気になる歯石、自分で取っても大丈夫?

 

こんにちは、院長の葉です。
6月に入り雨模様が続くこの時期は、
なんとなく気分がすぐれない日も
あるかもしれません。

 

そんな気だるさから、
普段は当たり前に行っている習慣を
疎かにしてしまうと、
健康状態が悪化するリスクを
招くことがあります。

 

そのリスクのひとつが「歯石」です。

 

日々の歯みがきが不十分だと
歯に付着した歯垢(プラーク)が
やがて歯石となり、
色々な害を引き起こします。

 

中には
「歯石を自分で取り除いている」
という人もいるかもしれませんが、
この行為は効果が無く、
むしろ危険を伴うため注意が必要です!

 

 

 

 

◆毒性があるのは歯石ではなく、
 歯石につく◯◯!

 

歯石とは、
歯の周囲に溜まった
細菌の塊である歯垢(プラーク)が
だ液に含まれるミネラル成分によって
石のように硬くなり、蓄積したものです。

 

歯石には大きく分けて、
目に見える黄白色の
「歯肉縁上歯石(しにくえんじょうしせき)」と、
歯ぐきの下に隠れている、黒っぽい
「歯肉縁下歯石(しにくえんかしせき)」があります。

 

 

 

この歯石自体に毒性はありませんが、
お口の健康のためには
取り除くことが必須です。

 

その理由は、
ざらざらした歯石の表面が
細菌の繁殖にはうってつけの環境であり、
この細菌が、歯や歯ぐきに
悪影響を及ぼしてしまうからです。

 

 

 

 

◆歯石を放置するとこんなことが…!

 

細菌だらけの歯石を
除去しないまま放置すると、
やがて歯周病が悪化する
原因となります。

 

 

 

歯石の表面の凹凸に入り込んでいる細菌は、
通常の歯みがきでは完全に除去できません。

 

その結果、歯石がついた周囲の歯ぐきで
炎症が起こって腫れてしまい、
歯と歯ぐきの間のみぞ(歯周ポケット)が深くなります。

 

この環境下で歯周病菌が増えることで、
歯周病が悪化していきます。

 

さらに、歯周病菌は
悪臭を伴うガスを放つため、
口臭も強くなってしまいます。

 

これらを回避するためには、
細菌のすみかとなる歯石を
早めに取り除くことが肝心です。

 

 

 

 

◆絶対やめた方がいい…
 自分で歯石を取る危険性とは?

 

歯石を早く取ったほうがいい、となると、
「自分で歯石を取ってしまおう!」
と考える人もいるかもしれません。

 

しかし、自分で歯石を取ろうとすると
歯や歯ぐきを傷つけることになり、
歯石を全て取ることも不可能です。

 

また、取り残された歯石に付着した細菌は、
変わらず毒素を出し続けるため、
歯周病や口臭が確実に悪化します。

 

このように逆効果にしかならないため、
自分で歯石を除去する
メリットはありません。

 

 

 

これらの理由から、
歯石を自分で取ることは絶対に避けましょう。

 

 

 

 

◆歯石の害、どうしたら食い止められる?

 

歯石への最善の対処法、
それはズバリ、
「定期的に歯科医院で取ってもらうこと」です。

 

歯石は一度取った後も、
お口の中のプラークが再び歯石となり、
繰り返し付着してしまいます。

 

そのため、一般的には
3~6か月に一度のペースで
定期的に歯石取りに通い、
きれいな状態を保つことをおすすめします。

 

お口の悩みのタネとなる歯石を
歯科医院で安全かつきれいに取り除き、
健康な歯ぐきを維持していきましょう!

 

 

 

医療法人社団 ハートデンタルクリニック
〒885-0031
宮崎県都城市天神町19街区21号
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歯周病になったらどうやって治療していくの?

