治療する個所を何十倍にも拡大して見ることができる歯科の最先端装置「マイクロスコープ」(歯科用顕微鏡)。この装置は、歯科医療者にとって「よく見える」だけでなく、患者さんにとっても治療が「よくわかる」ようになるメリットがあります。
マイクロスコープでより精密に!
マイクロスコープがもっとも活躍するのが歯の根の治療です。むし歯が広がり歯の内部の神経にまで及んだ場合、痛みをなくすにはむし歯部分はもとより、細菌感染を起こした神経を取り除く必要があります。
しかし神経は、「根管」という直径1ミリ以下の管の中に詰まっています。根管がどこにあるのか、何本あるのか、きれいに感染部分が除去できているのか。それらを確認する際に、マイクロスコープの拡大視野が大きな力になります。
また、肉眼で見えにくく、レントゲンにもほぼ写らない極小のむし歯やヒビ割れを見つけるうえでも活用されています。
メインテナンスにマイクロスコープを利用している歯科医院では、歯石除去の際に歯科衛生士が使用していることもあります。高精度に見えることで、より精密な治療ができるのですね。
「治療の価値」がよくわかります!
マイクロスコープのレンズをとおした映像は、外付け、あるいは内蔵のカメラで録画できます。そのため、治療中に必要なシーンを録画し、治療後に映像を患者さんに見ていただくことが可能です。それにはどんなメリットがあるかというと・・・。
①歯医者さんと同じ視界で見られる!
歯科医療者が見ているのと同じ拡大映像を、患者さんも見ることができます。ご自分の歯や歯ぐきをこれほど鮮明に見る機会は、ほかにはありえません。最初に目にしたときは、きっと感動されると思います。
②どんな治療をしてくれたかがよくわかる!
歯科医療者がどんな治療を行ったかも、録画した映像で見ることができます。 言葉での説明では理解しにくい複雑な治療内容も一目瞭然。どんなふうに器具を動かしているのかもわかります。
③みがけていないところがよくわかる!
プラークや歯石が溜まりがちな、むし歯や歯周病のリスクの高いところを確認していただく際にも役立ちます。手鏡で見るより大きく見やすいです。
拡大して見られるマイクロスコープ。治療が「よくわかる」ようになることが歯医者さんへの信頼につながり、歯科受診が楽しくなればうれしいです。
引用参考文献:nico2022年2月