子どもの歯ならび・かみあわせの原因

子どもが不正咬合になる原因には、先天的なものと後天的なものがあります。

ここでは、予防できるものとして後天的な原因がありますので少し書いていきます。。。

まず、よく言われているのが指しゃぶりで開咬(かいこう・・・前歯がかみ合わない状態のかみ合わせ)や上顎前突(じょうがくぜんとつ・・・いわゆる出っ歯といわれている状態のかみ合わせ)の原因になることはよく知られていると思います。

これについてもいろいろな考えがありますが、やはりあまり遅くまで(小学生になってからも)続いていると、嚥下(飲み込む動作)時に舌の動きもクセになってしまったりして、歯ならびに影響する場合が多いです。

そのため大人になってから矯正治療しようと思っても、外科矯正(アゴの骨を切除するなどの)しかできないようになる場合もあります。

ただし、指しゃぶり・おしゃぶりは子どもが一種のストレス解消法としてやめられないので、やめさせるというのは例え親子でも簡単ではないと思います。

一応の基準として4歳になるくらいまでにやめられれば。。。というのがありますが、最終的には小学生になるまでに。。。
やめられれば、とくに大きな問題にはなりません。

(また、他にも鉛筆やツメをかむクセ、また飲み込むときに舌が前に出てくるようなクセがあると歯ならび・噛み合わせに影響する場合もあります)

もし、それまでに止められなかったとしても、歯医者さんでアドバイスを受けたりして止められたり、正しい舌の位置で飲み込んだりができるようになれば、そのクセを治すだけで矯正治療しなくても、劇的に歯ならび・噛み合わせが変化する場合もあります。

他にもあまり知られていないところでは、慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん・・・いわゆる蓄膿症・ちくのうしょう)が原因での鼻閉(びへい・・・はなつまり)や口呼吸が原因で唇が閉じにくく歯ならび・噛み合わせに影響する場合も多いです。

他には頬杖や寝方などにより顔や歯ならびを歪ませていることもあります。

通常は上下前歯4本ずつと6才臼歯は生えてくる小学2、3年生から矯正治療開始する場合が多いですが、顔がゆがんでいたり、反対のかみ合わせになっている場合は一部乳歯の時から始める場合もあります。

まずは少しでも気になる場合は、ご相談から始めてみては?

相談自体は無料で行っていますので。。。

矯正の治療開始年齢

                    よく質問されるのが、矯正っていつから始めたらいいのでしょうか? というものです。

まず、乳歯の段階では経過を見る場合が多いですが、この段階でも早期治療が必要になるのが、

①.反対咬合(はんたいこうごう)・・・いわゆる受け口の場合

②.顎偏位(がくへんい)・・・上下の真ん中が合わずに顎が左右どちらかにずれているために、奥歯が左右どちらか反対咬合になっている場合

などで、永久歯の交換まで経過をみても、そのままで改善する可能性は10%以下といわれています。

もちろん、①の乳歯の反対咬合などの場合は改善しても、骨格型の場合(原因が顎の成長による場合)などでは、永久歯で再度反対咬合になる可能性もありますが、何もしないで経過をみるよりは、明らかに予後はいいといえます。

また、②の場合などは、経過をみた場合には、極端にいえば左右の顎に成長差ができてしまい、顔付きも左右非対称になる可能性も高くなってしまいます。

この大きく2つ以外では乳歯列の時期(1歳~6歳くらいまで)は経過をみる場合が多いですが、明らかに永久歯の歯がはえてくるスペースがない場合には、お子さんの治療協力度を考えて、早くから歯が生えてくるスペース作りのために

“ 側方拡大床装置 (そくほうかくだいしょうそうち)”

という取り外し式の装置をはめる場合もあります。 
( ※ 画像1が上で2が下の装置の1例です。 )

1番大事なのは、乳歯から永久歯へのはえかわり時にチェックするのが最適です。

まずは

『 前歯のはえかわる幼稚園の年長~小学2年生ころ 』

で、このころは乳歯の1番奥から噛み合わせにもとても重要な6歳臼歯の永久歯もはえてきます。

この時期に上下4本ずつの前歯がきちんとスペースにはまっていれば、

(あとから交換する乳歯の3本分のスペースと永久歯の3本分のスペースではわずかながら乳歯の方が大きい場合が多いので)

問題なく永久歯への交換がスムーズにいく可能性が高くなります。

いいかえると、この時期のうちに問題を少しずつでも改善できると、永久臼歯(えいきゅうしのおくば)がすべてはえそろってからの処置が最小限で済むため、負担も軽くなります。