3月号の特集では、「歯周病の治療の流れ」を、ステップごとにまとめています。くわえて、歯周病はなぜ傷みなく進行するのか。意外と知られていない、その仕組みも解説しています。

 手足を何かに強くぶつけて腫れると、ズキズキと痛みます。その仕組みは、次のようになっています。

①心臓から血液が送り込まれたとき、ぶつけたところに白血球などを含む体液が急激に分泌される。

②その液体が、水圧のように内部の圧力を高める。

③それにより神経が圧迫刺激され、ズキッと痛む。しかし歯周病になっている歯茎の場合、歯周ポケットの傷口(潰瘍面)から、血液とともに体液が出ていきます(①)。そのため内圧あ高まらず神経を圧迫しないので(②)、痛くないのです(③)。

 

引用参考文献:nico2024年3月

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「マスクを外した時も」口元で変わる見た目の印象

 

こんにちは。院長の葉です。

 

3月は新生活への準備が始まる時期。
新しい出会いや挑戦に胸を躍らせる一方で、
初対面の人たちとの交流に
不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

 

そんな皆さんに、
新生活の準備としておすすめしたいのが
「お口のメインテナンス」です。

 

今回は口元が相手に与える印象と、
その改善方法についてご紹介していきます。

 

 

 

 

◆「笑顔」と「白い歯」で
 第一印象をアップ!

 

「他人がマスクを外したとき、
外す前と印象のギャップを感じた」
このようなシーンは、コロナ禍において
多くの方が経験されたことでしょう。
このことは、口元の印象が
いかに大きな影響を与えるかを物語っています。

 

では、口元のどこで人の印象が変わるのでしょうか。
これについては、次のような興味深いデータがあります。

 

大手生活用品メーカー「ライオン」が
実施したアンケートによると、
対象となった女性400人のうち、
約9割が第一印象の良い人を
「笑顔の素敵な人」と回答しています。

 

さらに、「歯の白さが人に与える印象」に関する調査では、
同一人物でも歯が白いほうがより親しみやすく、
清潔な印象を与えることが明らかとなりました。

同調査ではさらに、
白い歯が「若々しい」「肌がきれい」といった
イメージアップにつながることも示されています。

 

これらのデータからも、
口元が人の第一印象に大きな影響を与えること、
さらに自信に満ちた笑顔や白い歯が
好印象を与えることがわかります。

 

 

 

 

 

◆まだ間に合う?
 歯科でできるお口のメインテナンス

 

とはいえ、
「これから歯科に通って、
どの程度改善できるのだろう」
疑問を持たれる方も
いらっしゃるかと思います。

 

実際には効果に個人差はあるものの、
歯科のケアを受けることで
さまざまな改善が期待できます。

 

たとえば、歯の黄ばみや汚れが気になる場合は、
歯科のクリーニングで
プラークや歯石、着色汚れなどを取り除いて、
歯がもつ本来の白さとツヤを
取り戻すことが可能です。

 

また、むし歯による歯の変色も、
歯科治療によって改善することができます。

 

 

 

これに加えて、
意外と見落とされがちな
「歯ぐき」のケアも重要です。

本来の健康的な歯ぐきは
ピンク色をしています。

白い歯を引き立て、
華やかな印象を与えてくれますが、
歯周病になると赤く腫れてしまい、
見た目の印象も変わってしまいます。

 

健康的なお口を維持するためにも、
こうした「見た目の異変」に気づいた際には
早めの受診をおすすめします。

 

 

 

 

◆お口のメインテナンスで
 新たな出会いに笑顔と自信を

 

マスクを外す機会が増えるなか、
自分の口元に自信がなく、
新たな出会いに不安を感じている方も
少なくありません。

 

当院では、
そういった皆さんのために
一人ひとりの
お口の状態に合わせて
さまざまなサポートを行っています。

 

 

 

「口元の印象を改善したい!」
などお悩みの方は、
いつでもお気兼ねなくご相談ください。

 

春の新しい門出を前に、
自信の持てる口元・笑顔を
私たちと一緒に目指していきましょう。

 

 

 

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毎日歯みがきしてたのに・・・なんで私が歯周病に?

