摂食・嚥下について

先週の土曜日に障害者歯科研修の最後の講習会があり、診療を少し早く終了して宮崎に行ってきました。

1回目はこれからの障害者歯科診療や宮崎県の障害者歯科の現状についてで

2回目は開業医と障害者歯科診療、開業医と在宅歯科診療、

3回目は障害児の歯科診療

とあって、いずれもこれから必要な分野で、特に3回目などは
泣くお子さんの診療にも役立つお話しなどでした。

そして、4回目の今回は高齢者の摂食・嚥下障害の評価と訓練について。

現在では、少しでも誤嚥(食道ではなく、食べものが気管に入ってしまうこと)などがあると、経口栄養ではなく胃からの経管摂取になったりして、他の機能が低下していく方が多いという現実があります。

もちろん、摂食・嚥下障害があると

①、誤嚥性肺炎や窒息

②、脱水・低栄養

③、食べる楽しみの喪失

などの問題もあるため、無理に経口摂取とはいかないかもしれませんが、ただ一律にダメというのではなく、その方の状況

Ⅰ.意思の疎通はできるか?
Ⅱ.深呼吸ができるか?
Ⅲ.異常にやせていないか?
Ⅳ.異常な円背(腰の曲がり)はないか?
Ⅴ.首は普通に動くか?
Ⅵ.声は普通にでるか?
Ⅶ.普通にしゃべれるか?
Ⅷ.流涎(よだれ)や痰(たん)はないか?
Ⅸ.口は普通にきれいか?

などのいろいろな機能から総合的に判断されるべきである、という考えで、もっともなことですが、現実はそうではないようで。。。

で、ここで内視鏡を使用して口腔内で食べものがどういう風に嚥下されるかということを実演でみたのですが、健康な自分たちでも誤嚥する可能性は十分にあり、また各個人によって嚥下の機能もさまざまだと感じました。

また首の位置や背中の丸め方、舌の使い方によっては普段意識なく、

“ 食べものを飲み込む ”

という当たり前の行為がこんなにも難しくなるのか?と考えさせられました。

これからのさらなる高齢化社会では、この摂食・嚥下障害というのは重要な問題であるのと、これからはチームで歯科医師(会)や一般の施設とのさらなる連携が必要だと強く感じました。

勤務している時には、あまり考えていなかった領域なのですが、開業してからは、歯科医師会での公衆衛生委員で口腔ケアの仕事なども担当するようになり、少しずつ興味がわくと同時に、重要課題だと考えます。

通常の診療以外の、今回の障害者や高齢者の方たちの診療も少しずつでもこれからの診療に活かしていきますので、応援よろしくお願いいたします。^^

かみ合わせの重要性

先週の日曜は 横浜で開業されている 續先生 のセミナーが鹿児島の歯科医師会館でありましたので、行ってきました。

前日は姪っ子の1歳の誕生会を国分でして泊まっていたので、そこからJRで30分くらい。

この先生のスプリント(顎関節症に用いるマウスピース様のもの)の著書を勤務医時代に読んだことがあり、感動して開業前にそんなに分厚くないものですが、一冊をまとめ上げたこともあります。

噛み癖ってだいたいすべての人にあるのですが、極端に強い人や何かのきっかけで噛み癖側が変わってしまう人などもいます。

この噛み癖の影響が、お口だけにとどまらず、顔から全身へかけて影響し、そのバランスを保っているという考えです。

例えば、お口の中では

①、舌の容量の違い(左右差)・傾き
②、咬合平面(上の歯の先端を結んで出来る平面)の傾き
③、歯軸(各歯の中心線)の傾き

などで、口以外では

①、眉の傾き
②、眼の開き具合の左右差
③、鼻中隔(鼻筋)の傾き
④、口唇の傾き
⑤、オトガイ(下顎の先端)の傾き
⑥、下顎角(えら)の張り具合の左右差
      
      ↓

⑦、肩の傾き(高さの左右差)
⑧、腰の傾き(高さの左右差)
⑨、足の開き具合

などが、すべて関連しているというものです。

テレビに映るタレントの方の中にも、この方は少しこういう状態だから、噛み癖はこっちだろうな?などという見方もしますし、必要があれば、患者さまに顔面や全身の写真も撮影して説明したりしています。

