ヒリヒリ、ピリピリ、つらいです。原因不明の痛み 舌痛症!

★舌痛症ってこんな病気です

 「舌痛症」って聞いたことありますか?舌に起きる原因不明の慢性的なヒリヒリ、ピリピリ感。それが舌痛症です。

 舌が痛む場合、原因には、舌を噛んだときにできるキズや口内炎にはじまり、カンジダ症やドライマウス、舌がんに至るまでさまざまありますが、それらの可能性をすべて調べても特定の病気が見つからない場合に診断されます。

 中高年の女性の患者さんに圧倒的に多く、痛む場所は通常、舌の先や横っぺた。つまりちょうど歯に触れるあたりです。 

 朝よりも夕方から夜にかけて痛みが強くなる傾向があり、就寝中には痛みはなく、食事中や、何かに集中しているときには悪化せず、痛みが消えてしまうこともあります。そのため食事や睡眠の障害になることはまれです。

 

★「心の痛み」が原因のことも

 舌痛症の原因は、現在の研究では残念ながら「不明」とされていますが、脳が「心の痛み(ストレス)」をキャッチしたときに、その情報をうまく処理しきれず「からだが痛い!」という誤った翻訳をしてシグナルを発してしまうことが一因ではないかと考えられています。

 治療法も不明な点が多いものの、少なくとも心身両面からの対応が必要な病気であることが明らかになっています。

 もしかしたら舌痛症は、患者さんの心が「そろそろ少しのんびりしませんか」と発しているシグナルなのかもしれません。

 

★痛みの改善に向けたアドバイス

 「心の痛み」に着目して、舌痛症の痛みを減らすためのヒントをお教えします。専門外来の受診と合わせて、お試しください。

  • 痛む場所の繰り返しの確認は避けよう

 痛む場所が気になって、舌に変化がないか鏡で見たり、指で触ったり、歯に舌を触れさせるのを繰り返すと、痛みの記憶が定着し、症状が悪化することがあります。

  • どんなときに痛みが減るか観察しよう

舌痛症の痛みは、日や時間帯によって増減します。何をしているときに痛み

が増すのか、減るのかを意識してみてください。痛みを客観的にとらえて、痛みの不安から距離を置くきっかけになります。

  • お薬にくわえ生活の改善をしよう

お薬は舌痛症の抑制に効果的ですが、服薬をやめると痛みが元どおりになっ

てしまうのでは困ります。そこで、問診とカウンセリングで受けた生活指導を毎日に活かしましょう。食事では刺激物を避け、睡眠時間を確保します。できるところから、日常生活のストレスを減らしていきましょう。

引用参考文献:nico 2020年3月号

付録ダウンロードはこちら

歯並びのためのお口のトレーニング

★歯並びに舌とくちびるが影響?!

 歯はきれいな馬蹄形に生えるのが当たり前だと思われがちですが、この馬蹄形は、歯と接しているくちびるや舌の筋肉から加わる力の支え合いによって生まれています。なぜなら、歯は力を与えられると、その方向にジワジワと動いていくからです。

 言いかえれば、歯は舌の力とくちびるの力のバランスが釣り合うところへと動き、並んでいます。とくに歯の生え替わり時期のお子さんの場合、

・乳歯が抜けた部分など、気になるところをつねに舌で触っている。

・飲み込むときに舌で歯を押している。

・お口をいつもポカンと開けている。

というように、お口の癖が、歯にかかる舌やくちびるの力のバランスを崩していると、その影響で歯は前へと動き、噛み合わせも崩れていってしまいます。

 

★舌には理想的なポジションがある。

 歯に加わる力のバランス、ひいては歯並びを乱す原因となりやすいのが「舌」です。いまこれを読んでいるあなた、舌の先はお口の中のどこに触れていますか。上あごの天井付近ですか。それとも前歯ですか。

 じつは舌には、収まるべき正しい位置があります。リラックス時に舌が上あごの天井につきつつ、舌先は前歯に触れないか、触れたとしてもほんの軽く触れるくらいの位置が理想です。

 対して、舌が上あごにつかず、低い位置にあり歯にもたれかかっていると、常に歯に力が加わってしまいます。

 また、舌の癖は矯正治療の妨げにもなります。舌からかかる力のせいで、矯正装置を入れても想定したほど歯が動かなかったり、治療が済んで装置を外した後に後戻りを起こしてしまうことがあるのです。

 

