知覚過敏をあまく見ない!

 

 

『 知覚過敏 』 というと、

「 ただたんに歯がしみるだけ・・・放っておいても大丈夫! 」

というイメージがありますよね?

 

ところが、この しみる という症状は、むし歯の痛みの初期症状に似てい

るうえに、歯が欠けたり、削れたり、すっぱいものの過剰摂取(取り過

ぎ!)で壊れてきている時にも酸蝕症(さんしょくしょう)になったりして

歯が起きる症状なので油断大敵なのです。

歯が痛んでいる兆候の可能性もあるので、一度かかりつけの歯科医院で

診てもらいましょう。

 

● 必ず 『 一回の処置で治る! 』 ものではありません!

 

知覚過敏の症状は、歯の神経で起きる炎症の初期症状とよく似ているため、

「 これは知覚過敏だ! 」と即断するのは危険で、確定診断の難しい症状です。

診察でもレントゲン検査でも 「 これだ! 」 という原因が見つからない時

は、知覚過敏をまねきやすい生活習慣の改善を提案したり、歯を無色透明のコー

ト材で覆ってみたりして症状が治まるかどうか経過観察します。

歯のコーティングですぐに症状がなくなるようならば、歯の内部の炎症の症状は

とても軽く、外部からの刺激によって神経が興奮してしみる症状が起きていると

鑑別できます。




一方、コーティングしても 「 痛みに変化がない 」場合は、難易度が高いケ

ース。

比較的大きな炎症が歯の内部で起き始めていることも想定して治療にあたります。

このように、知覚過敏の治療は 「 受診して一回で治る 」 ケースの方が少

ないのです。

 

● 生活習慣の改善で治ることもあります。



軽い知覚過敏なら、生活習慣の改善で自然治癒することもあります。

知覚過敏の原因になりうる生活習慣には、以下のようなものが挙げられます。

◎ 就寝時の歯ぎしりや食いしばり

◎ 歯磨き時のゴシゴシ磨き

◎ スポーツドリンクや柑橘類のフルーツなどすっぱいものの摂り過ぎ

◎ ドライマウス     etc.

 

「 しみる 」症状は、主に歯の表面を硬く覆っているエナメル質が失われるこ

とが原因で起きます。

ですから、歯に負担を与える歯ぎしりや食いしばりや強い力での歯みがき、酸性

飲食物による歯の表面の酸蝕、そして歯を補修してくれる唾液の減少などが要因

となりえます。

また、意外なようですが歯磨きは知覚過敏の改善にとても効果の高い方法です。

実は、丁寧な歯みがきのみでも症状が改善する方も多いです。

歯科医院で応急処置を受けると症状が軽減する場合も多いので、歯磨きも楽にな

りますよ!^^

    (* 2018年 nico  7月号 を参考にしてまとめています^^)

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お口のなかの隠れたヒーロー!「唾液」のチカラ

 お口の中の「唾液」。ほとんどの人には関心がないものでしょう。ですが唾液は、お口の健康を守るために24時間365日闘う働き者。おまけにお口だけでなく全身の健康にも、大きく影響しているんです。

とってもスゴイ! お口への働き

①お口を清潔に保つ

 唾液には、食べかすや細菌を洗い流して、お口を清潔に保つ自浄作用があります。唾液が減ると、細菌の塊であるプラークが増えていき、むし歯や歯周病といったお口の病気になりやすくなってしまいます。

②お口の粘膜を守る

 ネバネバ成分であるムチンには、潤滑油として粘膜を保護する作用があります。唾液が減るとお口の粘膜の潤いが足らず、傷ついて口内炎などになりやすくなります。

③お口の中を中性に戻す

 お口の細菌が出す酸や、飲食物の酸により酸性に傾いたお口の中のpHを、もとの中性に戻します。

④歯を補修する

 唾液中に溶け出した歯の成分は、時間をかけて唾液から歯に戻り、歯が補修されていきます(再石灰化)。

⑤細菌感染から守る

 唾液の自浄作用と、唾液中の抗菌物質lgA(免疫グロブリン)、ラクトフェリンなどが、むし歯菌や歯周病菌などの最近の活動を抑制します。

 ———そのほか、食べ物をまとめる、消化を助ける、味を感じさせるなど、唾液は食べるときの助けにもなります。

 

からだにもイイコトたくさん!

