奥歯がないと糖質過多に?!噛めるお口で減らす 糖と脂肪のおはなし。

★奥歯を失ったままだと太りやすい?!

 奥歯を失って、不便に感じながらもいつの間にか慣れてしまい、治療を先延ばししている患者さんをときどきお見受けします。ですがこの「慣れ」こそ怖いのです。

 奥歯を失うと、咀嚼機能が低下します。すると、ラーメンやカレーライス、スナック菓子といった、軟らかくて食べやすく、簡単に満足感を得られやすいものに手が伸びやすくなります。こうした食事はカロリーオーバーを引き起こしやすい一方、筋肉量の維持に必要な動物性タンパク質や、老化を防ぎ体調を整える抗酸化物質、ビタミン、ミネラル、食物維持などに乏しく、深刻な栄養不足をまねきやすいのです。

 奥歯を失ってから、食の好みが変わってきていませんか?糖尿病や脳梗塞、心筋梗塞などの発症リスクを減らすために、歯科治療で噛めるお口を取り戻しましょう!

 

★肉や野菜、不足していませんか?

 奥歯を失うと次第に食べにくくなるもの、その代表格が「肉と野菜」です。

 奥歯を失ってからよく噛めない状態は、本来とても強いストレスを生みます。その結果ストレスを感じずに食べられる軟らかい食事を自然と好むようになり、糖質過多、低タンパク質、低ビタミン、低ミネラルに陥ってしまう人がとても多いのです。

 タンパク質の摂取が不足すると、「サルコペニア」(骨格筋減少症)になる危険性が。これはつまずきや転倒の原因で、いま話題のフレイル(要介護状態への前段階)に直結します。くわえて、ビタミンやミネラルは、摂取したタンパク質を使って効率よく筋肉量を維持するために欠かせません。

 しっかりと栄養の摂れるお口を戻すにはどんな治療法があるのか、歯科医院でご相談いただきたいと思います。

 

★噛めるようになってからもご注意を!

 奥歯にインプラントが入ると、以前のように「よく噛めるお口」が戻ってきます。ただ、私が非常に気になっているのが、急激な体重の増加です。入れ歯やインプラントの治療を終えた患者さんに、少なからず起きてくる変化だからです。

 噛まずに流し込める軟らかい食事は、歯が入っても食べやすいことに変わりはありません。そのため、放っておくと治療後も、奥歯がなかった頃の食の好みが継続してしまいます。定着した食習慣を改善するのは難しいものですが、改善をしないとますますメタボが加速し、動脈硬化や糖尿病などを発症、または重症化させかねません。

 治療が終わってよく噛めるようになったら、歯科医院や職場の栄養相談を利用して管理栄養士などの専門家の指導を受け、からだに良い食生活に戻していきましょう。

引用参考文献:nico 2019年10号

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お口に悪いだけじゃないんです。歯周病とからだの病気

 「お口の病気である歯周病がからだの病気に関係する」という話は、みなさんも耳にしたことがあるでしょう。今月は、特に関連性が高いと考えられている病気について、進行した歯周病がどのようにかかわっているかを、現在想定されているパターンをもとにご説明します。

 

★歯周病菌が脳梗塞や心筋梗塞を起こす?!

 歯周病が進行すると、腫れて出血した歯ぐきから歯周病菌が体内に侵入します。血流に乗った歯周病菌は、血管の内壁に入り込み、死んだあとにおかゆのようなかたまりとなります。すると、コレステロールが血管に沈着して動脈硬化を起こすように、かたまりとなった歯周病菌が血管を狭くし、血流を阻害するのです。これが脳の血管で起これば脳梗塞、心臓の弁で起これば心筋梗塞を起こしかねません。

 

★歯周病の炎症が糖尿病を悪化させる?