★トレーニングで矯正治療がスムーズに。

 こうした癖を改善し、矯正治療をスムーズに進めるために役立つのが「お口のトレーニング」です。舌を上あごの天井に当てる、舌を上に持ち上げる力を鍛える、奥歯を噛みしめて噛む力を強くするなどの練習を、矯正装置の装着と並行して(または単独で)繰り返していただきます。これは専門的には「MFT:口腔筋機能療法」といい、舌をはじめとしたお口まわりの筋肉のバランスを整える効果があります。

 ただし、トレーニングはすぐに効果が出るものではありません。長時間、毎日繰り返していただくことで、徐々に効果が表れてくるものです。慣れるまで舌が疲れたり痛くなりますし、時間も根気も必要となります。ですが、素敵な歯並びのために大切なことですので、歯医者さんといっしょに根気よくがんばっていきましょう!

引用参考文献:nico 2020年2月号

付録ダウンロードはこちら

見過ごしてない? お口のなかのにおいの元 不快な口臭のふか〜い話

 口臭というと、「歯磨きはしているから胃腸が悪いせい?」とお口以外の原因を思い浮かべがちですが、ほとんどの口臭の原因はお口の中にあります。歯周病やむし歯、舌や歯の汚れがにおいの元となっていることが多いのです。口臭ストップの早道は、歯科治療とお口のケアにあり!です。

 

★においの主犯はお口の細菌!

 ミクロの世界で見ると、口臭の主犯はお口の中の細菌といえます。細菌のうち、特に歯周病菌などの酵素を嫌う菌が、悪臭をともなうにおい物質を生み出します。彼らが唾液や血液、はがれ落ちたお口の粘膜、食べかすに存在するタンパク質を分解したときに、揮発性の硫黄化合物を出すのです。

 

★あなたは大丈夫?お口の中のにおいの元

 不快な口臭の元となるのは、おもに以下のようなお口の病気や汚れです。

・歯周病になっている歯周ポケット

 歯周病になっているとき、歯周ポケットの中にはプラークや歯石のほか、死んで歯ぐきや頰からはがれ落ちた細胞(老廃物)や、血液、体液、細菌の代謝物が溜まり、強いにおいを発します。

・溜まったプラーク

 磨き残しにより溜まったプラーク(歯垢)もにおいの元になります。入れ歯の方は、入れ歯自体のお掃除も欠かせません。

・象牙質に及んだ多数のむし歯

 歯の表面を覆うエナメル質はほぼ100%無機質ですが、内部の象牙質は約3割がタンパク質(コラーゲン)でできています。むし歯が進行すると象牙質のタンパク質が細菌により分解され、においを出します。むし歯が深く多いほど、においは強まります。

・被せ物やブリッジと歯ぐきの境い目

 被せ物と歯ぐきの境い目や、ブリッジのポンティック(ダミーの歯)と歯ぐきが接する面もお掃除が行き届かないことが多く、においの元になりやすいです。

・舌苔

 舌の表面は一見平坦のようですが、じつは非常に微細で長い毛足をもつじゅうたんのような構造です。舌苔は、これに新陳代謝ではがれ落ちたお口の粘膜や細菌が付着し、ベットリと厚い層になったものです。

 

 歯周病やむし歯など、お口の病気が原因のにおいは、治療をしなくては解消されません。また、プラークや舌苔がたくさん残ったままでは、ブレスケア製品でにおいをごまかそうとしても焼け石に水。歯の健康を取り戻す、または維持するついでに口臭予防もできるのですから、定期的に歯医者さんに行かない手はないですよ!

引用参考文献:nico 2019年12月号

付録ダウンロードはこちら

口内炎との違い、予防のコツ etc. いまこそ知りたい!口腔がん

★口腔がんってどんながん?

 「口腔がん」はお口の中にできるがんの総称です。舌、歯ぐき、口腔底、頰の粘膜、口蓋、顎の骨、唇など、歯以外のどこにでも発生する可能性があります。なかでも多いのは舌にできるがんで、約6割を占めます。

 年代・性別としては、60代以上の高齢者や男性に発症しやすい傾向があるもの、昨今では女性や若者の患者さんも増えてきています。日本では、口腔がんはずっと前から増加の一途をたどっており、現在の患者数は年1万人以上と推計されます。

 

★口内炎とはどう違う?

