保険診療と自費診療の違い  

最初に、健康保険とは日本独自の制度で一定レベルの治療が多
くの方へ安価で受診できるという大きなメリットがあります。

しかし、世界的に当たり前の治療が健康保険では認められてい
ないものもあります。

現実問題として予算に限度のある健康保険では、

    “ 最良の理想の治療が受診できない! ”

のは事実です。

概念的な違いとしては健康保険には予算と言う制限があり、その中で 予防的治療・審美的治療・健康な歯を将来的に維持する治療 などは除外されています。

自費ではそのような制限がありませんので、理想的な最良の治療というものをできると言う事です。

もちろんドクターの考え方としては 

    “すべての方にできる限り最良の治療をしたい”

というのが本当の気持ちです。

しかし、患者様にはそれぞれの事情がありますので、自分の考え方としては、まず治療方法の選択肢としては考えられるものをできるだけ多く提示したいと考えています。

また初診時の問診でも、できるだけ患者さまの希望をうかがうために“健康保険のみでの治療希望”や、“一部は自費でも構わない”などを選択する項目も設けてあります。

やはり、その場になってチェアサイド(診療イス)ですわったままの状態で 
        
        “これが1番良いですよ” 

といわれればなかなか断れないのが現実ですよね?
また、実際には治療の選択肢が少ないことも問題あり???
(実際は保険診療でできる範囲でも自費をすすめるなど)。

そのため当クリニックでは、自費の詰め物やかぶせ物も保険のものとの比較を分かりやすく一覧表で提示(ホームページにも記載)して、それから次回以降までに患者様が決定していくようにしています。

話は少し変わりますが、皆様が考えていらっしゃるのは、

 治療すればよくなった(もうむし歯にはならないはずだ)    
 という方が多いですが、

実際は削れば、そこからは抜歯への道をまっすぐに進み始めた  
といっても過言ではありません。 

なので、大事なのは以下の点になります。

①できるだけ削らないようにする
・・・ 予防などで健康な歯の状態の維持

②削った場合は、できるだけ再度むし歯になりにくいように 
する・・・ 最良の材料での処置(材料の特徴などは前述の一欄表を参照)

ただ、保険と自費の差が無いもしくは少ない治療としては

・・・小さなむし歯・軽度の歯周炎・抜歯 etc.があり

保険と自費の差が大きい治療としては

・・・大きなむし歯・重度の歯周炎・PMTC(専門的クリーニング) etc.

さらに自費でしか認められていない治療としては

・・・インプラント治療・矯正治療・審美治療・ホワイトニング etc.

があります。

※以上は大まかな目安で、細かい点において異なる場合もございます

もちろん保険の診療が悪いという訳ではありませんので、それぞれのメリット、デメリットを各人で判断していただいて、部位によってはここは保険診療で他の目立つ部位は自費で、というのももちろん可能です。

要は、保険診療でどういう治療までできて、それに満足できるか?の判断になってくると思います。

そこに関しては、いつも記載しますが納得いくまで十分質問などをしたほうがいいと思います。

また、以外と知られていないのが、保険診療は全国どこで受けても治療費(自己負担分)はかわりませんが、自費の治療費は各歯科医院によってまったく料金が変わりますので、そこも聞きにくいところだとは思いますが、判断材料の大きく占めるところですので。。。

今はこの前保険改正がありましたが、それの主な治療別に保険診療の説明パンフレットも製作途中です。一番心がけているのが、“ 明確な治療費を!”ということなので!

セカンドオピニオン

本日、遠方から来院いただいた方で今の現状の説明をご希望された方がいらっしゃいました。

なんでも、以前被せた自費の被せ物(6~7年前に最初セットして2回目は半年くらい前にセットしたもの)が最近またグラグラするので診てほしいというご要望でした。

レントゲンで確認した上で、現状をお伝えしました。

通常は、全体的な被せ物やブリッジにする場合に何か

  “  紙切れ  ”

をもらうのを覚えていらっしゃるでしょうか?
通常の保険診療機関であれば、

“  補綴物維持管理  ”

の届出を出している場合は、この紙切れが2年間の保証書になるのです。

そう、保険診療の被せ物ですら2年の保証を付けるのです。

保険外の自費の被せ物ならば、患者さまの立場からすればもっと長い保証を。。。と思うのも当然だと思います。

それで当医院では、保険外診療では十分な説明を行った上で、契約、署名の形を取らせて頂いています。

ただ、今回の患者さまの場合は、特に被せた医院でないここではまた一から自費の自己負担になってしまうので、セカンドオピニオンとしての現状説明だけして、

あとはかかりつけ医院で再度ご相談してみては?