例えば、

1本の歯の被せ物(もしくは部分的な詰め物)でも、噛み合わせが変化して、うつ状態から精神的に落ち込んだり

患者さまが高いという部位を、原因もハッキリしていない状態で、噛み合わせを削って調整したりして噛み合わせが低くなることにより精神不調和や不定愁訴(頭痛や肩こり、腰痛など)がでてきたり

などの可能性があるということです。

それくらい、噛み合わせは全身(心と体)の健康などにとっても重要なのです。

この考え方は霧島会(都城市の永井先生主宰)の考えでもあり、口腔内全体の健康から全身的な健康をという一口腔単位での包括的な治療をすすめる方針につながっています。

自分の診療方針には、

できるだけ侵襲の少ない診療を!

というのがあるのですが、これは後戻りの出来る処置を優先して処置するという考えからです。

歯を削ったり、神経を取り除いたり、歯を抜歯したりというのは後戻りできない処置です。

以前は顎関節症の治療というと、理想的な噛み合わせにするために全部の歯を削ったり、被せたりして自費治療でしていた時代もあったみたいですが、最近はスプリントなどで顎の位置を噛む筋肉の無理しない位置に誘導して筋肉の緊張を取り除いたり、レーザーで噛む筋肉の緊張を取り除いたりする方法が優先されます。(当医院でもこの方針です。)

ただ、患者さまの中には痛みがあるのに何も削ったりしてくれないの?などと言われる方もいらっしゃると思います。

しかし、歯の痛みには関連痛(歯以外が原因の場合)もありますし、歯周病によるものもありますし、歯自体でも体調、天候、気圧なども厳密には関連する場合もあるのです。

それで、“ 最近、ココの歯が痛い ”

と言われた場合でもレントゲンや他の診断ではっきりむし歯などがない場合には、噛み合わせの影響(歯ぎしりなども含めて)も考えられますので。。。とお話しした上で、噛み合わせを診るために歯型だけ採る場合もあります。

すると次回は何ともない場合も結構あるのです。

特に歯周病や歯ぐきの腫れ、親知らずの影響などの場合は、疲れたり、風邪を引いたりなどで抵抗力が落ちることにより、細菌の数は同じでも相対的に細菌の力が強くなったようになるのです。

ですから、抵抗力が戻ると、以前の状態に戻ったりするのです。

あくまでも侵襲の少ない治療を!というのは大事なのです。

これからもこの方針は変わりませんので、何か治療方針などで分からないことなどはご質問下さい。

お口とメタボの関係は?

最近は、いろんな場所で

“ メタボリックシンドローム ”

という言葉を見たり、聞いたりすると思いますが、あまりお口と関係があるのは知られていないようです。

まず“ メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群) ”というのは、

肥満・高血糖・高血圧・高脂血症など

が重なった状態のことをいい、これらの危険因子が重なると、

脳卒中・心筋梗塞・糖尿病 などの生命に関わる病気になる確率がとても高くなります。

そこで、この“ メタボ ”と深く関係しているのが食生活です。

たとえば、食べ過ぎは肥満や体脂肪の蓄積を招くことにより、“ メタボ ”の可能性を高めます。

そこで、よく知られていることだとは思いますが、この肥満を日常的に予防する方法として食べものを「よく噛む」ことが挙げられます。よく噛むことで満腹感が得られますので、食べ過ぎを抑えることが出来るのです。

そのためには、健康な歯がまず欠かせません。

つまり、お口の健康が全身の健康を保つ上でその基礎になっているのです。

最近では、その歯を失う原因として「むし歯」よりも「歯周病」が多くなってきています。

しかし、糖尿病や肥満のある人には歯周病が多く、また逆に歯周病にかかっていると、この菌の毒素が体内に入り、糖尿病を発症するとも言われていて、双方向の関係があるようです。