①感染症を予防する

 唾液中のlgAが、細菌やウイルスがからだに侵入するのを防ぎ、風邪やインフルエンザ、肺炎などの呼吸器疾患を予防します。

②胃や食道の粘膜を保護する

 お口の粘膜を保護する成分が、同じように食道の粘膜も保護します。また、唾液に含まれる成長因子は、胃の粘膜の保護や修復、胃酸の抑制に影響します。

③消化を助ける

 唾液中の消化酵素アミラーゼが食べ物の消化を助け、胃や腸の負担を軽減します。

 質の良い唾液をたくさん出すには、「よく噛んで食べること」が大切。そしてそのためには、「噛めるお口」を維持することが重要です。

 「噛めない」「噛みづらい」などのお悩みがあるならお早めに歯科医院へ。トラブルを感じていなくても、お口の健康維持のために定期的な歯科受診をおすすめします。

引用参考文献:nico 2018年6月号

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いまどき生活習慣病にご用心。ストップ!ザ・酸蝕症

 

 このコラムをお読みの皆さんには、こんな習慣はないでしょうか?

・運動のおともにスポーツドリンク。

・健康のために柑橘類や黒酢を毎日摂取。

・酎ハイ、梅酒、ワインを毎晩チビチビ。

・仕事中がつねに手元にコーラ飲料。

 これらは、じつは歯

 

が溶ける「酸蝕症」のリスクが高い習慣なんです。

 

4人に1人が酸蝕症です

 酸蝕症とは、歯に酸性の飲食物や胃酸が「繰り返し触れる」ことで起きる病気です。

 歯はもともと、酸がとても苦手。酸に触れると化学反応を起こして溶けてしまうからです。とはいえ、食べ物のほとんどは酸性。みそもしょうゆも穏やかな酸性です。なのに歯が溶けてなくなってしまわないのは、唾液が酸を洗い流し中和して、歯を守ってくれているから。

 ただし、唾液の能力にも限界があります。すっぱい飲み物や食べ物などに含まれる強い酸が口の中に繰り返し入ってきたり、逆流性食道炎により胃酸が口の中にたびたび逆流していると、唾液の作用が追いつかず、歯が溶けてしまうのです。

 これを聞いて、「自分には関係ないや」と思うのは大間違い。国内の調査では、軽度のものを入れると26.1%、つまり4人に1人がの方に酸蝕症がみられるんです。

 

酸蝕症は現代病。それはなぜ?

 酸蝕症は、現代の食生活や生活習とかかわりの深い病気です。ここ数十年で、歯を取り巻く酸の環境は様変わりしました。季節ものだった柑橘類が一年中手に入るようになり、お酒も果汁たっぷりの酎ハイやワインが大人気。一方おやつはコーラ飲料や柑橘ジュースがどこでも手に入ります。

 また、もう1つ注目すべきは、健康意識の高い方の酸蝕症です。酢や柑橘類などのすっぱいものを積極的に摂る健康法は、習慣的に続けてこそいい結果が出ます。酸蝕症は歯が酸に繰り返し過剰に触れることで起きるので、「健康意識が高いまじめなかたほど酸蝕症になりやすい」という皮肉な現実があるのです。

 こうした健康法をどうしても続ける必要があるのなら、カプセル入りの酢に代えたり、歯になるべく触れないようストローで飲んだり、飲んだ後に水をひと口飲むなど、歯をいたわる工夫が必要となります。

 酸蝕症を防ぐには、現代人が陥りがちな「酸性飲食物の過剰摂取」にまず気づいて止めることが重要。過ぎたるは及ばざるがごとし。酸の摂取は唾液が守ってくれる程度に抑えて、からだだけでなく、歯の健康にも気を配っていきましょう。

引用参考文献:nico 2018年2月号

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歯科治療がお役に立ちます。気になる口臭とめましょう!