と提案しました。
保証していただけるならそこでやって頂いた方が患者さまの負担も軽くて済みますし。。。

あと、グラグラしているのが歯周病ではなく被せ物自体での動揺だったのですが、根の残りも短く(または根が破折している場合も)保存できずに抜歯になる可能性がありましたので、その処置をここで行うと、保証がもしあったとしても適用外になるときもあるからです。

やはりよく聞くのは、いつのまにか保険外の治療になっていてなんでこれが入っているのかよく分からないという状態が多いことです。

患者さまも分からないことは積極的に質問した方が絶対いいですよ!

自分は、矯正のカウンセリングでも、

自分の診療方針での治療期間、方法、費用はこうこういう理由
でこうなります、

と説明した上で、できれば他の医院にも参考までにでもお聞きしていただいて、それでもこの方針で最良とお考えになるのでしたらやりましょう!とお話しています。

削ったり、矯正治療したりなど後戻りできない処置をする場合は特にいろいろ参考にされたほうがいいと思います。

自分は話し好きでもあるので、相談大歓迎です。

お話だけでもどうですか???

日々進化する治療法!

昨日は、鹿児島でダイレクトボンディングのセミナーがあったので、いつものごとくJRで行ってきました。

セミナーは10時半からだったのですが、早めに7時2分の普通列車に乗り、国分で乗り換えて9時前に鹿児島中央駅についたので、スターバックスで朝食をゆっくり摂ってから市電で天文館の歯科医師会館にのんびりと。。。終わりは夕方だったので、家に帰り着いたのは8時半でしたが充実した1日でした。

このセミナーは、前歯などが虫歯の時に削って白い詰め物をしますが、最近は歯とこのレジン(白い詰め物)という材料の接着が強固になったので、以前であれば全体的に削っていたような症例をこの材料で治療する方法についてのものです。


例えば、

①.前歯の先端が破折したような場合に、全部削って被せるのではなく、その部位を必要最小限のみ整えて詰めたり、

②.歯と歯の間の隙間が気になるけれど、矯正まではしたくない場合にこの材料で境目を分かりにくくして埋めたり、

③.歯の表面の色が神経を取り除いて暗くなっている場合に、表面を一層削ってラミネートベニア(歯の表面の付け爪のようなもの)で処置するまではしたくない時にCR(このレジン)ベニアで表面を薄く詰めていったり

などです。

ただ、いずれも虫歯での処置ではなく、1時間近くかかる処置でもあるので保険外の診療になります。

通常の詰め物は、フリーハンドで1色の色で詰めていくのですが、ダイレクトボンディング法では

①、まず歯型を採り・・・1回目の来院時の処置

②、その模型上で、修復した状態を蝋(ワックス)で作り

③、その型をパテ状の材料で型を採り

④、その型を口腔内で合わせながら、通常の見えない裏側をしっかりした形で詰めていき、表側も微妙に違う(エナメル質、象牙質、先端部)歯の色に合わせてパレットに出したレジンを何回にも分けて(何色の色も使用して)積層していく・・・というとても大変な作業なのです。また、研磨も粗研磨から最終研磨までしていきます。
・・・2回目の来院時の処置

ただ、この処置方法が最高というわけではないのですが、いろいろな患者さまの状況によっては、最善の治療方法になると思い、選択肢の1つとして提示していけるようにセミナー受講しました。

ここだけでは書ききれないのですが、各方法で一長一短あるのと、適応症例かどうかは、まずご相談をおすすめいたします。
何と言っても歯を削る量としては、圧倒的に少ない(MI・・・ミニマムインターべーション、最小限の侵襲)という考えは自分の方針と一致します。

しかし、歯科の治療法も10年ひと昔ではなく、5年で。。。
という感じです。

できるだけ最新の治療法も知った上で、自分で噛み砕いた後に提供できるようにこれからも自分も日々進化していく予定です。^^

先週の金曜日から、3人目の歯科衛生士さんがスタッフとして加わりました!

