時期(1歳~6歳くらいまで)は経過をみる場合が多いですが、明らかに永久歯の歯がはえてくるスペースがない場合には、お子さんの治療協力度を考えて、早くから歯が生えてくるスペース作りのために
“ 側方拡大床装置 (そくほうかくだいしょうそうち)”
という取り外し式の装置をはめる場合もあります。
( ※ 画像1が上で2が下の装置の1例です。 )
1番大事なのは、乳歯から永久歯へのはえかわり時にチェックするのが最適です。
まずは
『 前歯のはえかわる幼稚園の年長~小学2年生ころ 』
で、このころは乳歯の1番奥から噛み合わせにもとても重要な6歳臼歯の永久歯もはえてきます。
この時期に上下4本ずつの前歯がきちんとスペースにはまっていれば、
(あとから交換する乳歯の3本分のスペースと永久歯の3本分のスペースではわずかながら乳歯の方が大きい場合が多いので)
問題なく永久歯への交換がスムーズにいく可能性が高くなります。
いいかえると、この時期のうちに問題を少しずつでも改善できると、永久臼歯(えいきゅうしのおくば)がすべてはえそろってからの処置が最小限で済むため、負担も軽くなります。
ここが通常での矯正の治療開始時期の最適期
なので、少しでも気になる点などがありましたら、この時期までに一度相談してみるのがいいと思います。
次にチェックするのは
『 犬歯~奥歯がはえかわる小学4年~中学1年のころ 』
で、ここで6歳臼歯のさらに奥から最後の奥歯がはえてきて、永久歯列の完成になります。
ここで、前歯がはえかわる時に部分矯正をしたお子さんなども最終的に歯の整列が必要かの最終判断をしていきます。
これ以降は歯のはえかわりなどもないため、極端にいえば大人になってから治療するのとあまり変わらない処置が必要になる場合(永久歯の抜歯など)が多いです。
つまり矯正の場合、早い時期であれば永久歯を抜歯しないですむという選択肢もあるのですが、年齢を重ねるだけ治療の選択肢が抜歯してからの処置しかないetc.だいぶ限定されてしまいます。
そのためにも、お子さんの定期健診ではむし歯だけでなく、噛み合わせの経過をみるために、はえかわりなどがない時期は6ヶ月ごとくらいですが、はえかわりの時期では3~4ヵ月ごとの定期健診受診をおすすめしています。
もちろん個人差も大きいですので、分からないことなどは遠慮されずにご質問下さい^^
まだまだ、書き足りないですが。。。“