ここが通常での矯正の治療開始時期の最適期


なので、少しでも気になる点などがありましたら、この時期までに一度相談してみるのがいいと思います。

次にチェックするのは

『 犬歯~奥歯がはえかわる小学4年~中学1年のころ 』

で、ここで6歳臼歯のさらに奥から最後の奥歯がはえてきて、永久歯列の完成になります。

ここで、前歯がはえかわる時に部分矯正をしたお子さんなども最終的に歯の整列が必要かの最終判断をしていきます。

これ以降は歯のはえかわりなどもないため、極端にいえば大人になってから治療するのとあまり変わらない処置が必要になる場合(永久歯の抜歯など)が多いです。

つまり矯正の場合、早い時期であれば永久歯を抜歯しないですむという選択肢もあるのですが、年齢を重ねるだけ治療の選択肢が抜歯してからの処置しかないetc.だいぶ限定されてしまいます。

そのためにも、お子さんの定期健診ではむし歯だけでなく、噛み合わせの経過をみるために、はえかわりなどがない時期は6ヶ月ごとくらいですが、はえかわりの時期では3~4ヵ月ごとの定期健診受診をおすすめしています。

もちろん個人差も大きいですので、分からないことなどは遠慮されずにご質問下さい^^

まだまだ、書き足りないですが。。。

白いワイヤーってないの???

一般的に矯正治療っていうとワイヤーを使っての矯正を思い浮かべると思います。

当医院では、永久歯がすべて生えそろう15歳くらいまでは、

“  床装置(しょうそうち)  ”

と呼ばれる中にネジが埋め込まれている取り外し可能な装置で、永久歯が生えるスペースを作るために顎を広げたり、6歳臼歯を奥へ動かしたりする場合もあります。

また、成人の女性の方などで、多少治療期間や治療費用はかかってででも(もちろん症例によって変わりますが。。。)、ワイヤーが見えるのは絶対イヤ!!という場合などは

“  取り外し可能な透明のマウスピース  ”

( ※ 画像1参照 )

を使用して矯正したりする場合もあります。このマウスピース矯正は、当医院では

「 ストレートライン 」矯正


というシステムを行っていますが、同じようなマウスピースを使用したもので

「 インビザライン 」、「 クリアライナー 」、「 アクアシステム 」などもあります。

さて、本題のワイヤー矯正ですが、これはワイヤーが直接歯にくっ付いているわけではなく、ワイヤーを通すために

“  ブラケット  ”

というものを歯に歯科専用の接着剤で歯に付けてワイヤーを通してから、モジュールというゴムなどで固定していきます。

このブラケットは大きく分けて3つあり、当医院では

・メタルブラケット(金属の銀色)

・プラスティックブラケット(半透明色)

・セラミックブラケット(歯と同じような白色)

があります。患者さまの要望により選択していただきますが、
通常であれば、メタルブラケットを選択します。

プラスティックやセラミックは噛み合わせによっては脱落せずに欠けやすいなどの欠点もありますが、審美的にはまったく違いますので成人の方などはこちらを選択される場合が多いです。

( ※ 画像2参照 )

また、一方のワイヤーですが、最近までは形状記憶のニッケル・チタンのものやコバルト・クロムなどの金属のワイヤーだけだったのです。

ココ何年かで、白いワイヤーも登場したのですが、ワイヤー全面にコーティングしてあるものばかりだったので、その分抵抗が大きくなり、治療期間が長くなったり、コーティングがはがれたりして治療期間全般を通しての使用には、あまり向いているとはいえませんでした。

たとえば、結婚式前や大事な用事がある場合などの、本来の歯を動かすというよりは、今まで動かしたことが無駄にならないようにという一時的な使用に限定という感じでした。

ただ、最近アメリカの矯正材料メーカーのTPから発売された

 “  エステティックワイヤー ”

というものは見える面の前面にのみコーティングされているため、治療期間などでも本来のワイヤーと同じで、治療全般に使用できるとのことで、当医院でも取り扱いを始めました。

これからは、

ワイヤー矯正でも審美的に!!

