“ 歯についた汚れを歯ブラシでゴシゴシ磨き落とす ”
これさえすれば、むし歯予防の方法だと思っている方も多いと思いますが、ブラッシング自体は歯周病予防には有効であっても、むし歯を効果的に防ぐ方法だとはいえません。
とういうのも、むし歯になるのはブラッシングで落とせるプラーク中の細菌が原因になっているだけではなく、糖質の摂取・歯質の強さ・食べものを摂取する時間の4つが複雑に絡み合っているからなのです。
その中でも、むし歯を防ぐには
『 フッ素が配合された歯磨剤を高濃度のままむし歯になりやすい場所に届ける 』
ことが重要なのです。
フッ素入り歯磨剤によるむし歯予防効果は
“ フッ素濃度が高い方が効果が大きい ”
ことが分かっていて、特に300ppm以上のときに効果的に歯の表面にとどまることも分かっています。
またむし歯予防のためには2分程度は300ppm以上の濃度を維持することが推奨されています。
ただブラッシング中に歯磨剤中のフッ素はだ液によって徐々に希釈されるので、歯磨剤の使用量が少ないと口内のフッ素がすぐに薄まってしまい、予防効果も低下してしまいます。
そのため、フッ素の配合濃度が1000ppm以下に定められている日本の歯磨剤では1回に1g以上の量が推奨され、ブラシ部分が2cmの大きさの歯ブラシでは約2/3の量に該当します。
さらにフッ素をむし歯になりやすい部位に高濃度のまま届けることが重要なので、だ液で薄まらないうちにむし歯になりやすい奥歯などから順番に磨いていくのが効率的になります。
それに加えてフッ素濃度を長持ちさせるため、最初に歯ブラシを水でぬらさない、すすぐ回数をなるべく少なく抑えるということも重要になってきます。
これだけでは十分ではないですが、意識してブラッシングすることがまずは大事です。
*今回のブログは日本歯科医師会発行の「日歯広報」を参考に記載しています。