もうすぐ開業して1年経過しますが、ここまで開業時のスタッフのみでやったきて、1人も欠けることなくこれたのは皆の力のおかげだと思います。恵まれたスタッフに囲まれたことに感謝!!です。

口腔ケア

この前の土曜日の午後3時から歯科医師会館で、“口腔ケア”の講習会がありましたので、診療を早めに終えてうちの衛生士さん2人とともに受講してきました。

以前も少し書きましたが、当医院の患者さまの層としては、まず圧倒的にお子様が多いのと自分と同世代の方が多く、はっきり言って50代以降の方方が少しずつ増えてきましたが少ない状況です。

ただ、今からの高齢化社会もふまえると無視できないのが、この口腔ケアの分野だと思います。

この前のブログにも書きましたが、この歯科医師会の公衆衛生部の事業で梅北の公民館にて健康な65歳以上の方方へ“いきいきはつらつ事業”でお話などさせていただく機会があり、大変自分自身の勉強になりました。

実際の現場で働いている衛生士さんなどの考えと自分の考えとの開きを今日の講演で実感しました。

たとえば“口腔ケア”という言葉1つとっても、歯科医師であるにも関わらず“体の不自由な方方の食後のお口の中の清掃”というくらいにしか考えていなかった自分が恥ずかしくなりました。

実際は口腔ケアを通しての“口腔リハビリテーション”という位置付けで、急性期、回復期、維持期それぞれで対応は違うし、また何よりもご家族を含めたすべての関わる人が同じ認識で行うことによって(チームアプローチ)、病棟から在宅に移り、さらに寝たきり予防、生活機能の向上などを目標に行うという。。。

本当にこれからの分野というか、歯科が積極的に関わっていく必要のある分野だと実感しました。

もちろん、小児歯科などもですが、これからはもっと視野を広げた観点で一口腔単位、全身疾患を含めた治療計画を立てて皆様のお役に立てるように頑張ります!!

歯がしみる@@

よく耳にすることで、冷たい物や熱いもの、また甘いものがしみるという方がいらっしゃいます。

ご自分でだいたいの部位も特定されているのですが、それを感じるもとが一緒のために奥歯などでは、実際の原因の歯が上下で逆だったりする場合もありますので、ご注意下さい。
(歯が痛む場合なども同じです。)

ここでこのような症状が出る場合は、一般的に虫歯が原因の場合が多いですが、“ 知覚過敏 ”の場合もあります。

甘いものが感じるのは通常、虫歯の初期症状として現れてくることが多く、知覚過敏ではありません。

虫歯の場合だと、次の症状として冷たい物がしみてきて、さらに熱いものがしみるようになります。

ここで明らかに虫歯で穴が開いている場合などは、もちろん虫歯の処置をしていきますが、実際、患者さまからの症状だけを聞いて部位も特定せずに神経を抜く処置(抜髄)をすると、実際はその歯が原因でない場合などは、もちろん症状はまったく変わらないので、次にその隣の歯の神経を抜いて。。。。というように次々に神経を抜かれる場合があるかもですので、ご注意下さい。

できるだけ神経が残っている方が歯の寿命が長いのもデータとしてありますし、神経を取り除くと血管や栄養もその歯にいかなくなりますので、まあ言えば“死んだ組織”として体に残っているのです。体全体の中でもそういう残り方をするのは歯だけ!だそうです。

ちょっと話がそれますが、よくある質問として

“ なんで神経がないのに歯が痛くなるのですか? ”

とありますが、これは神経はそういうしみたりなどの痛みを感知するところなのですが、他に噛むと痛かったりするのを感じるのは、歯と歯槽骨(歯の埋まってる周囲の骨)の間にある歯根膜(しこんまく)が感じるので、神経がなくても歯が痛い時があるのです。

では、虫歯でないのになんでしみるの???

それは歯の表面はエナメル質という硬いもので覆われてる部位が歯ぐきの上の部分なのですが、歯磨きの磨く力が強かったり、歯ぎしりが多かったり、歯周病が原因だったりなどで通常隠れている歯の根の部分が見えてきたりすると、そこは直接神経のある部位まで、細い象牙細管(ぞうげさいかん)というところから刺激が伝わるのでしみたりするのです。

通常、この知覚過敏の場合は歯は削りません!

