「これでバッチリ!歯周病対策」

歯周病の検査を受けましょう!

「歯周病は、いつの間にか歯が抜ける怖い病気だ」ってよく言われますよね。でも歯周病は本来、そんな怖い病気ではありません。多くの場合、症状の進行は緩やかですし早めに病気に気づくことができれば予防も治療も、ちっとも難しくないのです。それなのに歯周病で苦しむ患者さんがあとをたたないのはなぜでしょう?問題は、手遅れ症例が多いということです。

 歯周病は、「沈黙の病」と呼ばれるほど見逃しやすい病気です。痛みなどの自覚症状がなく、歯みがきで出血したりしても、つい受診を先延ばしにしているうちに、手の施しようがなくなってしまうのです。そのため、ご自分の歯ぐきの中がどういう状態なのか、治療が必要なのかどうかを知るには、歯周病検査できちんと調べる必要があるのです。

 

歯肉炎か歯周炎か、それが問題だ!

 じつは私たち歯科医師は、「歯周病」と総称されている病気のことを、症状の進行の程度によって、「歯肉炎」と「歯周炎」に分けてとらえているんです。

 まず「歯肉炎」ですが、これは歯周病の初期症状。歯ぐきの腫れだけですんでいます。歯槽骨は破壊されず、歯と歯ぐきをピタッと付着させている組織も失われていません。そのため。歯みがきと歯石取りで炎症を止めれば、すっかり元の健康な状態に戻ります。

 一方「歯周炎」は、歯を支える歯周組織がすでに破壊され始めている状態を言います。歯みがきと歯石取りで炎症を治し、病気の進行を止めますが、残念ながら失われた付着と歯槽骨は元どおりにはなりません。ただし早期に気づいて炎症を止め、再発を防いで維持すれば、歯をしっかり守っていくことができます。

再発予防にはメインテナンスが必須!

 歯周炎の治療をした患者さんの歯ぐきは、キュッと引きしまり治ったように見えます。ところが、健康な人よりも歯周ポケットが深い分、プラークが溜まりやすく歯石も付きやすいのです。「治療が終わった!」と油断していると、歯周ポケットの中にまた歯石がガチガチに付き、治療が一からやり直しになってしまいます。

 何度も通ってしっかりと治療を終えホッとしたら、今度は治療のためではなく、検診と、歯周ポケットの中まできれいにできるプロのクリーニングを受けるために、定期的に歯科医院においでください。

 治療の終わりは、再発予防のはじまりです。歯科医院との新たなお付き合いをぜひスタートさせましょう。

参考引用文献:nico 2015年4月号