 糖尿病は、すい臓から分泌されるインスリンの働きが悪くなり、血糖の濃度(血糖値)が慢性的に高いままになってしまう病気です。歯周病に侵された歯ぐきでは、炎症が起こっていますが、進行した歯周病の場合、歯ぐきから「炎症性物質」がからだに入り込み、血糖値を低下させるインスリンの働きを邪魔します。その結果、糖尿病が悪化すると考えられています。

 

★お口の細菌たちが誤嚥性肺炎の原因に!

 誤嚥性肺炎は、本来は胃に入る食物や唾液が、誤って気管から肺に入ってしまうことが原因です。肺の中で食物や唾液に含まれていた細菌やウイルスが増殖し、肺炎を起こします。歯周病になっていてお口の中に細菌が多い状態だと、肺に入り込む細菌の量も必然的に多くなります。

 

★歯周病が早産や低体重児出産を招く?!

 歯周病による炎症性物質の増加は、妊娠中の母親のからだに作用し、子宮の収縮を引き起こす恐れがあります。子宮の筋肉が収縮した結果、赤ちゃんが押し出されて予定より早く生まれてしまうのです。また、歯周病菌が子宮内部に感染して早産を促す可能性も指摘されています。

 炎症が起きている歯ぐきは傷口と同じで、歯周病菌が体内に流れ込む入口になります。「歯ぐきから血が出る」という方はできるだけ早く歯科で治療を。炎症のもとであるプラークと、プラークがたまる足場となる歯石が除去されれば、炎症は徐々に治まります。

 

 今は異常はないと感じている方も油断は禁物。少なくとも半年に1回は、歯科でメインテナンスを受けてくださいね。

引用参考文献:nico 2019年8月号

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歯科の治療と予防がサポートします。よく噛めるお口で目指せアクティブシニア!

 

からだに良い食事をしようと、テレビやネットで評判の食材をいろいろと試している方、多いですよね。でも、そうした食べ物を摂るために不可欠な「歯の健康」や「歯科治療」についてはいかがでしょう?

 

★噛めないとたんぱく質不足&糖質過多に!

 高齢になり歯が減って、失った歯の機能を補う歯科治療も十分に受けていないといった状態が続くと、食べられないものが徐々に増え、栄養摂取そのものに問題を抱えるようになります。

 たとえば、全体的に食が細くなったり、やわらかいものを好んで食べるようになり、食事全体に占めるご飯類や麺類の比重が増えがちに。また、手軽に満足感を得られるお菓子の間食も増える傾向があります。その結果、糖質過多になり、血糖値のコントロールが難しくなります。

 そしてさらに深刻なのが、たんぱく質不足。肉を噛み切ることが難しくなると、自然と箸が向かなくなり、知らず知らずのうちにたんぱく質不足に陥りやすいのです。たんぱく質の不足は、筋肉量の減少や、体力・免疫力の低下をまねき、ついには虚弱そして要介護状態に陥る一因となります。

 

★アクティブシニアを歯科治療が応援!

 歯を失いはじめる働き盛りの年代は、日々の忙しさに、歯科治療をとりあえずの応急処置ですませがち。ふだん歯科に定期受診をしていない方も多いと思います。

 しかし、歯を失いはじめた頃に、歯を悪くした根本的な原因を突きとめて喪失を食い止めておかないと、60代、70代と同じようなトラブルがほかの歯にも起きて、ドミノ式に歯を失うことになりかねません。

 噛めるお口は、低栄養の予防はもちろん、認知症の予防にもたいへん重要です。歯科医院に相談し、入れ歯やインプラントなどご自分に合う治療の選択肢を検討して、噛めるお口を取り戻してください。

 

★運動をプラスして筋肉量を維持しよう!