 口内炎がすべて口腔がんになるわけではなく、口内炎がある日突然、口腔がんになるわけでもありません。口内炎のうち、粘膜の細胞の増殖に異常が起きて、ごくまれにがんになる潜在能力を有したものが口腔がんになる可能性があるのです。

 くわえて、潜在能力をもった口内炎ががんになるには、必ず「前がん病変」(がんではない状態)を経由します。そして口内炎が前がん病変を経てがんになるには、5年以上の長い年月がかかります。前がん病変も必ずがんになるわけではなく、そのまま状態が変わらないこともあります。

 とはいえ、繰り返し口内炎になる場所では絶えず細胞の増殖と修復が行われていますので、細胞に異常が起きる可能性が高まります。口内炎ができるようなお口の環境を放置するのは、やはりよくないのです。

 

★「慢性的な刺激」が原因に。

 一般的にがんの原因は、食事、生活習慣(お酒とタバコ)、ウイルスだといわれていますが、口腔がんではさらにお口の粘膜への「慢性的な刺激」が原因となります。刺激が繰り返されるうち、ある時粘膜の細胞に異常が起き、口内炎から前がん病変、そして口腔がんになるのです。

 刺激には、歯が傾いていて舌やお口の粘膜にぶつかる、唇や舌を噛んでしまう、被せ物や入れ歯が当たるなどの物理的なもののほか、食品の添加物や、歯周病による炎症などの化学的なものがあります。重度のむし歯が絶えず当たる粘膜が床ずれのようになり、がんになった例もあります。

 口腔がんの早期発見には、異常を感じていなくても半年に1回は歯科で定期検診を受け、粘膜のチェックもお願いするようにしましょう。発症を防ぐために、慢性的な刺激となるお口の要因を取り除くことも大事です。万一、前がん病変が見つかった場合は、がん化を確認したらすぐに対応できるように、少なくとも3か月に1回は歯科で経過を見守ってもらえるようにしてください。

引用参考文献:nico 2019年9月号

付録ダウンロードはこちら

からだに自信あり?それじゃ歯は?アスリートの歯を守りたい!

 トレーニングに励んでいるアスリートのお口って、プロやアマチュアを問わず、むし歯や歯周病になりやすいって、ご存知ですか。これにはアスリートならではの理由があります。バレーボール日本代表のメディカルチームの一員として、選手の皆さんを歯科の立場からサポートさせていただいている経験から、お話ししましょう。

 

★アスリートはむし歯になりやすい!

–—–—–そう聞くと、驚くかもしれませんね。でもこれ、本当のことです。運動中は口で呼吸をするので、お口の中がカラカラに乾きますよね。唾液には本来、むし歯になりかかった歯を修復してくれる「再石灰化作用」があるのですが、唾液が乾くとむし歯のリスクが高くなってしまうのです。

 また、たくさん汗をかくと唾液の分泌自体が減りますし、疲れと空腹で糖分を摂りがちなことや、練習でヘトヘトになって就寝前の歯みがきがおろそかになりやすいことも理由と考えられます。

 

★アスリートは歯ぐきが腫れやすい!

 アスリートはからだが丈夫というイメージがあります。たしかに皆さん強靭な肉体をおもちですが、体力ギリギリまでトレーニングを積むと、からだは傷んだ組織の修復で手いっぱい。そのため免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなる可能性が指摘されています。

 風邪やインフルエンザだけでなく、歯ぐきが腫れる歯周病も、お口の中の細菌が炎症を引き起こす感染症。ですからアスリートは、歯周病にも注意が必要なんです。

 

★アスリートこそしっかりと予防を!

 では最後にアスリート向けに歯の健康を守るポイントをご紹介します。

 ・毎晩歯みがきを欠かさずに。

 トレーニングで疲れて、つい歯みがきをせずに寝てしまう。でもそうすると、お口の中は朝までむし歯菌や歯周病菌の楽園に。眠くてもファイト!毎晩歯みがきを。

・スポーツドリンクと賢くつきあう。

 スポーツドリンクは酸を多く含むため、長期間飲む続けると「酸蝕症」という歯が溶ける病気のリスクに。エナジードリンクやビタミン飲料、柑橘類やクエン酸も同様です。飲んだ後は水でお口をすすぐなどして、酸を洗い流すようにしましょう。

・半年に一度は歯科医院へ。

 スポーツに打ち込んでいると毎日忙しく、オフの日も歯科医院に足が向きづらいもの。でもアスリートのお口は、むし歯や歯周病、酸蝕症のリスクにさらされています。ぜひ半年に一度は歯科医院で健診を!