この歯周病は、しっかりとケアをすれば進行を防げる病気ですが、初期のうちは自覚症状がなく、気付いたときには手遅れという場合もあります。

1番の予防はセルフケアで毎日の正しいブラッシングが大事になります。ただ、ご自身では磨いたつもりでも、実は磨けていない場合も多いのです。

そこで、プロフェッショナルケアとして、年に2~3回は歯科医院での定期健診を受けて、ご自身では取りきれないプラークの塊のバイオフィルムや歯石を取り除くことが必要になってきます。

また、セルフケアを高めるために、ブラッシングの仕方やデンタルフロス・歯間ブラシなどの正しい使い方もご相談してみてください。

肥満予防は、バランスのよい食事をしっかり噛むことからです。

よく噛むと、だ液もよく分泌され消化も助けますし、ゆっくり噛むと、胃のセンサーが満腹サインを出すので食べ過ぎるということも避けられます。

“ メタボリックシンドローム ”の予防につなげるためには「歯の健康」を保ち、いつまでもご自身の歯で噛めるようにしていきましょう!!

最近のママ患者さん事情

最近というか、今までブログでも妊娠中の方などの来院が多いことについて書いてきましたが、開業して1年3ヶ月くらいになったので、その方たちが出産されて、また来院されています。

それで、まだ赤ちゃんが小さいので。。。という理由でなかなか預ける場所がなかったり、ご主人の休みに合わせてご予約とられたりとなかなか大変なようでした。

それで、ここの医院内の建物は玄関以外はバリアフリーの設計なので、半個室ということもあり、最近では

お子様が心配なママにはユニット(診療台のチェア)横までベビーカーを持ってきていただいて診療しています。

お子様がおっぱいの時間で少し泣く場合などは、

その場で授乳していただいたり、

眠くて泣く場合にはスタッフが寝かしつけたり、

またまた器用なお母様は診療されながらも、足でベビーカーを揺らしながら寝かしつけたり

など身近にいる分、安心できるようです。

それで、お預けになって1人で来院されるママ患者さまには、こちらの方からも、

“ 試しにベビーカーで連れてきてみてはどうですか? ”

などと提案しています。

お子様が小さいという理由で歯医者に行くのはちょっと。。。
などとためらっているママさんも、ご自分の時間を作ってみるのはどうですか?

小さいお子様も、下は8ヶ月くらい(下の乳歯の前歯がでてきた頃)から、歯磨きの仕方や指しゃぶりなどのご相談に来られる方もいらっしゃいますので、お子様も歯科医院の雰囲気になれるという点ではいいと思いますので是非ご相談下さい。^^

歯周病って??

最近はむし歯と同様に結構マスコミなどからも聞かれるようになった“ 歯周病 ”ですが、歯科関係者はよく知っているものの一般の患者さまなどは???って方も多いと思います。

問診でも“ 歯石除去 ”希望の方は多いのですが、多くの方は歯の着色除去と混同していて歯石除去をする前の歯周病の検査の結果をいろいろ工夫してお話するのですが、最後に

“ で、自分は歯周病じゃないんですよね? ”

といわれる方もいらっしゃいます。

この歯周病は

①.病気が歯肉にとどまっている歯肉炎

②.歯根のセメント質や歯根が埋まっている顎の歯槽骨、またこの2つを結ぶ歯根膜まで広がった歯周炎

に分類できます。(※ホームページ参照)

このように歯を支える歯周組織(歯槽骨、歯肉など)に起こる歯周病も最近急増している生活習慣病の一種です。

この生活習慣病というのは、多くの種類があり、最近特に問題視されている

      メタボリックシンドローム

もその1つですが、生活習慣病の特徴としては1つの病気を持っていると他の病気も併発しやすいということです。

また、病気がかなり進行しないと自覚症状も出てこないのですが、長期にわたって放置していると、生死にかかわる深刻な合併症を招く可能性もあるということです。
もちろん生活習慣病といわれるように生活習慣の乱れが関与しますが、例えば喫煙習慣があると歯周病のリスクは2~8倍に高まるといわれています。