当医院ではまず知覚過敏専用の塗布薬を3~4回塗布して経過をみますが、明らかに歯が削れている場合などは、しみなくなったのを確認後に詰める処置をしていく場合もあります。

これでもしみる場合でもレーザー照射して経過をみていきます。

1回で症状なくなる可能性は少ないですが、だいたいここまでで症状が落ち着いてくる場合が殆どです。

あとは、ご家庭で出来る処置として歯磨き剤を知覚過敏用のものを使用する方がいいです。

一般的に市販されているものも効果があると思いますが、つい最近歯科専用でできたものは、知覚過敏抑制の効果だけでなく、いろいろな効果があるのでハートデンタルクリニックでも取り扱いますのでその特徴を記載しておきます。

商品名 ; メルサージュ ヒスケア

Ⅰ.知覚過敏をダブルブロック!

・・・通常の知覚過敏抑制剤に配合されているのが、硝酸カリウムなど1種類なのですが、これにはもう1つ乳酸アルミニウムも配合されています。

Ⅱ.むし歯予防や歯周病予防で歯の健康をトータルケア

・・・むし歯予防に有効なフッ素(フッ化ナトリウム)を900ppmとキシリトールも配合し、加えて歯周病に効果のあるβーグリチルレチン酸も配合しています。

Ⅲ.着色性の汚れもしっかり除去

・・・ステイン除去効果のある清掃剤のシリカと結晶セルロースとヤニを落とすマクロゴール400を配合し、ホワイトニング後でも着色を継続的に予防します。

Ⅳ.さわやかなソフトミント味

・・・知覚過敏用歯磨剤特有の独特な味を取り去って、継続使用がしやすいように“さわやかなソフトミント味”です

この商品のこと以外でも気になることなどございましたらメールなどででもお気軽にご質問下さい。

歯がない所はどうするの?

今までの治療で、虫歯が原因だったり、歯周病(歯槽膿漏)が原因だったりして永久歯を抜歯した方や、もともと永久歯の歯のもとがない方などで、そのままにしている方もいらっしゃると思います。

患者さまの中には、1本や2本の歯が無くても食事がまったく困らない状態であれば別にいいや。。。と思うのもあるのでは?

それは噛み合わせの状態次第です。

抜いたままだと、その前後の歯が少しずつ分からないくらいのスピードで倒れこんできて、その側の噛み合わせが少しずつ低くなっていったりする場合は、症状として偏頭痛や肩こりなどの原因になってしまう場合もあります。

また、抜いた反対側の歯に噛み合わせがまったくないと、歯は噛み合おうとして伸びてきて(正確には出てきて)噛む時の顎の運動を邪魔したりする場合もあります。

それほど、1本の歯を抜くことは重要なことなのです。

何本か抜いてそのままにしている方の中には、残りも全部抜いて総入れ歯にして下さいという方もいらっしゃいますが、自分の歯は1本でも多く残っていた方がいいというのが分かっていても、治療期間が長くかかるのを考えると。。。という場合です。

しかし、永久歯は抜いてしまったらもう後戻りは出来ません。

また抜いてしまって総入れ歯になった方が思うのは、前の方が良かったと思うことかもしれません。

それは、段々歯の数が少なくなってくるに伴い、部分入れ歯から慣れていって少しずつ大きくなって総入れ歯になった方はある程度許容できるのですが、今までまったく入れ歯を使用していなかったり、違和感大きいからはめていないという方が、残りの歯を抜歯していきなり総入れ歯になれば、やはり慣れるまで相当大変だと思います。

ですから、歯医者さんで抜歯の話が出たときは、他の方法で可能性はないのか詳しく聞いてみるのが1番いいと思います。

特に歯周病での場合は、今はそういう状況でも手入れをしっかりすることでなくなってしまった骨(歯槽骨)は取り戻すのは難しいですが、歯ぐきが引き締まれば、あと10年くらいは抜歯しなくていいかもしれないからです。

ただ、その歯を残すことによって清掃性が悪くなったり、隣の歯に悪影響がでたりするようならば、メリット・デメリットを天秤にかけて抜歯したほうがいい場合もあると思います。

その止む無く抜歯した場合も、今は入れ歯やブリッジ以外でもインプラントという方法があります。
(詳細はホームページのトップの一般治療の歯を失ってお困りの方への項参照)

この方法だけは、今の保険診療では適用されていません。

簡単にいうと、抜歯と逆の処置で、歯があった部位の骨に根の代わりになるネジのような土台を埋める外科手術をして、それからそれが骨にしっかり固定されたのを確認してから、被せ物をするという手順です。

この診療の外科が保険適用外なので、被せ物にも保険が適用できません。また、誰でもこの治療を受けられるという訳でなく、骨の状態や全身疾患のあるかたなどでは無理な場合もありますので相談されてみたらいいと思います。