2月号の特集では「歯周病の原因」を解説します。それはたとえば・・・

歯周病の一番の原因は、長いあいだみがき残されたプラーク(細菌のかたまり)です。

「毎日しっかり歯みがきしていたはずなのに歯周病になってしまった」というかたは、歯ブラシの毛先が当たっていないところがあったのかもしれません。

みがき残されたプラークは、時間とともに成熟しその攻撃力を高めていきます。

プラークを成熟させないためには、歯科医院であなたんい合った、より質の高いセルフケアの仕方を教えてもらうのと、自分では取り切れないプラークを定期的に除去してもらうことがっ大切です。

 

引用参考文献:nico2024年2月

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歯周病治療で糖尿病が改善!?その理由とは

 

こんにちは。院長の葉です。
毎年11月14日は
糖尿病の認知・注意喚起を目的とした
「世界糖尿病デー」というイベントが
開催されています。

 

この日の前後には、
シンボルカラーの「ブルー」にちなみ、
日本全国のさまざまな施設で、
青色のライトアップイベントが開催されます。

 

もし、お出かけしたときには
青く照らされた施設がないか
探してみてくださいね。

 

 

さて、そんな糖尿病が
歯周病と関係が深い病気と言われているのを
ご存じでしょうか。
実際に、歯周病の人はそうでない人よりも
糖尿病になる割合が約2倍も高い
というデータもあり、
その関連が明らかになっています。

 

自覚症状のない人も含めると、
歯周病にかかっている人の割合は、
成人の約8割とも。

 

つまり、まだ表面化していない
「糖尿病予備軍」も、
かなりの割合で存在することが予想されます。

 

その糖尿病予備軍からの脱却に
歯周病治療が一役買ってくれることが、
近年の研究で明らかになってきました。

 

今回は、歯周病治療が
糖尿病にもたらす効果について
ご紹介していきます。

 

 

 

 

◆歯周病で「血糖値が上がる」って本当?

 

糖尿病はインスリンという
ホルモンの働きが悪くなり、
「血糖値」が上昇してしまう病気です。

 

実は、歯周病が進行すると、
血糖値が上がりやすくなることが
わかっています。

 

歯ぐきの腫れや出血を起こす物質には
「インスリン」の働きを悪くする性質があり、
それが結果的に、糖尿病の発症や悪化へと
つながってしまうのです。

 

 

 

 

 

◆歯周病を治療すると
血糖値が改善することが明らかに!

 

「歯周病で血糖値が上がる」
というのが正しいとすると、
おのずと浮かぶのは
「歯周病を治療すれば血糖値を下げられるのでは?」
という疑問です。

 

この疑問について
これまで多くの研究者がデータを積み重ねた結果、
歯周病治療が
血糖コントロールや糖尿病の改善に良い作用を
もたらすことが実証されてきました。

 

 

 

これらの研究結果を受け、
今では日本糖尿病学会でも
糖尿病の患者さんに歯周病の治療や
再発予防のための
歯科への定期的な受診を薦めています。

 

 

 

 

◆健康診断を受けたら、次は歯科へ

 

歯周病と糖尿病は
いずれも痛みや自覚症状がなく、
知らず知らずのうちに進行するのが特徴です。

 

 

 

 

「沈黙の病」といわれる
この2つの病気は、
いかに早く見つけて治療につなげるかが、
その後の病状や重症度を大きく左右します。

 

糖尿病に関しては
年1回の健康診断で
チェックを受ける機会もある一方で、
歯周病については、
自身の状況を詳しく知る機会が
それほど多くありません。

 

お口の健康を守るためにも、
健康診断で「血糖値」の文字を見たら、
ぜひ、歯周病のことも思い出して、
歯科医院にも足を運んでください。

 

 

 

医療法人社団 ハートデンタルクリニック
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新型ウイルスへの防御力、上げましょう!お口からはじめる感染症対策!

新型コロナウイルスという新たな脅威の詳細は、まだ明らかではありません。しかし、インフルエンザウイルスと同じエンベロープ(被膜)をもつウイルス族だけに、感染の仕組みは共通していると考えられます。ですから、新型コロナウイルスから身を守るためにもっとも参考になるのは、インフルエンザの予防法でしょう。そこで、インフルエンザウイルスを例に、ウイルスがどのように私たちの体内に入り込むのかをみていきましょう。

 

ウイルスはどうやって体内に入り込む?