 よく噛んで食べられるお口を取り戻せたら、つぎに重要なのは「運動」です。噛めるお口を取り戻す治療は、アクティブシニアになるための土台づくりにすぎません。摂取した栄養を十二分に生かすには、からだを動かすことが大切です。必要な筋肉量を維持できるよう、ウォーキングやエクササイズを日常的に取り入れてみましょう。

 私たちの健康は、私たちが意識する以上に「噛めるか・噛めないか」の影響を受けています。アクティブシニアを目指して、働き盛りのころから歯科の治療と予防指導を受け、大切な歯を守っていきましょう。

引用参考文献:nico 2018年10月号

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お口のなかの隠れたヒーロー!「唾液」のチカラ

 お口の中の「唾液」。ほとんどの人には関心がないものでしょう。ですが唾液は、お口の健康を守るために24時間365日闘う働き者。おまけにお口だけでなく全身の健康にも、大きく影響しているんです。

★とってもスゴイ! お口への働き

①お口を清潔に保つ

 唾液には、食べかすや細菌を洗い流して、お口を清潔に保つ自浄作用があります。唾液が減ると、細菌の塊であるプラークが増えていき、むし歯や歯周病といったお口の病気になりやすくなってしまいます。

②お口の粘膜を守る

 ネバネバ成分であるムチンには、潤滑油として粘膜を保護する作用があります。唾液が減るとお口の粘膜の潤いが足らず、傷ついて口内炎などになりやすくなります。

③お口の中を中性に戻す

 お口の細菌が出す酸や、飲食物の酸により酸性に傾いたお口の中のpHを、もとの中性に戻します。

④歯を補修する

 唾液中に溶け出した歯の成分は、時間をかけて唾液から歯に戻り、歯が補修されていきます(再石灰化)。

⑤細菌感染から守る

 唾液の自浄作用と、唾液中の抗菌物質lgA(免疫グロブリン)、ラクトフェリンなどが、むし歯菌や歯周病菌などの最近の活動を抑制します。

 ———そのほか、食べ物をまとめる、消化を助ける、味を感じさせるなど、唾液は食べるときの助けにもなります。

 

★からだにもイイコトたくさん!

①感染症を予防する

 唾液中のlgAが、細菌やウイルスがからだに侵入するのを防ぎ、風邪やインフルエンザ、肺炎などの呼吸器疾患を予防します。

②胃や食道の粘膜を保護する

 お口の粘膜を保護する成分が、同じように食道の粘膜も保護します。また、唾液に含まれる成長因子は、胃の粘膜の保護や修復、胃酸の抑制に影響します。

③消化を助ける

 唾液中の消化酵素アミラーゼが食べ物の消化を助け、胃や腸の負担を軽減します。

 質の良い唾液をたくさん出すには、「よく噛んで食べること」が大切。そしてそのためには、「噛めるお口」を維持することが重要です。

 「噛めない」「噛みづらい」などのお悩みがあるならお早めに歯科医院へ。トラブルを感じていなくても、お口の健康維持のために定期的な歯科受診をおすすめします。

引用参考文献:nico 2018年6月号

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だいじょうぶかな?ちょっと気がかり。妊婦さんの歯科治療!

 「妊娠すると歯が悪くなる」とよく言われますが、これは本当のことです。妊婦さんのお口の中はつわりで歯みがきが難しくなったり、歯周病菌の好む女性ホルモンがさかんに分泌されるので、むし歯菌や歯周病菌が増えやすくなります。そのため、歯痛に悩む妊婦さんや、歯ぐきを腫らす妊婦さんは少なくありません。

 さて、そういうときに気になるのが、歯科治療で使われる麻酔薬やレントゲン。今月は、そうした妊婦さんならではの歯科治療の気がかりにお答えします。

 

★気がかり① 歯科の麻酔薬

 歯科の局所麻酔で使われているのは、お産に使われているものと同じ麻酔薬です。一般的な歯科治療でもっとも多く使われているものと麻酔薬「リドカイン」は、無痛分娩や帝王切開にも用いられ、妊婦全週で問題なく使用できるとされています。

 

★気がかり② 歯科でもらうお薬

 お薬の安全性については、お腹の赤ちゃんに実際に試してみるわけにはいかないため、確認されているお薬はありません。歯科では、比較的安全性が高いとされるお薬を、その効果が赤ちゃんへの影響を上回ると判断した場合に限り、必要最小限の処方をしています。