また、外科手術は通常は入院などはありませんが、埋め込む本数などにより1~2時間程度必要になります。

治療期間としましては、埋め込む手術をしてから被せ物の最終治療が終わるまでに3ヶ月~6ヶ月程度必要な場合が多いです。

で、どれくらいもちますか?というのもよくある質問ですが、これは患者様のお口の中の衛生状態に大きく関係してきますので、衛生状態が悪いと寿命が短くなる場合もあります。そのために、インプラント後は特に定期的な検診が重要になります。

治療費用については、各歯科医院で価格差も大きい分野ですので、ご自身が納得いくまで期間や方法、費用を説明してもらうことが重要になります。

他の入れ歯でも引っ掛ける部位の金属を白くして目立たなくする方法や、引っ掛ける部位をまったく使用しない方法、両隣の歯を土台にしてブリッジにする方法の材料の違いなどでも分からないことなどはどんどんご質問下さい。

虫歯を削らなくてもいい治療!?

最近、厚生労働省に認可されたもので、“ カリソルブ ”という、う蝕(虫歯)除去液をご紹介いたします。

これはMI(ミニマルインタべーション)という“ 最小の侵襲で最大の効果を得る ”という考えで、健全な歯質は不必要に除去せずに感染象牙質(虫歯になっている部位)のみを軟らかくさせて除去するという方法で使用する液です。

今まで虫歯の治療というとタービンという回転切削器具を使用するため音が嫌という方も多かったと思います。

この“ カリソルブ ”という液を使用する方法では、これを置くスペースを確保するために少しはタービンを使いますが、今までの方法よりは使う時間などは極端に少ないので、音も振動も少ない静かな治療になります。

カリソルブを使用する方法の特徴としましては

Ⅰ.健全歯質の保存

健全歯質(健康でむし歯になっていない部分)と感染象牙質(むし歯になっている部分)が明確に区分されますので、感染象牙質のみを除去して健全象牙質を不必要に除去することがありません。

Ⅱ.痛みの少ない治療

専用の器具を使用して手指で行いますので、中で広がっているような虫歯ではタービンを使用してドリリングが必要になる場合がありますが、補助的に使うだけです。
すでに痛みが強い場合や虫歯が神経に達しているような場合は局所麻酔が必要ですが、治療中も熱や振動を伴わないので、きわめて痛みの少ない治療が可能になります。

Ⅲ.静かで快適な治療

今まで使用していた回転切削器具による音や振動が最小限の使用で済みますので、快適な環境で静かな治療を受けられます。

Ⅳ.安全性

厚生労働省の認可を受けて、安全性に関しては問題ないことが確認されています。また、アレルギー反応や有害物質についての報告もありません。

Ⅴ.保険外診療

この薬剤使用は健康保険の適用範囲外ですので、保険外の治療になります。

実際にスウェーデンなどでも実証済みの治療法で自分の治療方針である

“ できるだけ削らない治療 ”

という方針にピッタリなので導入いたしました。

詳しく知りたい方などはご質問もこちらからでもどうぞ^^

口の中がよく見える!

開業以来、テレスコープという眼鏡みたいな拡大鏡を使って診療しています。

これは、最近のドラマの “医龍” などでも手術のシーンなどで出てくるものです。(倍率は違うと思いますが。。。)

実際、口腔内を2.5倍くらいに拡大していますので、治療の際に本当によく見えます。

以前のものや他のメーカーのものは、重かったり、使用すると目が異常に疲れたりとあったみたいなのですが、自分が使っているものは、アメリカの市場で1番使用されている“サイブロン”さんが取り扱っているものです。

ここの良い点は焦点距離などが、自分仕様でオーダーメードできるという点です。

実際、見た目などではここよりもスポーティーでかっこいいものはたくさんありますし、価格的に半分くらいのモデルも結構たくさんのメーカーからは出ていますが、オーダーメードできるのはここだけでした。

また、実際軽い!というのも大きな利点です。

開業以来、お子様の診療を含め、殆どすべての治療に使用していますので、これがない診療は今では考えられないくらいです。

これで、患者さまのお口の中を見ますと、治療に妥協できなくなります。

根の治療でも確実に質は上がりますし、詰め物や被せ物でも、ハッキリと境目のラインが見えますので、患者さまにも満足いく質の治療を提供できると思います。

見た目は変な容貌で、時々お子様から変な目で見られますが。。。

患者さまによっては、ものすごく視力の悪い先生なの?って考える方もいらっしゃるみたいですが、笑わずに見てみてくださいね!