「生理的口臭」と「病的口臭」

 口臭はいくつかの種類に分類でき、それぞれ原因が異なります。だれにでもある、軽い臭いの「生理的な口臭」や、ニンニクやお酒など食べ物による一時的な口臭があるほか、臭いが強くて悩みの種になりやすいのが「病的な口臭」です。

 病的な口臭は、どこからくるのでしょう?「胃腸が悪いと口臭が強くなる」と言いますが、これは、臭いが胃から口に上がってくると思われているからかもしれません。実際は、胃の入り口はつよい筋肉でギュッと閉まっているので、(ゲップは別として)臭いが上がってくることはまずありません。

 からだの病気で口臭がするなら、それは臭いの物質が体内を巡り肺から呼気として臭っているわけで、ふつうに考えて、これはよほど重篤な状態です。からだの治療が優先で、口臭どころではないでしょう。

 

クサい臭いは歯周病が原因

 病的な口臭で多いのは、じつは歯周病が原因の口臭です。臭い物質といってもさまざまありますが、口臭に特徴的にあらわれる臭い物質は、「硫黄化合物」と呼ばれる種類の揮発性ガスです。なかでも代表格は、硫化水素、メチルメルカプタン、そしてジメチルサルファイドで、それぞれに特徴的で強烈な悪臭があります。

 たとえるなら、硫化水素は卵が腐ったような臭い、メチルメルカプタンは魚や玉ねぎが腐ったような臭い、ジメチルサルファイドは生ごみのような臭いです。病的な口臭はこれらが混合したものなので、周囲のかたが不快に思うのも無理はないのです。

臭いの正体は細菌の出すガス!

 これらのガスをつくるのはお口の細菌で、なかでも歯周病菌は、タンパク質を分解する酵素を持っており、その酵素でさかんにタンパク質を分解して、揮発性ガスを発生させます。歯周病が進むと、粘膜や老廃物が大好きな歯周病菌は、歯と歯ぐきのあいだの溝だけでなく、老廃物が積もる舌にも住みつき、舌苔から強い臭いを発するようになります。

 舌の表面はデコボコしていて汚れがくっつきやすく、細菌にとっては居心地のいい場所です。しかし、舌苔が口臭の原因だからといくら舌を掃除して努力しても、おおもとの歯周病を治さないままでは、細菌が次々供給されるので、揮発性ガスはいつまでたっても止まりません。

 クサい臭いを元から断つには、歯周病の治療を受け、その後も定期的に歯のクリーニングをしてもらって、お口の清潔を保つことが必要です。プロのケアとセルフケアで、爽やかなお口を過ごしましょう!

引用参考文献:nico 2017年9月号

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抜歯のまえ 抜歯のあと コンプリートガイド

 現在の歯科は、よほどの理由がなければ歯を抜きません。歯を救う方法はないかと検討したり、治療をしてみたりして、それでもやはり「炎症が止まらない」「周りの健康な歯まで悪くしてしまう」という場合に歯を抜いています。

 とはいえ、いくら理由があるといっても、患者さんにとって抜歯はつらい選択。頭で理解はしていても、心は不安でいっぱいという方もおられるでしょう。

 そこで今回は、抜歯まえに患者さんに必ず知っておいていただきたい注意事項や、抜歯後のスムーズな治癒に役立つアドバイスをコンパクトにまとめてご紹介します。

 

抜歯のまえのチェックポイント

・持病の薬は必ず申告を!

 狭心症や脳梗塞などの治療で血液サラサラの薬を飲んでいる方は、血が止まりにくいので事前に必ず申し出てください。

 また、中高年の女性に多い骨粗しょう症。この薬は、抜歯したときあごの骨が壊死する副作用がごくまれに出ます。その危険性を回避するために、こちらの薬も、服用している方は必ず事前に申し出を。

・体調管理に気をつけて。

 つい軽く考えがちですが、抜歯の手術は、骨がむき出しになる小外科です。体調はキズの回復にとてもだいじですので、体の調子を整えてのぞみましょう。

 このほか、抜歯の予約は医院の休診日の前日は避けたり、事前に歯科から処方されている抗炎症剤などの薬はしっかり飲んでおくことも大切です。

 

抜歯のあとのチェックポイント

・ガーゼは30分ちゃんと噛もう!