引用参考文献:nico 2019年5月号

付録ダウンロードはこちら

詰め物が取れた、被せ物が割れた?歯の天敵?歯ぎしりにご用心!

 「詰め物がよく取れる」「朝起きるとあごが痛い・だるい」「歯がすり減っていたり、欠けたり割れたりするといった経験はないでしょうか。それはもしかすると、“睡眠中の歯ぎしり”が原因かもしれません。

 

★「良い歯ぎしり」と「悪い歯ぎしり」

 じつは歯ぎしり自体は、日中に受けたストレスを睡眠中に発散して脳とからだの健康を保つための無意識の行動で、本来は悪い癖などではありません。

 しかし、噛み合わせがよくない方のばあ、睡眠中の歯ぎしりが、強い力で歯を削ったり揺さぶったりする「悪い歯ぎしり」となってしまうことがあります。

 上の歯と下の歯がうまく噛み合っている良い噛み合わせの方は、歯ぎしりをしても上下の犬歯が力を受け止めてくれます。歯ぎしりの力を、長くて丈夫な歯根をもつ犬歯が引き受けてくれるので、ほかの歯にはほとんど負担がかからずにすみます。

 一方、犬歯がガチッと噛み合わない、奥歯ばかりで歯ぎしりするようなお口の場合、奥歯に直接、強い力がかかります。あごの動きにもストップがかからないので、下あごのがグラインドしやすく、広範囲に歯が削れていってしまいます。

 歯ぎしりをする方は、平均8時間の睡眠中に約40分間も強い力で噛む(通常は約15分)そうです。もしこれが悪い歯ぎしりだった場合、歯をいかに傷めてしまうか容易に想像できるのではないでしょうか。

 

★悪い歯ぎしりから歯を守るには?

 歯ぎしりによる被害を防ぐもっともポピュラーな歯科治療は、マウスピースを使う方法です。就寝中にマウスピースを装着し、力のかかり方を修正して歯やあごを守ります。また、良い噛み合わせをつくる矯正治療は、悪い歯ぎしりを良い歯ぎしりへと変える根本的な改善策です。

 こうした治療と同時に重要なのが、就寝前のイメージトレーニング。「歯ぎしりをしないぞ」と繰り返し唱え自分を暗示にかけます。簡単なわりに効果があり、歯ぎしりが4割減るともいわれています。

 くわえて、生活習慣や癖の改善も大切。歯ぎしりは眠りの浅いときに起きやすいので、寝床でスマホを操作しない、ぬるめの風呂にゆったり入るなど、快眠できる生活習慣を整えるほか、日中に噛みしめていることを自覚したら、スッと力を抜いて歯が接触しないようにしましょう。

 

 むし歯や歯周病で歯が弱っているところに悪い歯ぎしりが加わると、被害がより甚大に。悪い歯ぎしりにぜひご用心を!

引用参考文献:nico 2019年1月号

付録ダウンロードはこちら

下がった歯ぐきが気になるあなたに。歯の根を覆う根面被覆!

★下がった歯ぐきが元に戻せる?

 歯ぐきが下がって「歯の根元が見えてきた」「歯が長く見えるようになった」「歯と歯の間にすき間ができた」というのは、患者さんからよく聞くお悩みの1つ。

 歯ぐきが下がると、それまで歯ぐきで隠れていた歯の根元(根面)の象牙質が露出してきます。審美的な問題だけでなく、露出した象牙質は冷たいものがシミやすくなる(知覚過敏)、歯みがきがしっかりできていないとむし歯になりやすくなる(根面う蝕)といった問題が生じてきます。

 一度下がってしまった歯ぐきは、基本的には自然に戻ることはありません。ですが、「もうあきらめるしかない」かというと、そんなことはありません。歯ぐきとあごの骨の状態によっては、「根面被覆」という外科治療で、下がった歯ぐきを元の状態に近づけることができるんです。

 

★歯ぐきの組織を移植します。

 根面被覆は、読んで字のとおり「歯の根面を覆う」治療です。露出した根面を覆う方法には、いくつかのパターンがあります。

 まずは、①隣の歯の歯ぐきから、歯ぐきの組織を切り開いて移動させてきて、根面に被せる方法。次に、②上あごの口蓋から組織を切り取って、根面を持ってくる方法。そして③が、①と②の合わせ技です。口蓋から切り取った組織を根面に持ってきて、切り開いた隣の歯の歯ぐきでそれを覆います。日本人は遺伝的に生まれつき歯ぐきが薄い方が多いので、③の手法がよく用いられます。

 

★見た目がよくなるだけじゃない!