いつか画像をアップできると思いますので。。。

また、この前厚生労働省から認可がでたもので、むし歯を削るタービンという機械を使用するのをできるだけ少なく出来る、う蝕除去液の“カリソルブ”を近く導入する予定です。
その時にはブログで詳しく説明予定ですのでもうしばらくお待ち下さい。

感染対策

先日の日曜日に鹿児島で、“ 歯科医院の感染管理 ”というセミナーをスタッフの衛生士さん1人と受講してきました。

うちの医院では、あたりまえのことですが、

①使い捨ての紙コップと紙エプロン(子供用と大人用)

②1人1セットの基本セット使用

③デジタルレントゲンの際のホルダーの薬液消毒と噛む部位の
 スチロール部位の使い捨て

④基本セット使用後の洗浄→薬液消毒→オートクレーブ滅菌

※薬液も感染源になりやすい血液のタンパクの分解に優れているものです。
※使用後のものは高圧アルコール蒸気滅菌器(オートクレーブ滅菌器)にて時間をかけて器具の滅菌処理を行っています。

⑤滅菌できないプラスティックやゴム類の薬液消毒

⑥口腔内写真の際のミラーの薬液・アルコール消毒

⑦根管治療の際のリーマー、ファイル類(神経を取るときなどの根の清掃する針状のもの)や削合する際のバー類(むし歯の部位を削る道具)の超音波洗浄

⑧滅菌などの終了したものは、紫外線による殺菌灯のついた保管庫(抗菌キャビネット)でセットを組んで保管

⑨金属の詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)をセットする際の調整、研磨後の超音波洗浄

⑩むし歯を削るタービンやエンジンという音のでる機械の先につけるハンドピース部分は“ケア3プラス”という機械で自動洗浄・注油システムを組んで行っています。


また、自分の考えでは医院は清潔感が大事と思っていますので、外観はもとより診療室、待合室も白です。

これには汚れが目立つよ!などのいろいろな方々からのアドバイスもありましたが、目立っていいんです!

目立ってこそ綺麗にする意欲がわいてきて、またそれを維持しようと常に清潔になるように努力しています。

で、話は元にもどりますがこの前のセミナーでは感染管理の目的として

Ⅰ.患者さまの安全

Ⅱ.作業者(歯科医師、歯科衛生士)の安全

Ⅲ.治療の質の向上

ということが挙げられていました。

本当にそのとおりだと思いました。

他にも院内のマニュアルとしては、受付の方、衛生士の方のそれぞれの毎日の始業前、診療中、午前診療後、終業時の仕事や週一の仕事、月一の仕事なども作っていますが、この半年の間だけでもミーティング時に何度もよりよくなるように更新していっています。

診療室はもちろんですが、患者さま環境のトイレや待合室も清潔になるようにグリーンもいろいろ配置しています。
今日は午前診療だったので、身障者の方でも入れるトイレの方のグリーンと待合室に飾るパンパスグラスで秋を感じるようにしてみました。
もちろん、これも自分の趣味の範囲なので、お昼を食べに自転車で行っていた帰りに花屋さんで重い鉢植えと長いパンパスを抱えてよろよろと帰ってきましたけど。。。

これからも感染対策にも常に新しい情報を取り入れて患者さま、スタッフを含めた安全管理対策をやっていきたいと思いますので、患者さま方からのいろいろなアドバイスもお待ちしています。^^

ちなみに今から大好きな太鼓ですが、今日も南州道場なのでちょっと遠いですが(車で30分くらい、いつもはウエルネスなら自転車で5分くらいなのですが。。)頑張ってきます!

親知らずのお話

皆さんは親知らずって聞いて、どう思われますでしょうか?