 ウイルスはみな、生きた細胞に入り込まないと生きられず、細胞の中でしか仲間を増やせないパラサイトです。

 ノドなどの粘膜細胞のレセプター(細胞の膜にある受容体/入口)に吸着すると、自分を包む膜と細胞の膜を一体化させてスルリと内部に侵入し、細胞の中に自分の遺伝子を放り込みます。そして乗っ取った細胞のタンパク質やエネルギーを利用して、自分の遺伝子を増殖させていくのです。

 とはいえ、粘膜細胞はそうやすやすと乗っ取られるわけではありません。ふつうは豊富な粘液で覆われているので、ウイルスがレセプターに吸着しようとしても、粘液が邪魔してなかなか吸着できないのです。

 

歯周病菌がウイルスの侵入を手引きする?!

 ただ、この粘膜による防御作用が弱くなってしまうことがあります。それにかかわっているのが、思わぬ伏兵、「歯周病菌」なのです。お口にプラークがたっぷりあり、歯周病菌が跋扈していると、歯周病菌の出す毒素が粘膜の層を溶かして壊します。するとウイルスの標的である粘膜細胞のレセプターが丸見えになり、吸着が容易になってしまう。つまり歯周病菌が、ウイルスがすばやく体内へ侵入できるよう手引きするのです。

 歯周病菌とウイルス感染のかかわりは、これだけではありません。歯周病菌の出す毒素が、ウイルスのもつ「細胞の入口を開ける鍵」をパワーアップさせてしまうこともわかっています。

 お口の中で歯周病菌が増える原因は、お手入れ不足です。歯みがきを怠ってプラーク(細菌のかたまり)が溜まったり、歯周病菌の巣になった歯石を放置していたりすると、歯周病が起きてしまいます。

 感染症から身を守るには、マスクに手洗い、うがい、体調管理と3密を避けること。これに加え、「ふだんからお口の中を清潔にして歯周病を予防すること」とおぼえてください。そのためには、歯科医院への定期受診もお忘れなく!

引用参考文献:nico 2020年7月

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歯周病が進行したその歯 歯周組織再生療法で救えるかも。

 歯周病が進行すると、あごの骨をはじめ、歯のまわりの組織が失われていきます。そうなると歯を支える組織が減ってしまうため、歯の寿命にも影響が及びます。そんなときに歯を救う助けとなり得るのが「歯周組織再生療法」(以下、再生療法)という治療法です。

 

再生させるのは骨だけじゃない。

 歯を支えているのはあごの骨だけではありません。歯の根の表面にある「セメント質」や、セメント質とあごの骨のあいだにある「歯根膜」が、歯と骨を結びつけているのです。再生療法はこれらの組織を再生させることを目的とします。

 再生療法では、歯の根のまわりの組織が失われた部分に特殊な再生材料を入れるなどして再生を促します。

 歯ぐきを切り開いて歯の根を露出させ、プラークや歯石を除去してから、再生材料を充填。それから歯ぐきを元通りの位置に戻して縫合します。歯の根のまわりにはほとんど血餅ができますが、この血餅がとても重要で、これが歯を支える組織––––歯根膜やセメント質、あごの骨の変化していくのです。

 

治療の手法はいろいろあります。

 再生療法には、「エムドゲイン®ゲル」や「リグロス®」といったジェル状の材料のほか、お口の中のほかの場所から採取した骨、人口の骨補填剤(ウシやブタなどに由来)、薄い膜状の材料などが用いられます。

 とはいえ、再生療法はどんな状態の欠損でも再生できるわけではなく、欠損の範囲が広いと十分に再生できないこともあります。そのようなときには、上記の手法を組み合わせるなどして治療を行います。

 

治療を行なった後は、約2週間後に縫合したところを抜歯し、経過観察を続けて8〜9か月後に組織の再生を確認します。

 抜歯までは、治療した歯では噛まないように。また、歯ブラシを当てるのもNGです。治療した歯とそのまわりは、殺菌作用のある洗口液でケアをしましょう。歯みがきができないぶん歯科でクリーニングをしますので、週に2回は必ずご来院ください。