 

★気がかり③ レントゲンの被ばく量

 歯科のレントゲン撮影の放射線量は、歯科用デンタルレントゲン撮影1枚につき約0.008mSv(ミリシーベルト)。パノラマレントゲン撮影1枚につき約0.01mSvです。

 日本に住んでいる人が1年間に浴びる自然放射線量は約2.1mSv。デンタル1枚の放射線量はその1/262、パノラマ1枚も1/210にすぎません。

 「産婦人科診療ガイドライン産科編2014」によれば、「50mSv(=50mGy)未満の放射線量であれば、お腹の赤ちゃんへの影響と被ばく量との間に関連は認められない」とされています。ご不安な場合は、撮影時に防護エプロンを着ると、腹部の被ばく量をさらに減らせます。

 

 妊娠中でも、基本的には通常の歯科治療を受けられます。治療を躊躇すると思わぬ悪化をまねくこともあるので、症状が軽いうちに歯科医院で検査を受け、産科の主治医と相談しつつ、体調に合わせて治療を受けましょう。特に重度の歯周病の炎症は「低体重児出産(早産)」に関連するといわれています。早めに歯科に相談して、プロのサポートを得ながら大切な歯と赤ちゃんを守ってくださいね。

引用参考文献:nico 2018年5月号

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子どもの過剰歯・欠如歯 etc. をチェック!パノラマレントゲン 一度撮りましょう

 

 お子さんの永久歯の生え代わりは、うまくいくのが当たり前だと思いがちですが、じつは、外から見ているだけではわからない問題が起きてくることがあるんです。

 なかでも特に多いのが「過剰歯」と「先天性欠如歯」。ですが、これらは早期発見で歯並びや噛み合わせを守ることのできる場合も多々あります。お子さんが7歳くらいになったら、一度歯科医院でパノラマレントゲン(お口の中全体のレントゲン写真)を撮ってみませんか?

 

★30人に1人!の「過剰歯」

 「過剰歯」とは「余分な歯」のこと。親知らずを除いて本来必要な28本の永久歯のほかに、余分な歯の芽ができ、育ってしまったものをいいます。

 過剰歯の問題点は、その余分な歯が、スクスクと生えてきてほしい永久歯の道筋をさえぎったり、それだけでなく、押して傷めてしまうことです。過剰歯が見つかる場所はたいていが上あごの前歯の周りで、「前歯がなかなか生えない」「前歯の生え方が変だ」と相談に来院した際、レントゲンで発見されることが多いです。

 周りの歯の被害を防ぐには、早期発見が肝心。7歳を過ぎたら一度パノラマレントゲンを撮って、診てもらっておくと安心です。

 

★10人に1人!?の「先天性欠如歯」

 必要な本数があごの中で育たず、歯が足りない「先天性欠如歯」は10人に1人程度に見られ、けっして特殊ではありません。あわてずに、まずは治療が必要か、経過観察でよいかを、お子さんの治療に慣れた歯科医師に診てもらいましょう。

 矯正治療で対応できたり、乳歯がよい状態で残っているのなら、むし歯を予防して乳歯を大事にもたせ、経過観察をして、大人になって乳歯がダメになってからブリッジやインプラントを入れるという方法をとります。成人になっても乳歯を続けて使えるケースもめずらしくありません。

 欠如歯の治療は、将来を見越しながら進めていくことが大事。ぜひ気長にお付き合いください。

 

 「お子さんにレントゲンを」というと、放射線量が気になるかと思いますが、歯科では患者さんが最小の被ばく量で最大の利益を得られるよう適切に撮影しています。

 過剰歯や先天性欠如歯をはじめ、お子さんのお口の中は、レントゲンで診ないとわからないことがたくさんあります。お子さんのお口の健康を守るために、パノラマレントゲンをお役立てください。

引用参考文献:nico 2017年8月号

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糖尿病、高血圧 etc.持病のある方 歯科受診にもお薬手帳を忘れずに!