( ※ 画像3参照・・・セラミックブラケットとエステティックワイヤーの組み合わせです。)

目立たなく治療できるようになりましたので、分からないことなどはお電話でも、メールででもご質問下さい。^^

これからも、いいと思ったものは可能な限り、導入していきたいと考えていますので、ご意見などございましたらよろしくお願いいたします。

抜歯矯正と非抜歯矯正

矯正治療を始める場合は、患者さまにとって永久歯(普通は前から4番目の小臼歯)を抜くか、抜かないかは大きな問題です。
たとえば、医科に例えると“手術しないで済む方法もありますよ”と言われれば、とりあえずその方法を選びたい、と思うのは当然だと思います。
それと同じで、永久歯を抜く方法(抜歯矯正)と抜かない方法(非抜歯矯正)があると言われれば、誰だって抜かない方法を選ぶのは分かりきったことです。

では、抜く・抜かないかが問題になるのはなぜかというと、最終ゴールをどう設定するかによって違ってくると思います。

もちろん、美容(美しい横顔、歯並び、口元)を優先すると、抜歯が必要になる症例が多いのも事実ですが、なんでもかんでも抜歯でなくてはならない、というものでもありません。

もちろん、その患者さまがゴールで抜かない範囲での歯並びなどの整列のみで、口元の出た感じなどは別にかまわないというのであれば、ある程度の改善は抜かなくても可能だと思います。(しかし、最終的に歯並びが改善されるとやっぱり口元も少し引っ込めた方が良かったなあ。。。という場合も考えられるので、カウンセリングは十分必要です)

次回以降に続きます^^

矯正治療

今回は久しぶりに歯のことについて書きます。

矯正治療っていうとなにか分かりずらそうって感じがあると思います。

実際、費用がいくらかかるのかが1番知りたいところで、他には期間や装置の種類などなど。。。

これは保険診療ではなく、(実際に機能障害があるような顎変形症で、外科なども必要になる時は保険適応になる場合がありますがごく少数です。)自費診療なので、歯科医院によって方法や費用はものすごく差があります。

この分かりずらいのを何とかしたいと考えていて、うちの歯科医院では、まず、小児と成人の矯正に分けて、時期や期間、方法についても、ある程度は無料矯正相談でメドを立てます。

この際に正確には、模型だけ500円の負担金をいただきます。

この時点である程度のメドは立てられるのですが、あとは乳歯と永久歯の混合歯列期だと、永久歯のもと(歯胚)があるかどうかだけでも、大きく治療方針が変わってくるので、より正確な治療期間、費用、方法の治療計画を立てようとすると資料(口腔内写真、顔貌写真、パノラマレントゲン、模型)などが必要になります。

うちではココから8,000円の資料採得代金がかかり、これらの資料をもとにしたカウンセリング料金として次回に15,000円が必要になります。

(成人の方のマウスピース矯正・・・ストレートラインではより詳しい資料を採得し、関東まで資料分析のために送付するので資料採得代が15,000円になります)

(この資料採得代金やカウンセリング料金も3~5万円くらいの負担金のところもあります。)

ここまでお話を聞いてから、実際に矯正の治療するかどうかは決定していただいています。

また、お子様の場合などはある程度の目立つ最小限の部位のみを治療して、あとは本人が成人になり就職活動などで気になる場合は、経済的に自分でそこで矯正をさらにするかどうか決めればいいのでは?ってすすめています。

矯正の専門の先生方は模型のような噛み合わせを追求して親知らずの抜歯や必ず上下でのワイヤー治療を行う方が多いです。

確かに上下でワイヤーを付けた方がいい患者様が多いですが、上だけつけたらこうなります、下だけならこうなります、とその後の予想される問題点を指摘した上であとは患者さまやその保護者の方が決定すればいい、というのが自分の方針です。

もちろん抜歯していい歯はないので、小児ではできるだけ抜かない矯正治療を行っています。

この方法は(仕上げにワイヤーを使う場合はありますが)床装置というネジをまわすスクリューが埋め込まれた取り外しできる装置を使います。
食事と歯磨き以外はずっと付けていて、自分でネジを回して、自覚を持たせた上で歯が並ぶスペースを作るために拡大していくという装置です。

子供は以外と装置に慣れるのも早く、見た目もあまり目立たないので、好まれる場合も多いです。

またワイヤーを付ける際にも、子供だけでなく、金属の色が嫌という方もいらっしゃいますので、メタル、プラスティック、セラミックの3種類のブラケットを用意しています。
(メタルと比較すると、材料代の分が少し変わります。)

あと成人の方でワイヤーが嫌という方のためにマウスピースによる矯正も行っています。

ただそれぞれに適応症がありますので、まずはご相談下さい。

ところで、今までは花壇の水やりの時にいつもカマキリやバッタが白い塀をよじ登って一緒に遊んでいたのですが、最近はこれにトンボが加わるようになってきて季節が少し変わってきたなあと実感しています。