メリットは?デメリットは?マウスピース矯正入門講座!

いま注目の“マウスピース矯正” 

 いま、マウスピース矯正に興味をもつ方が増えています。①比較的目立たずに使用できる、②違和感や痛みが少ない、③取り外しでき歯のケアがラクなどの理由から注目を集め支持されて、急速に治療のすそ野を広げつつあります。マウスピース矯正という選択肢ができたことによって、これまで矯正治療をしたくても二の足を踏んでいた方に、一歩を踏み出す契機をご提供できているのは確かでしょう。

従来の矯正治療は、歯にブラケットを付け、そこにワイヤーを固定することによって歯を動かしますが、マウスピース矯正は歯をアクリル製のマウスピースで覆うことによって、

 

その弾性を利用しながら動かす方法を取ります。面で歯に力を加えて動かすという独特の方法は、点で力を加えてフレキシブルに歯を動かしていく従来の治療に比べ歴史が浅く、歯の位置や傾きによっては、まだまだ苦手な治療があるのも事実です。

 

代表的な2つの矯正システムを比較分析

 国内で使われているマウスピース矯正は、おもなタイプとして大きく2種類に分かれます。そのうちのひとつが「インビザライン®」です。治療前に歯型を採って米国に送ると、治療過程をシミュレーションした3D画像が医院に届き、確認して修正を加えOKとなると、コンピュータで製作した全加工分のマウスピースが米国からドサッと届

 

きます。もうひとつが、「アソアライナー®」に代表される歯科技工所で製作するマウスピースです。患者さんの歯の動きに合わせて、随時あらたな歯型を採りマウスピースを作って行く方式をとっています。

 

デメリットもきちんと理解しよう!

 マウスピース矯正のデメリットとしてとくに重要なのは、症例を選ぶということ。そしてもうひとつ、患者さんの性格ややる気次第という点です。毎日定められた時間装着していただかないと結果が出ないので、意思の弱い方や、装着できる時間が取れない方には向いていません。

 また、治療前と治療後

 

の写真だけを見ると「簡単にできそう」と思われがちですが、実際にはしっかりと噛める歯並びを作るには、補助装置やワイヤー矯正の併用が必要な症例もめずらしくありませ

ん。

 

 マウスピース矯正による治療はその精度を確実に上げている一方、ワイヤー矯正に比べればまだまだです。マウスピース矯正は軽度の治療に向き、なんでも治せるわけではないことを知り、治療の選択にぜひ役立ててください。

引用参考文献:nico 2016年7月号