やっぱり“抜くのが痛い”っていうイメージが大きいと思います。

昔の場合は、この親知らずも顎がしっかり発達している場合などはもちろん抜く必要もなく、しっかり親知らず同士で噛み合っていて合計32本の歯の数が普通だったのです。

語源としては、平均寿命が50歳代だったころは、この歯が生えてくるころには親元を離れていたり、親が亡くなったりしてから生えてくることが多かったために、この名前が付いたといわれています。

また、親知らずのことを英語ではwisdom tooth(智歯)というのですが、これは物事の分別がつく年頃になってから、はえてくる歯であることに由来します。

ところで、レントゲンなどで“親知らずがあります”というと、必ずと言っていいほど、「親知らずは抜いた方がいいでしょうか?」というご質問をいただきます。

これに付きましては、最近の傾向としては、顎の退化により親知らずの生えてくるスペースがなく、斜めの向きにちょっとだけ頭を出したり、真横にもと(歯胚・・・しはい)があったり、その歯胚自体がなかったりと人によって様々ですので、その処置方法も何パターンかあります。

①、親知らずのもとがない場合
・・・もちろん抜歯の必要もなく、特に心配する必要もないですが、最近では親知らずのもとだけでなく、2番目や5番目の歯のもとがない方も多いですので、レントゲンでの確認をお勧めいたします。(これは、主に矯正などを小学生から始める場合などは大変重要になってきます。)

なぜ、2番目や5番目、8番目(親知らず)のもとがない場合が多いかというのは、歯には切歯(1・2番目)、犬歯(3番目)、小臼歯(4・5番目)、大臼歯(6.7.8番目)という種類があるのですが、その種類の中で最も後方の歯が必要ないと判断され、退化していっているのだと言われています。

②、親知らずのもとはあるが完全に骨の中に埋伏(埋まっている)している場合
・・・特に抜歯の必要はないですが、このまま高齢になる可能性が高く、入れ歯などの製作後に生えてきたりする場合は高齢で抜歯が出来ない時もあります。(骨が吸収されて骨折の可能性がある場合などがある。)

③、親知らずが頭だけ生えてきている場合
・・・この場合が1番むし歯にもなりやすく、また隣の歯もむし歯になりやすかったりします。この場合は残すのと抜歯するのとのメリット・デメリットを天秤にかけて通常は抜歯した方がいい場合が多いです。
また、疲れたり、体の抵抗力が落ちたりした場合は、親知らずの周りの歯と歯茎の境目の歯周ポケットから細菌による感染が起きやすく、頬が外からみても腫れたり、化膿したりします。この際も一回は炎症は落ち着くのですが、いつかははっきり言えませんが、再度同じ症状になる場合が殆どです。
また腫れている時に抜歯を希望されても、その状態での抜歯は炎症が顎の骨まで波及する可能性が高いために(歯は顎の骨に直接埋まっているため)最低2、3日は消毒と抗生剤投与などで炎症消退してからの抜歯になります。
この場合は患者さまが抜歯を希望されない場合は、また腫れる可能性をお伝えして、そこのブラッシングに注意していただいて、何回か腫れる場合は抜歯しましょうとお話します。
患者さまが抜歯を希望される場合は上の親知らずと下の親知らずでの抜歯の違いなどをお話した上で抜歯いたします。

その違いというのは、まず顎骨の構造上の違いにより上は麻酔も通常の麻酔(浸潤麻酔・・・通常1~2時間でその歯の周囲にだけ効く)で効きやすいのに対して下は効きにくい場合は下顎孔伝達麻酔(通常3~4時間くらい効果あり、舌や唇もしびれた感じが残る)+浸潤麻酔を行うということが1つ。

また、上は顔面の骨にくっついているので傷口も治りやすく、通常抜歯しても次の日くらいまでにはほぼ痛みが無くなる場合が多いのに対して、下はしゃべったり、食事をしたりする際に傷口が落ち着きにくいため、治癒しにくく場合によっては1週間前後痛み(違和感)が続くこともあるというのが1つ。

他には、上は特に問題なければ30分以内で抜けますが、下の歯で骨の中に埋まっている程度や向き、隣の歯との位置関係によっては、分割したり、周囲の骨を削ったりする必要があり1時間以上かかる場合もあるというのが1つ。
(ただ上の歯でもむし歯の範囲が大きくてつかむ場所がなく、根っこしか残らなかったりした場合は時間がかかります。)

もちろん、患者さまの希望をお聞きした上で残した場合と抜歯した場合をきちんとお話して、最終的に処置を決めていきます。

親知らずといえども、何年か後に他の奥歯がダメになった場合にインプラント(人工歯根)ではなく、この自分の歯である親知らずを利用できる場合もあるのですから。。。

親知らずについて、少しは参考になったでしょうか???

また、ご質問などあれば、ウェブ上でも受け付けますのでよろしくお願いいたします。