★「お薬手帳」は歯科でも役に立ちます。

 「歯科の受診時に『お薬手帳』を」なんて聞くと不思議に思う方もおられるかもしれませんね。からだとお口の中のことは、ともすると別物と思われがちです。しかし実際には、持病やその治療薬や歯科治療に与える影響はたいへん大きいのです。

 たとえば、血液サラサラの薬を飲んでいる患者さんが、それを歯科に知らせず抜歯を受けたら血が止まらずたいへんなことに。歯科医師が適切な配慮をし安全な治療をするには、正確な情報が必須なのです。

 ただそうは言っても、正確に伝えることは容易ではありません。病院をかけもちし、いろいろな薬を飲んでいる方も珍しくないですし、受けている治療をご自分ですべて把握しておられるとも限りません。

 そういうときに頼りになるのが「お薬手帳」。少なくとも医科で治療中の方に関しては、受けている治療、飲んでいる薬が歯科医師に正確に伝わります。

 

★歯科治療に影響する持病と薬って?

 とくに「糖尿病」と「高血圧」は歯科医療への影響大。このふたつの病気はかかっている人が多いだけでなく、血栓症、動脈硬化、腎不全などの合併症が起きるきっかけとなります。

 糖尿病の方は、歯周病の炎症が起きやすく、治りにくい傾向があります。また、手術後や抜歯後の傷が治りにくく感染しやすいです。

 糖尿病の合併症である心血管病の治療のために血液サラサラの薬(抗凝固薬、抗血小板薬)を飲んでいると、外科処置後になかなか血が止まりませんので、止血処置を念入りに行う必要があります。

 高血圧の方は、血圧のコントロールがされていないと、歯周ポケットの深いところをスケーリングしたり、歯ぐきの切開や抜歯などの外科処置をしたときに出血しやすい傾向があります。

 高血圧の合併症である心血管病の治療のために血液サラサラの薬を飲んでいると、外科処置後になかなか血が止まりません。また、血圧がコントロールできていないと、治療中に血圧が急上昇してめまいやふらつきが起きて危険なことも。

 ほかにも、骨粗しょう症の治療薬(BP剤)、リウマチやアレルギーの症状を抑えるステロイドなども治療に影響します。

 

 いまどんな持病の治療を受け、どんなお薬を飲んでいるのか、正確かつ簡単に伝えられる「お薬手帳」。皆さんの口やからだを守るために欠かせないものですので、ぜひ歯科受診の際にもお持ちください。

引用参考文献:nico 2017年3月号

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「切実だけど、なぞもいっぱい!原因不明の歯の痛み「非定型歯痛」

★歯の痛みだけど、原因は歯以外にある?

 非定型歯痛とは、歯科で調べても原因がわからず、痛み止めもほとんど効かず、耳鼻咽喉科や内科で調べても原因が不明だ、という痛みをいいます。この痛みのはっきりした原因はまだわかってはいませんが、脳の中で起きており、ストレスや心理的な葛藤の影響を受けている可能性があります。

 つらい歯痛の原因を、「歯以外に原因があるかもしれない」「メンタルが原因の可能性もある」などといわれると、なんだか問題をはぐらかされているようで、納得のいかないお気持ちになるかもしれません。でもその歯痛の原因がもしも歯以外なら、歯科治療を繰り返しても、決して治りません。原因不明の歯の痛みが続くとき、歯以外の原因も探ってみることは、原因を正確に鑑別するためのとても重要なプロセスなのです。

★歯科治療のストレスがきっかけに?!