 傷口をおさえ止血するため、抜歯後にはガーゼを「30分」しっかり噛みましょう。血が止まったと自己判断し半端にやめると再出血のもとです。

・ブクブクうがいはNG!

 傷口にふたをしてくれている血餅が、うがいや舌で触れたせいでなくなってしまうと、骨が露出しひどい痛みが。口をすすぎたいときは、水をそっとふくむ程度で。抜歯した日の歯みがきもお休みしましょう。

 このほか、鎮痛剤は痛くなるまえに飲んだり、食事はトロトロのおかゆやポタージュ、ゼリーなどにしたり、運動、入浴、飲酒は2〜3日我慢することも大切です。

 

 歯を残すのはとてもだいじなこと。ですが、治らない病巣を温存していると炎症があご・頰・鼻に広がり、さらに危険な状態におちいることもあります。必要な抜歯は適切に受け、からだを守ってきましょう。

引用参考文献: nico 2017年2月号

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歯科がおうちにやってくる!訪問診療で快適、在宅ライフ

その気がかり、歯科がお役に立てるかも。

 高齢の方、持病や障害などがある方の場合、ご自分で歯科医院に通うのは難しく、かといって、ご家族の方が医院に毎回付き添われるというのもたいへんです。

 では、我慢してもらうしかないのでしょうか。いえいえ、医科の先生が定期的におうちに来てくださるように、歯科でも在宅の方への「訪問診療」を行なっているところがあるんです。歯科医師や歯科衛生士が定期的に訪れ、入れ歯の調整・修理・製作、口腔ケアなどを行い、その方のお口の健康を継続的に管理していきます。

 お口を清潔に保ち、栄養を摂るためのコンディションを整えることは、ご家族のお力だけでは難しいこともあります。そんなときに、お口のプロフェッショナルである歯科の訪問診療をご利用いただければと思います。

 

口腔ケアはシゲキが肝心。 

 介護を受けられている方にとってとくに怖いのが誤嚥性肺炎。その予防に大切なのが、皆さんもご存知の「口腔ケア」です。

 しかしこの口腔ケア、たんにお口の中をきれいにしているだけでなく、じつはお口の粘膜や舌を刺激する効果もあるんです。

 お口や舌は、刺激を繰り返し受けるうちに神経がつながって、完全とはいえないまでも、衰える前の動きを取り戻せる可能性があります。そうやって、低下した「飲みこむ力」を目覚めさせるというのも、口腔ケアの目的のひとつなのです。

 ですから、ご家族の方のお口をみがいてあげるときは、食べかすやプラークを落とすことだけでなく、歯ぐきや舌、お口の粘膜などに刺激を与えることも意識してあげてください。

 訪問診療では、その際の正しい姿勢やみがき方、手順について、ケアを受けられる方にあったやり方を歯科衛生士がお教えいたします。

 

歯科の訪問診療を利用するには…?

 訪問診療を受ける方にかかりつけの歯科の先生がいらっしゃるようなら、まずはそちらにご相談を。先生が訪問診療をしていなくても、お知り合いの先生を紹介してもらえることがあります。かかりつけの歯科の先生がいない場合は、ケアマネジャーや地域包括支援センター、地域の歯科医師会などにご相談ください。

 歯科医師や歯科衛生士に定期的にお口の中を診てもらうことは、全身の健康維持にもつながります。大切な人、または将来のあなた自身の“快適在宅ライフ”のために、歯科の訪問治療をお役立てください。

引用参考文献:nico 2016年12月号

「切実だけど、なぞもいっぱい!原因不明の歯の痛み「非定型歯痛」

歯の痛みだけど、原因は歯以外にある?