 根面被覆は、ただ見た目を改善するだけではありません。歯ぐきが下がって根面が露出しているというのはつまり、その部分では歯を支える組織が少なくなっているということ。そこを移植した歯ぐきで覆って厚くするというのは、歯ぐきの抵抗性を高めるので、歯を将来維持していくうえでも大切な処置となります。 

 また、根面を覆うことで、根面の象牙質の露出が減り、知覚過敏の抑制が期待できるほか、根面のむし歯予防にも役立ちます。象牙質はエナメル質より酸に弱く、細菌の関与によりつくられる酸や飲食物の酸で溶けやすいのですが、根面被覆によって、それらの影響を軽減できます。

 

 歯ぐきが下がった原因が強い力によるみがきすぎにあるのなら、歯みがきのしかたを見直す必要があります。一度、実際にみがいているところを歯科医院で見てもらって、歯ブラシの適切な当て方・動かし方を教えてもらうといいですよ。

引用参考文献:nico 2018年12月号

付録ダウンロードはこちら

子どもの歯のケガ(外傷)に要注意!

       

● 痛みや出血の有無だけで判断しないで!

お子さんが転んで歯をぶつけて

「 血が出ている 」  「 痛いと泣いている 」

という場合、保護者の方は、迷いなく歯科を受診されると思いますが、そうでない場合、

「 出血がない 」  「 痛みがすぐに止まった 」

はたして歯科医院に連れていくほどのケガなのかな?

と迷うこともあるようです。

ですが、実はとうしたケースほど要注意!なのです。

血が出ていなくても、歯の根っこ(歯根)や、歯の周りの組織(歯周組織)、ぶつけた歯が乳歯なら永久歯の芽(歯胚・しはい)にまでダメージが及んでいることがあるんです。

また時間がしばらく経ってから痛みが生じることもあるんです。

そうした外からは見えない部分へのダメージは、レントゲン写真などを用いた専門家による診断が不可欠!

ですから、出血や痛みがない場合も是非歯科を受診して検査を受けてもらえばと思います。

● ケガの影響はあとになってわかることも・・・

手や足をケガして治療を受けた後は、完治するまで定期的に病院に通って経過観察しますよね?

歯のケガの場合もそれと同じで長期的な経過観察が必要になります。

特に歯のケガの場合、受傷直後には分からないけれど、時間が経つと見えてくるトラブルがたくさん。

たとえば歯の根っこは、ぶつけた時にヒビが入ってくることがあります。

しかし、その亀裂がほんのわずかな時は、レントゲン写真でも検出はほぼ不可能です。

何日間か何週間か経って亀裂が広がって初めて、

         「 歯の根っこが破折している 」

と検出できます。

また、乳歯の奥でつくられている永久歯が、ケガのダメージによりうまく作られなかったり、変形してしまうこともごくまれに起こります。

このようなトラブルには、受傷後数週間で分かるものもあれば、何ヶ月かかからないと「 大丈夫ですね! 」と太鼓判が押せないものもあります。

すべてのトラブルの芽が出尽くすのにかかる時間は約1年間。ですから最低でも1年は経過観察のための定期受診が必要になります。

歯のケガによる目に見えない部分へのダメージや、あとになって分かるトラブルを見逃さないためには、歯科医院の受診と経過観察がとても大切。

もしお子さんが今まで歯科医院に通っていなかったのでしたら、この機会に(できれば保護者の方々も一緒に)メインテナンスに通われてはいかがでしょうか?

 (* 2018年 nico  10月号 を参考にしてまとめています^^)

 

知覚過敏をあまく見ない!

 

 

『 知覚過敏 』 というと、

「 ただたんに歯がしみるだけ・・・放っておいても大丈夫! 」

というイメージがありますよね?

 

ところが、この しみる という症状は、むし歯の痛みの初期症状に似てい

るうえに、歯が欠けたり、削れたり、すっぱいものの過剰摂取(取り過

ぎ!)で壊れてきている時にも酸蝕症(さんしょくしょう)になったりして

歯が起きる症状なので油断大敵なのです。

歯が痛んでいる兆候の可能性もあるので、一度かかりつけの歯科医院で

診てもらいましょう。

 

● 必ず 『 一回の処置で治る! 』 ものではありません!

