ご協力ください。歯医者さんの予約・キャンセルのしくみ

 内科などの病院と違って、ほとんどの歯科医院が予約制。患者さんごとにまとまった時間を確保して診療を行っています。そのため、患者さんが突然キャンセルされたり、時間になってもおみえになられなかったりすると、歯医者さんは困ってしまいます。予約制は、患者さんそれぞれにあった
歯科医療を提供するためのものでもあります。そこで今回は、患者さんにご協力いただきたい歯医者さんとの“お約束ごどをまとめました。

そもそもなんで予約制なの?


 予約制に変わった背景には、実は歯科疾患の特徴が関係しています。代表的な歯科疾患というとむし歯と歯周病ですが、以前は予防手段がわかっていませんでした。しかし医学の発展にともない、そのノウハウが蓄積され、「痛みや不具合が出ないように予防する」「質の高い治療で長くもたせる」という考え方・対応に変わっていったのです。そうなると、歯科衛生士による指導やお口の環境を整える治療が中心になります。歯医者さんはそのための必要な時間を確保し、計画的に治療を進められます。また、予約制であれば、患者さんをお待たせすることも少ないうえに、患者さんも予定が立てやすくなったり、そのときどきの処置に対する心の準備もできますね。
 人生100年時代。歯医者さんの予約制は、長期的な視点で見た「お口の健康を守るためのシステム」なのです。

遅刻&キャンセルはなるべくお控えを

 

 遅刻やキャンセルがあると、予定していた処置が十分にできなかったり、予約の取り直しが必要になるため、治療がうまく進まなくなることがあります。また、受診の間隔をあまり空けたくない治療もあります。たとえば「歯の根の治療」は、歯の根の中を洗浄したあとに消毒薬を詰めて、仮の蓋をします。もし長いことそのままでいると、蓋が劣化して細菌が根の内部に入り込むなんてこともありえます。むし歯も歯周病も細菌が関係する病気ですので、治療の中断は避けたほうが良いでしょう。
 とはいえ、うっかり忘れてしまうことや交通機関の遅延などもあるでしょう。もし遅れてしまう場合はご一報いただけると助かります。なお、無断キャンセルは、他の患者さんのご迷惑になりますので、お控えくださいね。

歯科治療は、患者さんとの信頼関係のもとに成り立っています。何かわからないことがある場合は、かかりつけの歯医者さんに気兼ねなくお尋ねください。

 

引用参考文献:nico2023年6月

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