つまり歯周病の1番の原因は、

ポルフィロモナス・ジンジバーリス菌などの歯周病菌と呼ばれる嫌気性菌が、歯と歯のすき間・歯と歯肉の間の溝(歯肉溝、ポケット)に無数にたまるプラーク(歯垢)

なのですが、そこに生活習慣の乱れ、さらに体質的要因なども加わって発症・進行するのです。この歯周病は成人の約8割がかかっていると推測されているので、その意味では、患者数がもっとも多い慢性感染症であり生活習慣病といえます。

たとえば

糖尿病になると

→①.だ液の分泌量が減って歯周病菌が増殖したり、
→②.免疫機能や組織修復力が低下して歯周病が発症・進行しやすくなります。

逆に歯周病が進行すると
 
→大量のTNFーαが分泌され、インスリンの効きを悪くして糖尿病を発症・進行させる恐れがでてきます。

他にも肥満が進むほど発症しやすいとか、心臓病、肺炎、またまた早産や低体重児出産との関係も指摘されてきています。

そこで最も大切なのはむし歯だけでなく、歯周病でも予防!

その基本はブラッシングなどによるバイオフィルムコントロールです。

まず歯をきちんと磨いて口の中を清潔に保ち、狭い歯間を掃除する歯間ブラシやデンタルフロス、洗口液を併用するのも効果的です。

→パーソナル・プラークコントロール

また、歯科医院を定期的(3ヶ月~6ヶ月)に受診し、自分では取りきれないプラークなどのバイオフィルムを除去してもらうと効果はさらに高まります。

→プロフェッショナル・プラークコントロール

このように歯科医院で

“ 定期的に検診を受けましょう ”

というのは患者さまのためになる重要なことなのです。

痛くなってからでは治療に費やす期間も費用もそれなりにかかりますが、定期的にチェックすることによって問題なければ、2~3回の通院で終了する場合が殆どです。

当医院では患者さまの最後の検査結果により、ある程度の次回の定期検診の目安はお話ししますが、皆さんそれぞれの生活環境が違うので、最後は患者さまが1ヶ月に1回の来院を希望される方もいらっしゃいますし、理想は3ヵ月後くらいだけど今は仕事が忙しいので、と6ヵ月後を希望される方もいらっしゃいます。

それでいいと思います。

この定期検診が患者さまにプレッシャーになっては意味ないと考えています。積極的に来院していただくことが重要なので、各々のライフスタイルに合わせてでいいと思います。

で最後に

“ 定期健診を受けましょう!!! ”

霧島会

またまたずいぶん間隔があいてしまいすいません!

この前の土曜日は、夕方の診療を終えてから昨年の開業前に受講した霧島会の10周年の講演・懇親会があり宮崎に行ってきました。

この霧島会というのは都城の永井先生を中心として歯科診療を全顎的に考えて診療するというスタイルです。(本来の歯科診療からは当たり前のことなのですが・・・)
とにかく、噛み合わせも考えた上でのむし歯、歯周病などを段階、段階で検証して次のステップへ進んでいくので治療期間はかかりますが、人生を考えたら本当に患者さまのことを考えた治療方針です。

また、患者さまやスタッフへの接し方などから始まり、安易に一部分だけ診て治療することの危険なども受講時にじっくりお話を聞きました。
もちろんインストラクターの先生方の治療技術なども素晴らしいのですが、その診療に対しての考え方などが共感できる所が多いというのが受講したきっかけでした。