 

知覚過敏の症状は、歯の神経で起きる炎症の初期症状とよく似ているため、

「 これは知覚過敏だ! 」と即断するのは危険で、確定診断の難しい症状です。

診察でもレントゲン検査でも 「 これだ! 」 という原因が見つからない時

は、知覚過敏をまねきやすい生活習慣の改善を提案したり、歯を無色透明のコー

ト材で覆ってみたりして症状が治まるかどうか経過観察します。

歯のコーティングですぐに症状がなくなるようならば、歯の内部の炎症の症状は

とても軽く、外部からの刺激によって神経が興奮してしみる症状が起きていると

鑑別できます。




一方、コーティングしても 「 痛みに変化がない 」場合は、難易度が高いケ

ース。

比較的大きな炎症が歯の内部で起き始めていることも想定して治療にあたります。

このように、知覚過敏の治療は 「 受診して一回で治る 」 ケースの方が少

ないのです。

 

● 生活習慣の改善で治ることもあります。



軽い知覚過敏なら、生活習慣の改善で自然治癒することもあります。

知覚過敏の原因になりうる生活習慣には、以下のようなものが挙げられます。

◎ 就寝時の歯ぎしりや食いしばり

◎ 歯磨き時のゴシゴシ磨き

◎ スポーツドリンクや柑橘類のフルーツなどすっぱいものの摂り過ぎ

◎ ドライマウス     etc.

 

「 しみる 」症状は、主に歯の表面を硬く覆っているエナメル質が失われるこ

とが原因で起きます。

ですから、歯に負担を与える歯ぎしりや食いしばりや強い力での歯みがき、酸性

飲食物による歯の表面の酸蝕、そして歯を補修してくれる唾液の減少などが要因

となりえます。

また、意外なようですが歯磨きは知覚過敏の改善にとても効果の高い方法です。

実は、丁寧な歯みがきのみでも症状が改善する方も多いです。

歯科医院で応急処置を受けると症状が軽減する場合も多いので、歯磨きも楽にな

りますよ!^^

    (* 2018年 nico  7月号 を参考にしてまとめています^^)

付録ダウンロードはこちら

お口のなかの隠れたヒーロー!「唾液」のチカラ

 お口の中の「唾液」。ほとんどの人には関心がないものでしょう。ですが唾液は、お口の健康を守るために24時間365日闘う働き者。おまけにお口だけでなく全身の健康にも、大きく影響しているんです。

★とってもスゴイ! お口への働き

①お口を清潔に保つ

 唾液には、食べかすや細菌を洗い流して、お口を清潔に保つ自浄作用があります。唾液が減ると、細菌の塊であるプラークが増えていき、むし歯や歯周病といったお口の病気になりやすくなってしまいます。

②お口の粘膜を守る

 ネバネバ成分であるムチンには、潤滑油として粘膜を保護する作用があります。唾液が減るとお口の粘膜の潤いが足らず、傷ついて口内炎などになりやすくなります。

③お口の中を中性に戻す

 お口の細菌が出す酸や、飲食物の酸により酸性に傾いたお口の中のpHを、もとの中性に戻します。

④歯を補修する

 唾液中に溶け出した歯の成分は、時間をかけて唾液から歯に戻り、歯が補修されていきます(再石灰化)。

⑤細菌感染から守る

 唾液の自浄作用と、唾液中の抗菌物質lgA(免疫グロブリン)、ラクトフェリンなどが、むし歯菌や歯周病菌などの最近の活動を抑制します。

 ———そのほか、食べ物をまとめる、消化を助ける、味を感じさせるなど、唾液は食べるときの助けにもなります。

 

★からだにもイイコトたくさん!

①感染症を予防する

 唾液中のlgAが、細菌やウイルスがからだに侵入するのを防ぎ、風邪やインフルエンザ、肺炎などの呼吸器疾患を予防します。

②胃や食道の粘膜を保護する

 お口の粘膜を保護する成分が、同じように食道の粘膜も保護します。また、唾液に含まれる成長因子は、胃の粘膜の保護や修復、胃酸の抑制に影響します。

③消化を助ける

 唾液中の消化酵素アミラーゼが食べ物の消化を助け、胃や腸の負担を軽減します。

 質の良い唾液をたくさん出すには、「よく噛んで食べること」が大切。そしてそのためには、「噛めるお口」を維持することが重要です。

 「噛めない」「噛みづらい」などのお悩みがあるならお早めに歯科医院へ。トラブルを感じていなくても、お口の健康維持のために定期的な歯科受診をおすすめします。

引用参考文献:nico 2018年6月号

付録ダウンロードはこちら