 抜歯後は、毛先のやわらかい歯ブラシで歯みがきを再開します。その後は1週間に1回、数週間に1回と来院していただく間隔を伸ばしながら、治療したところのチェックとクリーニングを繰り返します。

 8〜9か月たって、無事歯を支える組織の再生が確認できたら、治療を行なった歯を長くもたせるために、その後も歯科のメインテナンスに通ってくださいね。

引用参考文献:nico 2019年11月号

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お口に悪いだけじゃないんです。歯周病とからだの病気

 「お口の病気である歯周病がからだの病気に関係する」という話は、みなさんも耳にしたことがあるでしょう。今月は、特に関連性が高いと考えられている病気について、進行した歯周病がどのようにかかわっているかを、現在想定されているパターンをもとにご説明します。

 

歯周病菌が脳梗塞や心筋梗塞を起こす?!

 歯周病が進行すると、腫れて出血した歯ぐきから歯周病菌が体内に侵入します。血流に乗った歯周病菌は、血管の内壁に入り込み、死んだあとにおかゆのようなかたまりとなります。すると、コレステロールが血管に沈着して動脈硬化を起こすように、かたまりとなった歯周病菌が血管を狭くし、血流を阻害するのです。これが脳の血管で起これば脳梗塞、心臓の弁で起これば心筋梗塞を起こしかねません。

 

歯周病の炎症が糖尿病を悪化させる?

 糖尿病は、すい臓から分泌されるインスリンの働きが悪くなり、血糖の濃度(血糖値)が慢性的に高いままになってしまう病気です。歯周病に侵された歯ぐきでは、炎症が起こっていますが、進行した歯周病の場合、歯ぐきから「炎症性物質」がからだに入り込み、血糖値を低下させるインスリンの働きを邪魔します。その結果、糖尿病が悪化すると考えられています。

 

お口の細菌たちが誤嚥性肺炎の原因に!

 誤嚥性肺炎は、本来は胃に入る食物や唾液が、誤って気管から肺に入ってしまうことが原因です。肺の中で食物や唾液に含まれていた細菌やウイルスが増殖し、肺炎を起こします。歯周病になっていてお口の中に細菌が多い状態だと、肺に入り込む細菌の量も必然的に多くなります。

 

歯周病が早産や低体重児出産を招く?!

 歯周病による炎症性物質の増加は、妊娠中の母親のからだに作用し、子宮の収縮を引き起こす恐れがあります。子宮の筋肉が収縮した結果、赤ちゃんが押し出されて予定より早く生まれてしまうのです。また、歯周病菌が子宮内部に感染して早産を促す可能性も指摘されています。

 炎症が起きている歯ぐきは傷口と同じで、歯周病菌が体内に流れ込む入口になります。「歯ぐきから血が出る」という方はできるだけ早く歯科で治療を。炎症のもとであるプラークと、プラークがたまる足場となる歯石が除去されれば、炎症は徐々に治まります。

 

 今は異常はないと感じている方も油断は禁物。少なくとも半年に1回は、歯科でメインテナンスを受けてくださいね。

引用参考文献:nico 2019年8月号

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カギは歯みがきとメインテナンス!HOW TO 歯周病の治療&予防

 

歯周病を治す“主役”はあなたです!

 歯周病の原因は、歯と歯ぐきの境目にたまる「プラーク」という細菌のかたまり。この中に潜む歯周病菌が出す毒素が、歯の周りの組織に炎症を起こします。炎症で歯を支える骨が失われると、ついには歯がグラグラになってしまいます。

 プラークは毎日お口の中にたまります。歯科医院で徹底的にプラークを取り除いても、明日になれば、またたまります。プラークを毎日取り除けるのは「あなたご自身の歯みがき」だけ。つまり、「患者さんの歯みがき=プラーク除去」こそ、歯周病の治療であり予防なのです。

 

治療はなぜ歯みがき指導から?