そのときのすべてを実践することは今でも十分には出来ていないかもしれませんが、診療の考え方のコアになっていることは確かです。

今の自分の診療でいうと、まず通常の被せ物を作るときに仮歯をすることがあると思いますが、ただ次回はめるまでと言う考えではなく、その方にとってかみ合わせ・形態・色などが問題ないかを確認するための仮歯という考え方で、じっくりその期間を設けるということです。もちろんこの期間はいろいろ試行錯誤できますので、最終的な被せ物にはそこでの不満がすべて改善された仮歯の状態が反映されて、満足いく状態の被せ物が出来上がります。

また、奥歯を失った方などで目に見える前歯だけを作っては壊れて、というのを繰り返している患者さまなどは、義歯(入れ歯)はどうしてもはめられない(違和感が大きくて・・・)場合が多いです。
ただ、この場合も通常の仮歯の考え方と同じで、まずこの方に合った噛み合わせの位置の模索などのために仮の入れ歯などを作って、何とか使用していただける形態なども考えていきながら前歯にも負担がこないようにする、という考え方です。

こういう症例の写真もいつか掲載できるように準備していこうと考えています。

本当は次の日の朝(日曜日)からインストラクターの先生方の症例発表などがありとても聞きたかったのですが、日曜当番医だったので仕方なくその日はJRで帰りましたが・・・

開業から1年経ち、久しぶりにいろいろな先生方とお話する機会をもてて、言葉で表せないくらい充実した気持ちになり、またあらたにヤル気をもてた感じです。

いつか自分も症例発表できるように日々この気持ちを忘れずに診療にあたっていきますので、これからもよろしくお願いいたします。

保険診療と自費診療の違い  

最初に、健康保険とは日本独自の制度で一定レベルの治療が多
くの方へ安価で受診できるという大きなメリットがあります。

しかし、世界的に当たり前の治療が健康保険では認められてい
ないものもあります。

現実問題として予算に限度のある健康保険では、

    “ 最良の理想の治療が受診できない! ”

のは事実です。

概念的な違いとしては健康保険には予算と言う制限があり、その中で 予防的治療・審美的治療・健康な歯を将来的に維持する治療 などは除外されています。

自費ではそのような制限がありませんので、理想的な最良の治療というものをできると言う事です。

もちろんドクターの考え方としては 

    “すべての方にできる限り最良の治療をしたい”

というのが本当の気持ちです。

しかし、患者様にはそれぞれの事情がありますので、自分の考え方としては、まず治療方法の選択肢としては考えられるものをできるだけ多く提示したいと考えています。

また初診時の問診でも、できるだけ患者さまの希望をうかがうために“健康保険のみでの治療希望”や、“一部は自費でも構わない”などを選択する項目も設けてあります。

やはり、その場になってチェアサイド(診療イス)ですわったままの状態で 
        
        “これが1番良いですよ” 

といわれればなかなか断れないのが現実ですよね?
また、実際には治療の選択肢が少ないことも問題あり???
(実際は保険診療でできる範囲でも自費をすすめるなど)。

そのため当クリニックでは、自費の詰め物やかぶせ物も保険のものとの比較を分かりやすく一覧表で提示(ホームページにも記載)して、それから次回以降までに患者様が決定していくようにしています。

話は少し変わりますが、皆様が考えていらっしゃるのは、

 治療すればよくなった(もうむし歯にはならないはずだ)    
 という方が多いですが、

実際は削れば、そこからは抜歯への道をまっすぐに進み始めた  
といっても過言ではありません。 

なので、大事なのは以下の点になります。

①できるだけ削らないようにする
・・・ 予防などで健康な歯の状態の維持

②削った場合は、できるだけ再度むし歯になりにくいように 
する・・・ 最良の材料での処置(材料の特徴などは前述の一欄表を参照)

ただ、保険と自費の差が無いもしくは少ない治療としては

・・・小さなむし歯・軽度の歯周炎・抜歯 etc.があり

保険と自費の差が大きい治療としては

・・・大きなむし歯・重度の歯周炎・PMTC(専門的クリーニング) etc.

さらに自費でしか認められていない治療としては

・・・インプラント治療・矯正治療・審美治療・ホワイトニング etc.

