よく予防で “ フッ素 ” という言葉が出てきますが、
実は2種類存在するのです。
フッ素はエナメル質表層付近の領域(表面からの深さで0~300μm)ではたらきますが、2種類のフッ素のうち
『 フッ化ナトリウム(NaF) 』
は歯の成分であるカルシウムと結合しやすく、比較的に浅いところ(0~約50μm)で歯が酸に溶かされるのを防ぎます。
一方、 『 モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP) 』
は逆に深いところ(約50~300μm)まで浸透して、同じ効果を発揮するのです。
この2つのフッ素の効果の違いが、2段階の歯をむし歯から守れるということなのです。
今までにむし歯の治療を受けた歯や、初期むし歯には深いところで作用するMFPが作用し、また現在はむし歯ではない健康な状態で、今後もしっかり予防していきたい歯には浅いところからコートしてくれるNaFが作用するのです。
つまり、2つのフッ素ですべての歯に対して、むし歯を予防し進行を食い止めることができるのです。
最後に、むし歯予防に有効な300ppm以上のフッ素濃度を2分間保つためには、900ppm前後配合されている歯磨剤では1g以上の量(ブラシ部分が2cmの大きさの歯ブラシでは約3分の2の量)が必要になります。
むし歯になりやすい奥歯から磨き始めるのもフッ素を生かすコツで、フッ化カルシウム(CaF2)やプラークの中のフッ素はすすぎすぎると流れてしまうので、すすぎは少なめにするといいです。
今回の2つのフッ素については、日本歯科医師会の広報誌の日歯広報を参考にさせていただき記載しています。
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