 歯周病の治療といえば歯科による歯石除去。でもその前に欠かせないのが、歯みがき指導です。歯ブラシの正しい当て方をマスターする前に歯石を取っても、再びプラークがたまって歯石になってしまうので、元の木阿弥になります。

 プラークが歯みがきでしっかり落とせるようになり、歯ぐきの腫れが治まると、歯石を除去するときの痛みや出血も少なくなります。

 

炎症の原因、プラークを歯石ごと除去!

 歯石とは、プラークの中にいる細菌の死骸や唾液中のカルシウムが固まった軽石状の付着物で、歯の見えるところだけでなく、歯周ポケットの奥深くにもつきます。

 歯石自体には毒性はないのですが、問題はこの中にベタベタ入り込むプラーク。歯石は歯に固くこびりつき、歯みがきでは取れません。歯石ごと取り除かないかぎりプラークは温存され、歯周病の炎症の原因を取り去ることはできないのです。

 深くなった歯周ポケットの奥にある歯石を取るには、専門的で高度なテクニックが必要。歯科の手技の出番です。何回か通って、歯石除去を受けていただきます。

 

再発予防にはメインテナンスが必須!

 治療がひと区切りしたからといって、「もうプラークをほったらかしでOK!」とはいきません。それでは炎症が再発してしまいます。炎症のない爽快なお口を維持していくためにおすすめなのが、歯科での「メインテナンス」です。

 メインテナンスでは、歯みがきへのモチベーションを取り戻し、再発しやすい要注意ポイントをあらためて確認し、取りにくい細部のプラークもすっかりお掃除できた状態で、気持ちよくお帰りいただきます。

 治療がひと区切りしたら、再発防止のためにぜひ定期的なメインテナンスを!

引用参考文献:nico 2019年3月号

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「歯を救う最後の切り札。歯周外科治療を知りたい!」

歯周外科治療が必要な場合って?

 歯周病は、お口の中にいる歯周病菌が炎症を引き起こす病気です。初期症状としては歯ぐきの腫れに留まるのですが、進行すると歯を支えている骨が溶けて失われ、歯がグラグラしたり、最悪の場合は抜けてしまいます。また、近年は成人病と歯周病菌との密接な関係も明らかになっています。

 歯周病の治療でもっとも重要なのは、炎症の原因である歯周病菌をしっかりと取り除くこと。

 歯周病がそれほど進行していなければ、歯石除去やブラッシングなど、簡単な処置で骨の喪失を止めることができます。しかし、進行した歯周病ともなると、プラークにまみれた歯石が歯周ポケットの奥深くまで入り込み、除去したくてもスケーラーでは届かないところが出てきます。汚れが残れば炎症はなくならず、骨の喪失を含む病気の進行を止めることはできません。

 そこで必要になるのが歯周外科治療です。歯ぐきを開いてプラークや歯石を確実に取り除き、深い歯周ポケットを浅くして再発しにくくします。歯を少しでも多く残すための最後の切り札、それが歯周外科治療なのです。

再生療法がお役に立ちます!

 歯周外科治療は、確実性の高い治療として、近年画期的な進化を遂げてきました。なかでも再生療法の進化は目覚ましく、深いポケットの原因となる骨のくぼみを平均75%程度まで改善し、歯を支える構造を増やすことによって、重症な歯をよみがえらせ、長期的に維持するための治療法として、多くの患者さんのお役に立っています。

 また再生療法は、歯を残したい患者さんだけでなく、歯周病で骨が減り歯を失った患者さんがインプラントをご希望になる際にも大活躍しています。

定期的なメインテナンスで治療長持ち!

 成人の約8割のお口の中で、なんらかの歯周病が進行しているといわれるなか、「病気によって失われたものを再建する」治療をはじめる際に、炎症のコントロールが全く必要ないという方は、まれなのではないかと思います。

 歯周外科治療は、歯周病によって歯を失ったという方にとっては、残った歯を救うとともに、失われた歯の再建をする際にも、欠くことのできない治療です。私たちといっしょにしっかりと炎症を止め。セルフケアと定期的なメインテナンスで炎症の再発を防いで、ご自身の大切な歯と、治療して再建した歯を守っていきましょう。

引用参考文献:nico 2016年3月号