があります。

※以上は大まかな目安で、細かい点において異なる場合もございます

もちろん保険の診療が悪いという訳ではありませんので、それぞれのメリット、デメリットを各人で判断していただいて、部位によってはここは保険診療で他の目立つ部位は自費で、というのももちろん可能です。

要は、保険診療でどういう治療までできて、それに満足できるか?の判断になってくると思います。

そこに関しては、いつも記載しますが納得いくまで十分質問などをしたほうがいいと思います。

また、以外と知られていないのが、保険診療は全国どこで受けても治療費(自己負担分)はかわりませんが、自費の治療費は各歯科医院によってまったく料金が変わりますので、そこも聞きにくいところだとは思いますが、判断材料の大きく占めるところですので。。。

今はこの前保険改正がありましたが、それの主な治療別に保険診療の説明パンフレットも製作途中です。一番心がけているのが、“ 明確な治療費を!”ということなので!

セカンドオピニオン

本日、遠方から来院いただいた方で今の現状の説明をご希望された方がいらっしゃいました。

なんでも、以前被せた自費の被せ物(6~7年前に最初セットして2回目は半年くらい前にセットしたもの)が最近またグラグラするので診てほしいというご要望でした。

レントゲンで確認した上で、現状をお伝えしました。

通常は、全体的な被せ物やブリッジにする場合に何か

  “  紙切れ  ”

をもらうのを覚えていらっしゃるでしょうか?
通常の保険診療機関であれば、

“  補綴物維持管理  ”

の届出を出している場合は、この紙切れが2年間の保証書になるのです。

そう、保険診療の被せ物ですら2年の保証を付けるのです。

保険外の自費の被せ物ならば、患者さまの立場からすればもっと長い保証を。。。と思うのも当然だと思います。

それで当医院では、保険外診療では十分な説明を行った上で、契約、署名の形を取らせて頂いています。

ただ、今回の患者さまの場合は、特に被せた医院でないここではまた一から自費の自己負担になってしまうので、セカンドオピニオンとしての現状説明だけして、

あとはかかりつけ医院で再度ご相談してみては?

と提案しました。
保証していただけるならそこでやって頂いた方が患者さまの負担も軽くて済みますし。。。

あと、グラグラしているのが歯周病ではなく被せ物自体での動揺だったのですが、根の残りも短く(または根が破折している場合も)保存できずに抜歯になる可能性がありましたので、その処置をここで行うと、保証がもしあったとしても適用外になるときもあるからです。

やはりよく聞くのは、いつのまにか保険外の治療になっていてなんでこれが入っているのかよく分からないという状態が多いことです。

患者さまも分からないことは積極的に質問した方が絶対いいですよ!

自分は、矯正のカウンセリングでも、

自分の診療方針での治療期間、方法、費用はこうこういう理由
でこうなります、

と説明した上で、できれば他の医院にも参考までにでもお聞きしていただいて、それでもこの方針で最良とお考えになるのでしたらやりましょう!とお話しています。

削ったり、矯正治療したりなど後戻りできない処置をする場合は特にいろいろ参考にされたほうがいいと思います。

自分は話し好きでもあるので、相談大歓迎です。

お話だけでもどうですか???

日々進化する治療法!

昨日は、鹿児島でダイレクトボンディングのセミナーがあったので、いつものごとくJRで行ってきました。

セミナーは10時半からだったのですが、早めに7時2分の普通列車に乗り、国分で乗り換えて9時前に鹿児島中央駅についたので、スターバックスで朝食をゆっくり摂ってから市電で天文館の歯科医師会館にのんびりと。。。終わりは夕方だったので、家に帰り着いたのは8時半でしたが充実した1日でした。

このセミナーは、前歯などが虫歯の時に削って白い詰め物をしますが、最近は歯とこのレジン(白い詰め物)という材料の接着が強固になったので、以前であれば全体的に削っていたような症例をこの材料で治療する方法についてのものです。


