“ プラーク ”
『 歯の表面に付着した細菌およびその産物の集塊 』
つまり
『 お口の中の細菌と細菌が出す物質が集まったもの 』
これが “ プラーク ” の正体です。
また、 “ コントロール ” は
『 制御すること、統制すること、管理 』
なので “ プラークコントロール ”
とは、
『 お口の中の細菌とその産物を何らかの方法で制御すること 』
といえます。
逆に言えば、歯磨きをしなかったり、上手に磨けていないと歯の表面にたくさんの細菌が付着します。
その中のミュータンス菌が増えると、砂糖を利用しながらネバネバした物質をだしてお口の中は酸性の状態になり、長時間酸にさらされた歯の表面は溶けてしまいます(脱灰;だっかい)。
これが 『 むしば 』 の始まりです。
また、歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)に細菌が増殖すると歯周病菌が増えます。多くの歯周病菌は酸素が嫌いなので、酸素の少ない歯周ポケットが大好きなのです。そこにこれらの細菌の毒素や酵素といった産物が歯ぐきに炎症を起こして、歯を支える骨まで溶かしてしまいます。
これが 『 歯周病;ししゅうびょう 』 で、症状としては、歯ぐきからの出血をはじめ、歯ぐきから膿(うみ)が出たり、歯がグラグラしたりします。
『 むしば 』 も 『 歯周病 』 も感染症なのです。
ある調査では、日本人の歯の歯を失う原因で
・ 32%が むしば
・ 42%が 歯周病;ししゅうびょう
・ 11%が 歯の破折
* あとは矯正や親知らずなどの意識的な抜歯だそうです。
このようにむしばや歯周病になる前はもちろん、これらが原因で歯を失う前、治療後のメインテナンスとしても
“ プラークコントロール ”
はとても大事なのです。
お口の状態は全身の健康にも大きく影響することがわかってきていますが、最近では
・脳梗塞(のうこうそく)の人は健康な人よりも歯周病菌が多い
・歯石除去で脳梗塞や心筋梗塞など心血管系の病気のリスクが低下し、歯石除去の頻度が高いとさらにそのリスクが低下する
などという報告があります。
毎日の 『 セルフケアでのプラークコントロール 』 とともに歯医者さんで行う 『 プロフェッショナルケアでのプラークコントロール 』 も大切にしていきたいものです。^^
( この記事は 『 月刊 糖尿病ライフ さかん 6月号 』 を参考にまとめてあります。 )