 非定型歯痛とは、歯科で調べても原因がわからず、痛み止めもほとんど効かず、耳鼻咽喉科や内科で調べても原因が不明だ、という痛みをいいます。この痛みのはっきりした原因はまだわかってはいませんが、脳の中で起きており、ストレスや心理的な葛藤の影響を受けている可能性があります。

 つらい歯痛の原因を、「歯以外に原因があるかもしれない」「メンタルが原因の可能性もある」などといわれると、なんだか問題をはぐらかされているようで、納得のいかないお気持ちになるかもしれません。でもその歯痛の原因がもしも歯以外なら、歯科治療を繰り返しても、決して治りません。原因不明の歯の痛みが続くとき、歯以外の原因も探ってみることは、原因を正確に鑑別するためのとても重要なプロセスなのです。

歯科治療のストレスがきっかけに?!

 非定型歯痛が始まったきっかけが歯科治療だったというケースは、じつはしばしばあるのです。それには「口」という器官を扱う歯科ならではの事情が大きくかかわっています。

 口は、外界から食べ物を取り込む入口です。もしも誤って危険なものを取り込んでしまっては困るので、口には優秀なセンサーが集まっています。たとえば手や足に髪の毛が触れても、どうということはありません。しかし、口の中に髪の毛が1本でも入ったらどうでしょう?不快でたまりませんよね。口という器官は、それほど特殊な鋭敏さをもった器官なのです。

 そのうえ、口の周りには、目、鼻というセンサーもあります。こうしたさまざまなセンサーから厳しく警戒され見張られているため、歯科治療では、「不安」「不快」といった情動が本能的に働きやすく、大きなストレスになる傾向があります。

よりよい治療のため、ご相談ください!

 患者さんの治療に関する不安を減らし、納得して治療に臨んでいただくためには、カウンセリングや治療説明についての、いっそうの努力が歯科側には求められています。それと同時に患者さんも、治療についてわからないこと、不安なことがあれば、遠慮なく歯科医院にお尋ねください。ご相談いただければ、笑気麻酔などを使用して不安感を和らげることもできます。

 十分に話し合い、納得してから治療を受けることが、治療のストレスの軽減につながります。信頼関係を築き、より良い治療にしていきましょう。

引用参考文献:nico 2016年2月号

 

「風邪もインフルエンザも肺炎も?!お口を清潔にして感染症対策!」

手洗い・うがい・歯みがきで予防?!

 毎年流行するインフルエンザ、なんとかして予防したいですよね。むし歯や歯周病もなく、お口をいつも清潔にしておくことが大事だとご存知ですか?近年の研究によって「お口の中をきれいにして細菌を減らすとウイルス感染のリスクが減る」ことがわかってきました。逆に「歯みがきをサボってお口の中に細菌がたくさんいると細菌が風邪やインフルエンザウイルスの感染をサポートする毒素をタップリと出してノド粘膜に悪影響を与え、その結果ウイルスの感染が促進されてしまう」というのです。

プラークの恐るべき正体って?

 歯にべったりとついたプラーク。この中に潜む細菌がいかに凶悪か、みなさんに本当のことをぜひ知っていただきたいと思います。じつはプラークに棲んでいる細菌は、さまざまな毒素を作り出し、私たちが知らないうちにからだを傷めつけているのです。

 とくに歯周病の方の歯周ポケットの中には、グラム陰性菌がウジャウジャいます。この細菌たちは外膜に内毒素を作っていて、この内毒素が血流に乗ってからだの中に入ることによって、病原性を発揮してしまうのです。

 しかも歯周ポケットの中に棲む歯周病菌の内毒素は、歯ぐきだけでなく気道粘膜も壊します。炎症で細胞同士の結びつきがゆるくなると、ウイルスが侵入しやすくなってしまうのです。

プロの力を借りて清潔なお口を保とう!