例えば、

①.前歯の先端が破折したような場合に、全部削って被せるのではなく、その部位を必要最小限のみ整えて詰めたり、

②.歯と歯の間の隙間が気になるけれど、矯正まではしたくない場合にこの材料で境目を分かりにくくして埋めたり、

③.歯の表面の色が神経を取り除いて暗くなっている場合に、表面を一層削ってラミネートベニア(歯の表面の付け爪のようなもの)で処置するまではしたくない時にCR(このレジン)ベニアで表面を薄く詰めていったり

などです。

ただ、いずれも虫歯での処置ではなく、1時間近くかかる処置でもあるので保険外の診療になります。

通常の詰め物は、フリーハンドで1色の色で詰めていくのですが、ダイレクトボンディング法では

①、まず歯型を採り・・・1回目の来院時の処置

②、その模型上で、修復した状態を蝋(ワックス)で作り

③、その型をパテ状の材料で型を採り

④、その型を口腔内で合わせながら、通常の見えない裏側をしっかりした形で詰めていき、表側も微妙に違う(エナメル質、象牙質、先端部)歯の色に合わせてパレットに出したレジンを何回にも分けて(何色の色も使用して)積層していく・・・というとても大変な作業なのです。また、研磨も粗研磨から最終研磨までしていきます。
・・・2回目の来院時の処置

ただ、この処置方法が最高というわけではないのですが、いろいろな患者さまの状況によっては、最善の治療方法になると思い、選択肢の1つとして提示していけるようにセミナー受講しました。

ここだけでは書ききれないのですが、各方法で一長一短あるのと、適応症例かどうかは、まずご相談をおすすめいたします。
何と言っても歯を削る量としては、圧倒的に少ない(MI・・・ミニマムインターべーション、最小限の侵襲)という考えは自分の方針と一致します。

しかし、歯科の治療法も10年ひと昔ではなく、5年で。。。
という感じです。

できるだけ最新の治療法も知った上で、自分で噛み砕いた後に提供できるようにこれからも自分も日々進化していく予定です。^^

先週の金曜日から、3人目の歯科衛生士さんがスタッフとして加わりました!

もうすぐ開業して1年経過しますが、ここまで開業時のスタッフのみでやったきて、1人も欠けることなくこれたのは皆の力のおかげだと思います。恵まれたスタッフに囲まれたことに感謝!!です。

口腔ケア

この前の土曜日の午後3時から歯科医師会館で、“口腔ケア”の講習会がありましたので、診療を早めに終えてうちの衛生士さん2人とともに受講してきました。

以前も少し書きましたが、当医院の患者さまの層としては、まず圧倒的にお子様が多いのと自分と同世代の方が多く、はっきり言って50代以降の方方が少しずつ増えてきましたが少ない状況です。

ただ、今からの高齢化社会もふまえると無視できないのが、この口腔ケアの分野だと思います。

この前のブログにも書きましたが、この歯科医師会の公衆衛生部の事業で梅北の公民館にて健康な65歳以上の方方へ“いきいきはつらつ事業”でお話などさせていただく機会があり、大変自分自身の勉強になりました。

実際の現場で働いている衛生士さんなどの考えと自分の考えとの開きを今日の講演で実感しました。

たとえば“口腔ケア”という言葉1つとっても、歯科医師であるにも関わらず“体の不自由な方方の食後のお口の中の清掃”というくらいにしか考えていなかった自分が恥ずかしくなりました。

実際は口腔ケアを通しての“口腔リハビリテーション”という位置付けで、急性期、回復期、維持期それぞれで対応は違うし、また何よりもご家族を含めたすべての関わる人が同じ認識で行うことによって(チームアプローチ)、病棟から在宅に移り、さらに寝たきり予防、生活機能の向上などを目標に行うという。。。

本当にこれからの分野というか、歯科が積極的に関わっていく必要のある分野だと実感しました。

もちろん、小児歯科などもですが、これからはもっと視野を広げた観点で一口腔単位、全身疾患を含めた治療計画を立てて皆様のお役に立てるように頑張ります!!