 非定型歯痛が始まったきっかけが歯科治療だったというケースは、じつはしばしばあるのです。それには「口」という器官を扱う歯科ならではの事情が大きくかかわっています。

 口は、外界から食べ物を取り込む入口です。もしも誤って危険なものを取り込んでしまっては困るので、口には優秀なセンサーが集まっています。たとえば手や足に髪の毛が触れても、どうということはありません。しかし、口の中に髪の毛が1本でも入ったらどうでしょう?不快でたまりませんよね。口という器官は、それほど特殊な鋭敏さをもった器官なのです。

 そのうえ、口の周りには、目、鼻というセンサーもあります。こうしたさまざまなセンサーから厳しく警戒され見張られているため、歯科治療では、「不安」「不快」といった情動が本能的に働きやすく、大きなストレスになる傾向があります。

★よりよい治療のため、ご相談ください!

 患者さんの治療に関する不安を減らし、納得して治療に臨んでいただくためには、カウンセリングや治療説明についての、いっそうの努力が歯科側には求められています。それと同時に患者さんも、治療についてわからないこと、不安なことがあれば、遠慮なく歯科医院にお尋ねください。ご相談いただければ、笑気麻酔などを使用して不安感を和らげることもできます。

 十分に話し合い、納得してから治療を受けることが、治療のストレスの軽減につながります。信頼関係を築き、より良い治療にしていきましょう。

引用参考文献:nico 2016年2月号

 

「この治療を成功させたい。だから禁煙をお願いします!」

★タバコが歯にもたらす影響って?

 タバコが健康に悪いことは、みなさんよくご存知ですよね。

 お口は、毒性の強いタバコの煙に直接触れる場所。それだけに受ける被害も大きく、その影響は多岐にわたります。口腔がん、歯周病の重症化や治療・予防の効果への悪影響、外科治療後の回復の遅れをまねくほか、最近ではむし歯のリスクまで指摘されるようになりました。

 タバコが歯に悪さをする要因として従来から指摘されてきたのが、タバコの有害物質による免疫機能や修復機能の障害です。たとえば歯周病の炎症は、免疫機能がジャマされて歯周病菌をやっつけられないと重症化しやすく、歯を失いやすくなってしまいます。また、炎症や傷を治す修復機能がにぶるため、喫煙者の場合、せっかく歯周病の治療をしても治療効果が思うように上がらなかったり、治療後にいったん良くなっても再発しやすくなったりします。

★タバコで細菌がパワーアップ?!

 じつは最近、こうした従来言われてきたリスクに加えて、タバコの有害物質に鍛えられて、歯周病菌やむし歯菌の病原体が強まることまで明らかになってきました。

 お口のプラークに似せた細菌叢を作り、タバコエキスを垂らして実験すると、歯周病菌はより攻撃的に毒素を出すことがわかりました。いっぽうむし歯菌も粘度の高いプラークを作ってその中に隠れ、旺盛に糖を食べて酸を作ります。プラークの外膜はタバコの刺激で厚く丈夫になり、酸をタップリ溜め込むことができます。すると酸で歯が溶け、むし歯ができ、プラークは悪玉化した細菌を保護してどんどん増やしてしまうのです。

★治療・予防効果アップのため、禁煙を!

 ただし、歯石の除去やクリーニングを受けるなどの専門家による清掃と一緒に禁煙をすると、こうした悪玉菌もとたんに穏やかになります。細菌の細胞は比較的短周期で生まれ変わるので、ヒトの細胞が入れ替わってタバコの影響から脱するよりもはるかに早く変化が起きるのです。禁煙によって悪玉菌が減れば、歯周病やむし歯の治療後の再発が減り、予防もグッとしやすくなります。

 いまはすぐれた禁煙補助剤があり、辛い症状をやわらげながら比較的楽に禁煙することができます。

 治療や予防の効果を上げ、失う歯を減らすために、受診をきっかけに禁煙をはじめませんか?

引用参考文献:nico 2016年1月号

口腔領域の喫煙の影響!

喫煙と歯周病との関連はよく取り上げられるので、今回はそれ以外との関係について記載します。

1.口腔がん

2.インプラント義歯治療

3.歯肉メラニン色素沈着症

4.口臭

5.歯の喪失

などなど。。。