 私たちが「史上最強の暗殺者」であるプラークから身を守るには、やはりていねいにブラッシングしてお口の中から追い出すこと、その効率を上げるために歯みがき剤や洗口剤に配合された殺菌剤をかしこく使って行くこと、そして歯周ポケットの中や歯のあいだに取り残したプラークを定期的に歯科医院でしっかりと取り除いてもらうこと、これ以外に方法はありません。

 歯みがきの良いところ、副作用がなく、そしてなにより、とても経済的だということです。

 また、歯科医院で定期的にクリーニングを受けるには少しお金が必要ですが、それとて通常は数ヶ月〜半年に一度ですみ、お口の中がサッパリして気持ちよくなるうえ、からだにも良いものですから、こんなお得なことはありません。

 元気なからだは、清潔なお口から。お口の中に凶悪な細菌たちを増やさないようにしっかりケアして病気を予防し、この冬を元気に乗り切りましょう!

引用参考文献:nico 2015年12月号

「ケガ予防&パフォーマンスアップ!お役に立ちます。スポーツマウスガード」

 

大切な歯や口、あごを守るために!

 学校のクラブ活動や、地域のクラブチームに入って、指導者のもと本格的に練習や試合をしている子どもたち、増えていますよね。世界的に活躍する選手に憧れ、一生懸命なお子さんも多いことでしょう。じつはスポーツ中に起きるケガの10〜20%が口や口の周りのケガで、ことにサッカー人口が急速に増え始めてから目立つようになりました。

 口のケガといってもいろいろで、口の中を切ったり、ぶつかった衝撃で歯が欠けたり、歯がグラグラしたり抜けたり、ひどい場合はあごの骨が折れてしまうこともあります。また、口やあごをぶつけた衝撃で脳が激しく揺れ、脳しんとうを起こして、めまいやふらつき、ときには意識がなくなることがあります。脳を支えている首がまだ十分に鍛えられておらず、食いしばって衝撃に耐える力も弱い年齢のお子さんの場合はとくに、サッカーのヘディングが与える脳への影響も極力減らしたいもの。そうしたときに役に立つのがスポーツマウスガードです。

衝撃緩和&パフォーマンスアップ?!

 歯科で歯型を取って製作するスポーツマウスガードは、ピタッと合うので使用感の良いものです。衝撃吸収能の高い材料で歯をおおうことで、スポーツによる外傷を減らします。また、マウスガードを入れることで噛み合わせの面積が広がり、噛み合わせが安定するため、グッと強く噛むことができ、その結果、首がしっかりと固定されやすくなって、脳しんとうの軽減に役立つことがわかっています。

 噛み合わせがよく、しっかり噛めることによって、脳への衝撃を減らせるだけでなく、からだのバランスがよくなります。そのうえ、グッと噛んだときに脳に伝わる情報が大きいので、「大きな刺激が来た!さあこの刺激に見合うだけの筋力を出せ!」と脳が筋肉に指令を出します。つまり、健康な歯をもち、よい噛み合わせでしっかり噛めると、それだけで運動能力の向上にとても有利なのです。

 アマ・プロを問わず、多くのアスリートが実感しているマウスガードの効果。お子さんだけでなく、大人の方もぜひ試してみてください。

 まだ体格が完成されていない子どもたちが、健康的にスポーツを楽しめれば、結果的には、その素質を将来に向けて伸ばすことにもつながるのではないでしょうか。「安全に」「健康的に」という基本を忘れずに、これからもスポーツをおおいに楽しんでください。

引用参考文献:nico 2015年11月号

噛み合わせの話 ^^

最近は 「 顎関節症 」 などあごの不調に悩む方が増えてきています。

その原因は、歯並びや噛み癖など、口の中にだけあると思いがちですが、最近は

     「 顎関節症は生活習慣病である 」 

という考え方もあります。

・「 口を開けるとあごが痛む 」 

・「 口を開けると音がする 」 

・「 口が開きにくい 」  

という顎関節症も、原因の1つである噛み合わせの乱れが、全身の健康に影響することも一般に知られるようになりました。

ただ、あまり理解されていないのは、

   「 歯並びと噛み合わせは別のもの 」

ということ。

そもそも、噛み合わせが良いとは、どういう歯の状態を指すのでしょうか?

日本人にとって一番大切な歯の役割は、食べ物をよく噛み、すり潰して咀嚼すること。